一つの時代が終わる時・始まる時
スペインの侵略者たちが、
現在のメキシコが存在するエリアに広がっていたメソアメリカに侵略し、
貴金属の採掘とカトリックの布教活動の名の元、
メソアメリカ各地の人々を搾取し、虐げ、
当時世界一の大国であったスペインの植民地、
ヌエバ・エスパーニャを築き始めたのが1521年8月。
それから289年後の
1810年9月16日の未明*、
今のドローレス・イダルゴ村の司祭であったミゲル・イダルゴ司祭が、
群衆を村の教会の前に集め、
「Vamos a matar gachupines!」
(スペイン人達を殺そう!)
と言って、
メキシコ独立運動が始まります。
ガイドブックにも出ている通例では、
「Viva Mexico!」
と叫んだと言われていて、
現在も独立記念日9月15日の夜には、
大統領や地方の首長が、
国立宮殿や市庁舎から、
「Viva Mexico!」
と叫ぶのが独立記念行事のクライマックスです。
ただ実際は、
「Vamos a matar gachupines!]
(スペイン人達を殺そう!)
でした。
確かに大統領が未だに、
「スペイン人達を殺そう!」
なんて毎年言っていたら感じ悪いですよね。(苦笑)
(*メキシコの独立記念日は9月16日です。
でも祝うのは15日。
理由は独裁者ポルフィリオ・ディアス大統領が、
15日の自身の誕生日と一緒に祝うために1日前倒したためです)
☝☝☝まさに独裁者のやりたい放題。後に戻せばいいと思うのですが、ずっとこのままです。
メキシコが300年に渡るスペインによる統治後に独立したときはこうでした。
1810年に始まった独立運動(戦争)。
独立支持派とスペイン植民地政府側の争いは長期化し、
1821には11年目を迎えていました。
もちろん両者とも長引く争いに疲弊していました。
日本は伊能忠敬の『大日本沿海輿地全図』が完成した年です。
スペイン植民地政府側には、
スペイン本国の王室による直接統治を望む声すら上がっていて、
直接統治を望むグループは密かに戦略を練っていました。
その中に女たらしのアグスティン・デ・イトゥルビデ(Agustin de Iturbide)という、
植民地政府軍の大将がいたんです。