メソアメリカの都市(今の遺跡)はどうやって造られた?


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前回「独裁者か英雄か・太陽パワーは真実かハッタリか」の続き>です~。まだの方はこちらをクリック>してください。

メキシコの独裁者か英雄か/太陽パワーは真実かハッタリか

前回はベニト・フアレスさんの「英雄」としての功績はざっくりと書きました。

政教結合状態から政教分離へと、メキシコを民主国家へと大きく転換するにあたり、

保守派の大抵抗に遭い再びメキシコは内戦状態に突入してしまったということ。

 

そして「もう一つの3月21日」のイベントに、

テオティワカンの「太陽パワー」があるよ~ということ。

でもそれってホントなの?という疑問を投げかけたところでした。

 

享楽的なものではなかったテオティワカンの春の行事

「春分」「太陽パワー」「ピラミッド」

という局所的なキーワードだけ見ていると全体像が見えにくいです。

キーワードを「生きる」にしてみると、

それらの対象が違ってみえてきます。

 

自分だったらどうする?

メソアメリカの都市設計は、

べつに太陽のパワーを集めるためじゃありません。

生きるために欲しかったのは水であり食べ物(作物)です、まずは。

 

もしあなたが当時、

天気予報も何もない時代に、

「生きなければならない」

という状況下、

水や作物をもたらすかどうかわからない時、

手をあげて「パワー!」ってやります?(苦笑)

 

その目的は?

 

古代版「ソーラーパネル」で生きられたら、

そもそも農業なんか必要ないわけで、

もちろん「生贄」として人が殺される必要もなかった。

そうなると宗教そのものが必要でなくなり、

遺跡に登場する「羽毛のヘビ」や「ジャガー」などの動物も必要なくなります。

宗教そのものがなくなると、

そもそも「ピラミッド」などの巨大建造物が必要なくなってきます。

つまり、

現代に残っているものは「遺跡」ではなくて「住宅地跡」で良いわけですよね。

 

メソアメリカの「太陽」

たしかに、

太陽は神聖な信仰対象でありました。

現にアステカで知られるメシカ人やトゥラ時代は、

太陽が52年周期で死んで生まれるという “現象”が信じられていました。

 

ただそれって、

人が太陽パワーを得るわけじゃなくて、

「生と死」のサイクルにおける信仰の対象の一部としてあったわけです。

 

食べ物が無くて困っているときに、

「太陽パワー」なんていって両手を広げてカンカン照りの直射日光の下、

何時間もいたらそっちの方がアブナイわけです。(苦笑)

 

今なら苦労せずに水を持っていけますが、

当時はそもそも水を必要としていたわけで、

そんな悠長な状況ではありません。

 

「太陽を基に都市設計」は正しいんですが、

目的は「パワー集め」ではなくて、

ちゃんと生活に役立つような設計だったということ。

 

一つ興味深い資料があるのでご紹介します。

 

メソアメリカの都市設計

皆さんは遺跡に行ったとき、または行くとしたら、

まずどんなことに目がいきますでしょう?

 

壮観な景観?

ピラミッドなどの大きな建造物?

住居跡?

 

現代に「遺跡」と呼ばれる場所ですが、

自分をその当時にタイムスリップさせてみましょう。

 

もし自分が、

スマホも、パソコンも、テレビも、機械もないその当時のその都市に生まれ育ったとしたら、

いったいどんな生活をしているだろう?と。

 

そんなとき、

まずは「人工物」ではなく、

「自然」に目を向けてみることをお勧めします。

 

「日の出」と「日没」

そこで最も身近にある「自然現象」、

その一つに「太陽」がありますよね。

 

空に煌々と輝く得体のしれない光源であり熱源です。

ちょっとこれ👇見て下さい。

(出典:Arqueologia mexicana)

 

上は日の出、

下は日没、

横軸は日付、

縦軸はマヤ前期(900年頃まで)の遺跡の建造物の数です。

 

例えばマヤ前期の大都市カラクムル。

紀元前500年ぐらいから定住社会の形成が始まり、

クラシコ時代(AD200以降)に繁栄を極めた、

マヤ文化を代表する、

超重要な都市跡です。

 

日の出・日没を基に建造

そこに巨大建造物がいくつかあるんですが、

例えばこちら👇のふたつの写真。

別々の建造物です。

建造物の一辺の先に太陽が沈みます。

この写真の日付が4月9日です。

 

あとマヤ圏で有名なチチェンイッツァ。

 

世界から多くの観光客が押し寄せますよね、3月21日。

その目的は、

あのククルカンの降臨を見に行くためなんですが、

その裏にある大事なもの。

 

この写真、

5月21日撮影なんですけど、

沈む夕日がエル・カスティジョの一辺の延長線上に来るように、

建造物の向きが設定されています。

 

次はこれ👇

同じマヤ圏のトゥルム遺跡のエル・カスティジョ。

こちらはチチェンイッツァの前日5月20日です。

 

必ずしも、

現代のように科学的に証明され切っていて、

人々が大挙して押し寄せる春分や秋分の日にあわせて建設されているわけじゃないのが分かりますよね。

 

テオティワカンの太陽のピラミッド

そこで、

話はマヤからテオティワカンに戻ります。

「春分の日」が注目されていますが、

実は、

このテオティワカンの都市建設において重要視されている日、

それは・・・

 

やはり2月12日。

 

今回のテーマの「春分の日の太陽のピラミッド」、

3月21日ではなくて、

それより1ヵ月以上早い日の出を基に太陽のピラミッドは建設されています。

 

テオティワカンの崩壊後に全盛期を迎えるソチカルコ遺跡。

こちらもユネスコの世界遺産なんですが、

こちらの「聖域アクロポリス」👇だって、

2月12日の日の出に合わせて向きが決められています。

 

都市建設と自然の関係

この「2月12日」という日付、

「10月30日」とあわせて、

実は最も多くの建造物の方角が、

この日の出を基に決められています。

 

はい、

もちろんグラフに見られるように、

その日の前後にもばらけていますが、

現存する建造物の多くは修復済みということを考慮に入れる必要があります。

 

で、

👆のグラフでお気づき頂けると思いますが、

日の出の二つ、

日の入りで二つ、

計4つの山ができています。

 

何を意味しているでしょう?

 

答えは次回👇で~(笑)

メソアメリカ時代に重要視されていた4つの季節。春夏秋冬じゃないよ。(笑)

 

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