メキシコの「死者の日」の「犬」の話。(笑)


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育児期間中につき、

投稿が断続的になっております~。

落ち着きましたらほぼ毎日投稿に戻します。

 

死後も大変な死者を助ける犬ショロ。

前回の続きです~👇

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映画リメンバーミー(Coco)の話をしてましたね。

主人公の一人Cocoおばあさんのモデルになったミチョアカンの女性が、

先日日曜日に亡くたったというご報告もしました。

で今日はそこに登場するワンちゃんの話。

 

メキシコの「死者の日」に活躍するあの「犬」の正体

映画の中には「故人の帰還」に“整備された橋”なんかもあって・・・

実際はそんな“生易しい”ものじゃないってことでした。(苦笑)

 

じゃあどんなものなのかというと・・・

そこで登場するのが略称ショロ(Xolo)。

犬👇です。(笑)

 

本名はショロイツクィントゥレ(Xoloitzcuintle)と呼ばれる、

毛が殆どない黒っぽい犬。

👇実際に👆のダンテ君のモデルになったショロかその友達。オアハカにて(笑)

(中にはまだら模様もいる)

 

実はこの犬、

「アステカ犬」と呼ばれて、

今もたまに道で出くわします。

いや、野良ではなくて飼われている犬です。

 

メソアメリカにおける「犬」と人間の関係は長くて、

シチメンチョウとならんで、

人間が家畜化に成功した動物の一つ。

 

たまに、

ショロはずぅっと昔、

数千年以上前からメソアメリカ各地にいたという資料がありますが、

実際には比較的「新しい種」で、

時代的にはポスクラシコ期、

アステカでしられるメシカ帝国の首都、

テノチティトランが建設される前のトゥラ時代(900年~1150年)からだと考えられています。

だから、

例えばテオティワカンからはショロは見つかっていません。

その代わり、

黄色とか赤系の犬の痕跡が見つかっています。

 

諸説あるようですが、

ショロイツクィントゥレの生まれ故郷はメキシコではなく、

南米はペルー付近だとか。

 

ただのペットじゃない、ショロ(犬)の役割

で、

映画の中のダンテ君に話を戻すと、

なんでミゲル君にくっ付いているのか。

これ、

ただのペットとして描かれているわけじゃないんです。

犬、

ショロイツクィントゥレは、

地下の世界、死者の世界「ミクトゥラン」へ、

死者にお供する役目、

いわばガイドですね。

 

この「地下の世界」にもやはり神様がいました。

ミクトゥランテクトゥリさんというんですが、

メシカ族によって、

こんな👇風に拝まれていた痕跡がテオティワカンから見つかっています。

👇もうひとつミクトゥランテクトゥリ像

 

死者の世界ミクトゥランへ行くには、

死者は「8つの障害」を乗り越えなければなりません。

👆これ仏教に似てますよね。

 

メシカの言い伝えによると、

昔々羽毛のヘビで知られるケッツァルコアトル神がですね、

地下の世界、死者の世界ミクトゥランに住んでいる、

ミクトゥランテクトゥリ神の下にある祖先の骨から、

「人間」を創ったというものがあります。

そのケッツァルコアトル神の“双子”の兄弟という存在の神がいまして、

彼の名をショロトゥル(Xolotl)👇といいます。(展示:MNA)

 

彼はケッツァルコアトルの“同伴者”とされ、

それが動物の形となったのがショロイツクィントゥレ。

XoloはXolotl、ケッツァルコアトルの弟、

Izucuintleはナワトル語で犬。

だからショロイツクィントゥレ(犬)は、

死者の付き添い犬として、

死者の世界ミクトゥランへのお供をする犬とされています。

 

死者が乗り越えなければならない8つの困難

1・川

2・山

3・黒曜石が突き出る山

4・雪山

5・強風

6・屋の雨

7・人間の心臓を食らう野獣

8・黒い水が流れる9つの川と霧

そして9つ目の場所がようやくミクトゥランです。

 

この死者の旅に、

ダンテ君(ショロイツクィントゥレ)が登場し、

いつもミゲル君の傍を離れずにいるというわけです。

もっとも、

ミゲル君は亡くなっていませんが。(苦笑)

まあ、

「あっちの世界」に行くという言う意味で。

 

各要素ごとに見てみるとメキシコの一端が見えてきます。

ダンテ君(犬)以外にも、

メキシコの死者の日に使われる要素が散りばめられています。

祭壇のガイコツや「生きている死者」としてのガイコツ、

祭壇や写真、ロウソク、フルーツなどの食べ物、

センパスチル(花)と花のアーチ、

剪紙(切り紙)、

墓地の様子、

あとは死者の日とはあまり関係ありませんが、

メキシコの音楽隊マリアチ風の衣装を来た人たちという具合です。

地域にもよりますが、

「死者の日」は、

年一度の最愛の故人達と過ごせる日。

悲壮感に包まれた悲しい行事ではなく、

故人との束の間の時間を楽しむものなので、

墓地でマリアチなどの音楽でワイワイガヤガヤやるところもあります。

👇ミチョアカンの墓地

そう見て行くと、

いわゆる昔のメキシコ、

ヨーロッパ文化が入ってくる前の「死者の日」の要素って、

意外と少ないんです。

上に挙げたものなかで、

センパスチルとそのアーチ、

あとはダンテ君(ショロイツクィントゥレ=犬)、

あとはいくつかのフルーツぐらいで、

祭壇のカラベラや動くガイコツとか、

写真、ロウソク、剪紙、音楽、

というのはヨーロッパ文化との融合。

そもそも「死者の日」という名称自体ヨーロッパ(カトリック教)のもの。

 

ぜひぜひ現地で実際にご覧ください~

 

続きは最終回で👇

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