「死者の日」がメキシコ版ハロウィンだと思っている方へ。
メキシコ在住15年目、
「メキシコの素顔を世界に!」
をモットーに、
メキシコ公認ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。
メキシコの「死者の日」がハロウィンじゃない理由。
いつの日か、
オアハカに行った時のこと。
とある村の墓地にお邪魔させてもらって、
地元の人達の過ごし方を見させて頂いたんです。
色んな所で見ましたが、
場所は違えど、
家族と個人が共有する、
年一度の貴重なひと時であることには変わりません。
そんな時に、
後ろの方で集団の笑い声が聞こえます。
スペイン語ではなかったのでどこかのガイジンでした。
手には酒の瓶をもって楽しい様子。
顔はガイコツをペイント。
服も黒装束。
完全に仮装パーティー。
まぁ、事情を知らないガイジンなので無理はないでしょう・・・
ハロウィンが10月31日だから、
メキシコの死者の日をその延長で考えているんだと思います。
メキシコで仮装パレードなんかもやって、
区別をつけるのが難しいのも無理はありません。
ただですね、
「メキシコ文化のプロモーター」
である公認ガイドの立場から言わせていただきますと、
メキシコの「死者の日」と「ハロウィン」は、
似て非なるものなんです。
いや、
似ていないです。
理由はといいますと、
メキシコの「死者の日」の習慣は、
そのルーツは二つに分かれています、
という事は前回のブログで書きました通りです。
一つはヨーロッパのカトリック、
もう一つは今日メキシコがあるメソアメリカです。
一方ハロウィンはといいますと、
実はこちらもハイブリッドのルーツを持ち合わせる習慣なんです。
一つはスコットランドやアイルランドなどの地域で
ケルト人によって行われていたサウィン(Samhain)という、
「冬の第一日目」を意味する祝賀行事です。
この時期に採れる農作物の収穫や、
収穫の秋から冬の到来、
つまりその季節の変遷を祝うものでした。
この時期には、
この世とあの世の境界線が薄らぐと考えられていたんです。
その為人間界に舞い戻る悪霊の為に、
魔除けの意味を込め火を焚いてフルーツなどを供えました。
16世紀頃から、
「仮装」が行われ始めます。
仮装する意味は、
一説によると、
上記の境界線を越えて人間界に戻った霊が、
生前に悪さをされた人間への復讐をするというのです。
人間は“悪霊に見つからないように”死者またはミイラのように仮装をして、
死者の復讐から逃れようとしたのですね。
このケルト人の秋の行事と、
ユダヤ人の先祖マッカビーを崇拝する習慣が、
イギリスで混ざったんです。
要約すると、
キリスト教の始祖キリストは元々ユダヤ人であり、
その先祖マッカビーを敬う儀式が、
10世紀頃のフランスで始まります。
それがその後イギリスに伝わりケルト人のサウィン(冬の第一日目の行事)と混ざり、
16世紀以降はスペイン人によってアメリカ大陸に伝わり、
メソアメリカ(昔のメキシコ)の
秋のトウモロコシの収穫の儀式と混ざったのです。
メソアメリカのトウモロコシの儀式&カトリックのマッカビー ⇒ メキシコの死者の日
カトリックのマッカビー&ケルト人のサウィン ⇒ ハロウィン
そういった意味で、
マッカビー経由で繋がりが無いといは言い切れませんが、
メソアメリカのトウモロコシの儀式と、
ケルト人のサウィンは全く関係ありませんよネ。
ケルト人文化と何の関係もない、
メキシコや日本で、
なぜヨーロッパのケルト人文化発祥の行事をパレードなんかで祝うのか、
僕には分からないんです。(苦笑)
仮装パーティーが好きならいつでもどこでもできるじゃないですか、
という話です。(笑)
まっ、
アメリカと関係が深い日本やメキシコに無関税で流れているのだと思うんですが、
それよりも自国の歴史に根差した風習を、
素直に継承すべきだと思いますね。
それが「祝う」ものなら、
日本、メキシコ各地で行われるお祭りのように、
おおいに祝えばいいのです。
それが自国の文化・歴史の継承にも繋がるわけですから。
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