メキシコの国旗にある“ヘビ”の正体とは。

メキシコ在住15年目、

「メキシコの素顔を世界に!

をモットーに、

メキシコ公認ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。

 

メキシコの国旗にあるヘビの正体とは。

(写真:岩﨑)

 

8月か9月に、

メキシコの独立記念日にめがけて、

メキシコの国旗について少し書いた記憶があります。

 

「メキシコの国旗は世界で一番美しい国旗なんですよぉ!」とか、

「メキシコの歴史が詰まっているんですよぉ!」

なんていう事を書いた記憶があります。

 

☝これは大げさではなく、

ホントにメキシコの歴史を象徴するデザインになっているんです。

 

赤が独立の象徴、

緑が希望、

白が団結を意味し、

その白の真ん中に描かれている柄。

 

まずに目に付くのが鳥、

というよりもワシですね。

そしてそのワシが加えているのがヘビですね。

今日はその“ヘビ”について書きたいと思います。

 

なんでかと言ったら、

ヘビがここに描かれているのか不明だから。(苦笑)

 

このデザインの国旗ができたのは

1968年。

7度のデザインチェンジを経て、

今のものになっています。

 

あんまり自国の国旗にまつわる歴史や、

それぞれが意味するものを全部知っている人って、

なかなか少ないと思いますね。

かく言う僕だって、

日本の国旗の歴史について曖昧な部分があります。

 

なんでこのデザインなのか、

ザックリとご説明しますね。

 

アストランという「水の都」に住む人達

アステカ人には“月”を崇拝する習慣がありました。

その月の神をMetztli(メシトゥリ)といって、

とても気高い名前でした。

ある日、

そのメシトゥリからアステカ人にお告げがあります。

「ワシがサボテンにとまってヘビを咥えている島に都をつくるのだ」と。

 

その集団を率いるのは勇敢な戦士で、

自らもその神メシトゥリを名乗ります。

彼の苗字はウィツィロ・ポシュトゥリ

彼は後のメシカ(アステカ)帝国の神として崇拝されます。

彼の従者たちはメシカ(Metzikah)と呼ばれます。

語尾のKah はナワトル語で人を意味します。

 

1325年、

メシカ一行はある湖に浮かぶ島に辿り着き、

後のメキシコシティとなる、

彼らの首都テノチティトランを建設するのです。

 

その首都をナワトル語で場所を意味するKoをつけてMetziko、

神である「メシトゥリまたはメシの場所」という意味です。

あと、

もう一人のリーダーTenockatlからとり、

テノチティトランと命名します。

 

ここからメシカ帝国の首都の名称、

メヒコ-テノチティトラン(Mexico-Tenochititlan)

と名付けられたのです。

 

Metzikoはナワトル語でメシコと発音され、

スペイン人によってMexicoと書かれました。

時は流れ、

Xiはヒの発音となり、

メヒコ=日本語はメキシコとなったのです。

 

だ・か・ら、

メシカ(アステカ)帝国の首都の建設の所以となった「神のお告げ」に出て来る、

「ワシがサボテンにとまってヘビを咥えている島」

の様子が国旗の中央部に描かれているのです。

 

メキシコ⇒メヒコ⇒メシコ⇒Metzi+Ko(メシの場所)

 

そ・こ・で、(笑)

前置きが長くなりましたが、

なんでヘビがワシに咥えられないといけないのか。

ワシやサボテンはメキシコの自然界を象徴する生物だからわかるとして、

ヘビが咥えられなければならない理由。

 

コレ、

結論を先に言っちゃいますと、、、

「不明」

なんです。(苦笑)

 

ちゃんと国内外いろんな優秀な研究者が研究しても、

答えに辿り着けていないのです。

これまでに出版された多くの文献による矛盾や、

説明の不足から生じる勘違いが積み重なったことが原因だとか。

 

確かに、

メソアメリカでは、

・ヘビは豊作の象徴

・水を天に運び雨を降らせる神聖な動物

・主食であるトウモロコシと関係

などいった点で、

神聖なものだったんです。

それが何でワシに捕らえられないといけないのかですね。

 

メキシコの国旗のデザインの元になったと考えられているのが、

人類博物館にもあるこれ☟

(写真:岩﨑)

 

テオカリ・デ・ゲラ・サグラダ

Teocalli de Guerra Sagrada

という彫刻です。

 

その、ここの部分☟

(写真:岩﨑)

くねっている部分ですね。

 

これを見て何だかわからなかったスペイン人達が、

「くねっているからヘビだろう」

と考えたらしんです。

 

ヨーロッパではヘビは悪

ワシは善として、

解釈したのです。

 

だからずっと国旗の中にあるようす。(苦笑)

 

仮にスペイン人の勘違いとしても、

それも現代メキシコの一部ですから、

それもありなのでしょう。

 

それで、

このくねっている部分、

これ何かというと、

Atl-tlachinolliと呼ばれているものでして、

ようは水と燃えているものが均衡している状態を描いているらしいんです。

 

これについては別の機会に書きます~(笑)

 

#MexicoCentralTours

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