なぜ遺跡の年代が解るのか・前編
メキシコ在住15年目、
「メキシコの素顔を世界に!」
をモットーに、
メキシコ公認ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。
なぜ遺跡の年代が解るのか・前編
☝メソアメリカの母なる文化、オルメカ文化のラ・ヴェンタ(La Venta・紀元前1200~前400年頃)遺跡で発掘されたお供え品とみられる遺物。
メキシコに興味を満ち始めてくると、
必ず目に付くのが「~~~年」
という時間の概念。
テオティワカンは「~年に栄えた遺跡!」
チチェンイッツァは「~年!」
ウクスマル(ウシュマル)は「~年の古代都市!」
なんて説明されますね、大概の場合。
マヤやサポテカ文化には「文字」が使われていました。
石碑も見つかっています。
もちろんそれらの遺物から解明されることも多いでしょう。
でもそれだけでは不十分です。
しかも、
それ以外の文化では、
文字という文字は発見されていません。
でもどこの「遺跡」にいっても、
必ず~年という表示があります。
「当時の歴史書もないのに、
どうやって年代が解るのか」
って思われたことありますよね?
物理学に明るい方でしたらご存知だと思いますが、
僕みたいに疎いと、(苦笑)
チンプンカンプンです~。
考古学って“歴史”って思われていらっしゃる方も多いと思いますが、
厳密に言うと、
「人間の社会や進化を研究する社会科学」
と定義づけられています。
(☝メキシコでは)
歴史も科学ですが、
こちらは、社会の出来事の「記録」に特化した科学ですね。
メキシコの場合は、
スペイン人がメソアメリカ(今のメキシコ)に入植し、
スペイン語による「記録」が始まった1521年以降を、
「メキシコ史=ヒストリー」、
それ以前を「考古学=アーキオロジー」として分けています。
☝狭義にはです。広義には、メソアメリカも含めてメキシコ史です。
サイエンスです。
“ピラミッド”や、
“遺跡”を見て、
想像で年代を決めているわじゃないんです、もちろん。
てことは、
「科学的根拠」が必要になります。
科学に基づく裏付けがなければ、
考古学は科学として成り立ちませんから。
そこで用いられるものが、
「放射性炭素年代測定」
というもの。
なんかもう、
目が点になってしまうような難解な言葉ですね。
僕はいまでも目が点になっています。(汗笑)
この科学的測定方法を使うと、
テオティワカンの案内板に書いてある、
「~年」という情報が得られるわけです。
で、これなんなのかっていう話なんですが、
先に答えを書いてしまうと・・・
「自然の時計」
です。
体温計みたいに、
試料に差し込んで、
「おっ、これは1000前だね。」
「えっ、でもこっちは3300年前!」
なんてできたら、
どんなに興味深いでしょう!(笑)
自然の時計といったって、
日時計も自然の時計。
自然界には、
何千年、
何万年、
何億年という時間が経過しようが、
変わらない一定の法則を有する自然現象があります。
太陽や星座の動きもそうですが、
公転周期だってそうです。
これにより、
毎年殆ど決まった時期に春夏秋冬がきます。
考古学では「炭素」がもつ性質を使います。
炭素って・・・炭?(苦笑)
次回説明します~
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