メキシコの地下鉄は人々の【リアル人生】

メキシコも大都会。大都市圏の人口は2000万人を超えます。

庶民の主な生活の足はと言いますと地下鉄。首都の地下には現在12路線、総延長約200㎞が走っていますが、開業当時1969年は12キロでした。今日この地下鉄システムは北アメリカではニューヨークについで2番目に大きいものとなっています。

その地下鉄、日本では距離に応じて運賃が定められておりますが、メキシコのものは【改札を出なければ乗り放題!】しかもたったの5ペソ(30円ぐらい)。僕が来た14年前は確か2ペソ(10円ぐらい)でした。

この地下鉄、一般的にはあまり良いイメージは持たれていないんです。【暑い・人多い・不便・危ない】といった具合です。ただ、路線や時間帯にもよるので、一概には言えません。ちょっと我慢して使い方によっては車より安く・早く移動できるんです。

僕がサラリーマン時代、自宅から会社までは約12キロ。車だと早ければ20分、運が悪いと1時間もかかっていました。その差は渋滞次第。同じ場所で同じ時間なのに渋滞の程度がこれほど違うんです。

そんな交通事情に嫌気が刺してから電車通勤にしました。駅までは歩いて10分、駅から会社までも10分、電車待ち時間も含めて20分。大体いつも40分ぐらいで安定的についてしまい、交通費も往復10ペソ(60円ぐらい)。車の4分の1、しかも約8千歩も歩ける!会社近くの徒歩の部分だけ周りに気を配りながら歩く必要ありましたが、それを差し引いてもお得な部分が多かったです。

でもやっぱり人が集まるところは注意が必要ですね。しかも僕はこの国ではどこに何年居ようとも【一生外人】なんです。やはり見た目だけで目に付きやすい(悪い意味で)んです。安全と言われている日本も人がスリには注意する必要があるのは一緒だと思います。

僕はつい3か月ほど前にやられました。しかも満員でもなく、、、完全に自分の不注意でしたね。乗車時に人が扉に向かって押し寄せた時に不自然な押しを感じたのですが、気にせずに乗り込みました。数駅後に異変に気付き、ポケットを触るとケイタイがない!「あれ、家にわすれたか?」と思い、一目散に折り返して自宅へ。無いんです。。。

地下鉄車内はまだインターネットが整備されている区間というのが少なく、僕が知る限り1路線のみ。だからあまり携帯をいじくりまわす人はいないんです。本を読む人も少ない。でも居眠りする人も多くない。みんなお喋りしたり、ただジッとしていたり。路線によっては“車内販売”があり、海賊版CDやDVDを売り歩く人達はデッカイスピーカーを背負いサンプルとして大音量でディスクの内容物を流しています。笑ってしまったのが“車内演奏”です。マイクスタンドにマイクを取り付け、その先にはやはりスピーカー。そして仲間であるギタリストと小太鼓担当。3人がかりの生演奏を電車の中で行うんです!(ビデオとりたかったぁ)

そんな風に、電車の中にはいろんな人達の【リアル人生】が混在する場所なのです。

日本の電車とは対照的で、帰国時に真っ先に感じるカルチャーショックです。(笑)

上が日本、下がメキシコ(閑散時)。

 

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