【言わない】という真心。

言わないという真心。

 

今回はちょっとメキシコの話題とは離れてしまいますが、

「あー日本の人の心っていいなぁ」

と感じた経験について書きたいと思います。

 

僕は日本人として生まれ、

日本の教育を小中高大と受けた日本人です。

 

いくらメキシコが長いと言いましても、

「もうメキシコ人です!」

とは言えないですし、これからも言う気もないです。

 

「どうせ海外でちゃらんぽらんしてるんでしょ」

と思われる人もいると思いますが、

そもそも「ちゃらんぽらんする」って

どういうことなんですかね。(苦笑)

 

まぁその話題はいいとしまして、

 

不思議な事に、

外国生活が長くなると、

逆に日本らしいところとか、

日本文化について興味が湧いてくるんです。

(もちろん人によると思います)

 

4年前に帰った時にこんな経験がありました。

 

父親と嫁とメキシコの友人二人と一緒に、

長野県の山ノ内温泉に行ったんです。

お猿さんが冬に温泉に入る所ですね。(笑)

 

そこで温泉旅館に泊まったんです。

温泉に入り、

食事もし、

大好きなビールも飲んでいい気分になっていた時に、

何気なく目の前のコースターを手に取ったんですね。

裏返したら(ちょっとうろ覚えで定かではないです)、

確か“如意宝珠”か何かだったと思います。

とにかく熟語が書いてあったんです。

感謝を伝えるものでした。

もちろん、

出迎えから見送りまで、

女将さんはちゃんとしてくれますよ。

でも、

僕が「いいなぁ」と思ったのは、

お客が見なくても構わないという前提で

敢えて見えないところ(コースターの裏)に、

僅か数文字の感謝の気持ちを筆で記す。

 

これは日本人にしか出来ないし、

理解されないものだと思います。

 

いくらこれからグローバル化や、

コミュニケーションツールの発達が加速しようとも、

こういった極めて人間的なものって、

絶対に残していくべきだと思うんです。

 

眼鏡屋の前で朝礼をやっているのを通りがかりに見たことがあるのですが、

一列に並んで「いらっしゃいませ!」と

従業員が挨拶の“練習”をしていました。

 

最近の国民一律10万円の給付金を、

おカネを持っているらしい有名人が、

「辞退します!」と

公言していますが、

「黙って受け取って、

人を助けたいなら黙って寄付すればいいのに、、、」

と思ってしまいました。

何だかんだ理由を言っていましたけれど、

結局は良く思われたいんでしょうねぇ、、、

 

本業が俳優で何故かバラエティーが多い方も、

「苦しんでいる人が多いので僕、タダ働きします!」

 

「、、、」

 

本当に相手を想う気持ちって、

見返りを求めないもの、、、

いくら弁解しても下心見え見えです。

 

こちらメキシコでは、

僕の知り合いのメキシコの人達が、

このコロナ禍、

友人同士で寄附活動を始める人達がいます。

もちろんSNSで告知などしていない、

閉ざされたグループです。

各々思い当たる人で、

この状況下、

厳しい境遇に晒されている人たちをリストアップし、

彼らに簡単なインタビューをして背景を理解し、

グループ内で共有して、

賛同が得られれば寄附されるという活動です。

もちろん、

寄附したあとも、

SNSなどで、

「私たちはこんなに多くの人に総額$$$寄付してます!」

「社会に貢献していまぁす!」

なんて言っていません。

 

一件あたり、

僅かなおカネなんです。

皆で出し合って日本円で2000円ぐらいなのですが、

これでも二日分の給料になるんです。

2人暮らしであれば1週間半ぐらいの食料品を買えます。

 

そんな、

見返りを求めない、

下心の無い、

人を想う気持ち。

 

このご時世に見直してみるべきではないでしょうか。