メキシコの国旗が意味するもの・後編
メキシコ在住15年目、
「メキシコの素顔を世界に!」
をモットーに、
メキシコ公認ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。
メキシコの国旗が意味すること。
メキシコの国旗の意味
前回はこちら~
メキシコの国旗・その1
今のメキシコ国旗に似た形になったのは、
前回書きました、
スペイン側のイトゥルビデ大佐の軍と、
ヴィセンテ・ゲレロの独立軍の同盟軍旗(バンデラ・トゥリガランテ)に端を発します、
ということでしたネ。
「3つの保障=トレス・ガランティア」を盛り込んだ綱領ができたのが、
1821年2月24日です。
だ・か・ら、
現在もメキシコでは、
2月24日を国旗の日と定められているんです。
ちなみに日本の国旗の日は1月27日なんですよ~。
この時に使われた同盟軍の旗「バンデラ・トゥリガランテ」
に赤、緑、白色が初めて使われます。
ちなみに、
トゥリガランテとは、
トゥリ/Tri=3
ガランテ/Garante=ギャランティ/保障
それでこの3色が何を意味するのかというと、
その「3つの保障」です。
赤はメキシコの全てのクラスの人々の結束、
緑は独立、
白は信仰(カトリック)心
👇同盟軍の旗「バンデラ・トゥリガランテ」
人によっては、
これをメキシコの最初の旗とする人たちもいます。
これ以降、
メキシコの国旗は計8回に渡って少しずつ形を変えていき、
正式に現在の国旗となったのは、
1969年の国旗の日です👇
時代の変遷を経て、
赤、緑、白の意味合いも変わっていきます。
メキシコの国旗の各要素
現在のメキシコ政府の情報によると、
赤は独立の為に戦った同志の血、
緑はメキシコに存在する各民族の希望
白は国の団結
です。
中央部のデザインをみると、
メキシコを象徴する様々な要素が見られます。
1. ワシ
2. ヘビ
3.ノパル(サボテン)
4.トゥナ(サボテンの実)
5.岩山(島)または岩⇒テノチティトラン(メシカ帝国の首都)となる場所
6.湖⇒テスココ湖(メキシコシティ周辺にかつて存在した湖)
7.貴石⇒トルコ石と黒曜石(メソアメリカで採れた石)
8.葉⇒勝利、英知、力、栄光の象徴
1~7番は何を描いているのかというと、
スペイン人がメソアメリカ(メキシコ)に乗り込んで来る前の時代、
メシカ(アステカ)帝国の首都テノチティトランができる場面です。
つまり、
今日メキシコシティがある場所が、
メシカ(アステカ)帝国の「首都」として機能し始める前、
メシカ人がメキシコシティの中心部(ソカロ)一帯に、
彼らの拠点を置く理由となる「お告げ」を描いています。
メキシコの意味
このお告げとはメシカ(アステカ)人の伝説によるものです。
その伝説というのはこうです。
メシカ人は元々今メキシコシティがある地域にいたわけでなく、
地方からの移民なんです。
彼らの故郷はアストラン(Aztlan)という場所とされています。
語尾にナワトル語で「人々」を表すCaを付けてAztecal、
「アストランの人々」という意味です。
この場所というのが未だ解明できていないのですが、
学校の先生曰く、
北西部のサカテカスにあるラ・ケマダという都市(遺跡)。
別の情報源によると、
メスカルティタンという、
ナヤリット州にある小さな島です。
とにかく北西の方から、
メキシコ盆地にたどり着いたと言われている民族です。
その移民の過程で、
チチェンイッツァのところで説明したトルテカ文化の首都だったトゥラに、
19年に渡って住んだのです。
(当時はトゥラは放棄されていました)
彼らには月を崇拝習慣があり、
その神はメシトゥリ(Mezitli)またはメシ(Mezi)と呼ばれていました。
語尾にナワトル語のCaで「人々」、
「メシカ」=「メシトゥリ神の従者」。
あらたなアステカの首都を目指すグループを率いるリーダーは
ウィツィロポシュトゥリ、
メシカ帝国で戦いの神としてメシカ人に敬われていました。
だから「アステカ」と「メシカ」は区別され、
歴史上有名な「帝国」をつくったのは「メシカ族」なのです。
そのアステカの神が、
「ノパルにワシがとまってヘビを咥えている場所に定住せよ」
とメシカ人に告げ、
彼らはアストランを出発し、
「その場所」を探す旅に出るのです。
彼らが見つけた「その場所」というのが、
テスココ湖に“あった”小さな島です。
その島があった場所というのが、
現在のメキシコシティ中心部一帯です。
Coはナワトル語で「場所」という意味。
MEXICOで、
「メシトゥリ神の場所」「メシトゥリ神の従者の場所」という意味。
メキシコの国旗のモデル
メキシコシティ周辺は湖だったんですね~。
👇こんな風に。700-900年ごろ
☝☝☝スペイン人が来るまで、
今のソカロ一帯は島だったんです。
この島のノパルにワシがとまってヘビを咥えていたようです。
ココから、
今日のメキシコの首都であるメキシコシティの、
元の元が始まったわけなんですね。
メシカの首都テノチティトランの始まりは1325年とされています。
だ・か・ら、
メキシコの国旗には、
その「お告げ」の様子が描かれているんです。
そしてこのデザインの手本となったとされるのが、
国立人類学博物館にある、
メシカ時代につくられたこの彫刻👇
ワシが、
ノパルの上に居てヘビを咥えています、
は間違いで、(苦笑)
正確にはアトゥルートゥラチノリ(Atl-tlachinolli)といいます。
“燃える水”と直訳できるのですが、
まぜ“燃える水”が後にヘビに変わったのか、
そもそも「燃える水」って何ぞや、
というのはまた別の機会に説明します~。(笑)
超多文化国家の大変さ
かつてメソアメリカ(昔のメキシコ)には確認されているだけでも124もの言語、
つまりそれだけの文化がありました。
メシカはナワ族の帝国で、
他の文化の人達からすれば、
「おれらの先祖を虐げたメシカは嫌いだ!」
「おれらはナワ族じゃなくララムリだ!ジャキだ!パメだ!プレペチャだ!」
という声も聞こえてきそうですが、、、
そこは緑色(各文化の希望)で落ち着かせているのか、
(☝全くの僕の推測デス)
現代メキシコに繋がる、
ヨーロッパ文化との最初の交錯が始まった土地テノチティトランと、
その当事者メシカ族を象徴するデザインとなっているのです。
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