メソアメリカから続くメキシコの塩。

メキシコ在住15年目、

「メキシコの素顔を世界に!をモットーに、

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公認日本語ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。

 

メソアメリカの塩の話。

☝☝☝メソアメリカ時代から続く塩田

 

「何で今さら塩」

と思われた方もいらっしゃるでしょう。(苦笑)

メキシコを知る上で大事な要素の一つだからです。

 

料理には欠かせない“食品”としてのイメージが強いと思いますが、

日本では食品として使われているのは全体の15%程で、

80%は非食品の工業製品に使われています。

紙や石鹸をはじめ、

ガラス、アルミ、あとは消毒液の塩素などですね。

 

それで、

日本で使われる塩の総量の内、

自給率というのは約15%、

ってことは残りを輸入に頼っているんですね。

 

その主な貿易相手国というのが、

実はメキシコなんです~。

 

ご存知の方も多いと思います。

“伯方の塩”の原産国を見て下さい。

メキシコとなっています。(笑)

 

なんで今回のテーマが“塩”なのかというと、

メキシコは世界有数の塩の原産国であり、

その存在はメソアメリカ史上、

重要なものだったからです。

 

僕も既に何度もお客さんをお連れしているのでが、

海岸線から何百キロも離れた内陸部、

しかも乾燥した山間部に突如として

“塩田”が現れる場所があるんです。

 

「えっ、なんでこんなところに!?」

って皆さん仰られるのです。

 

僕も始めてみた時はビックリしました。(笑)

 

山肌を“削って”段々畑みたいになっているんです。

 

調べてみたところ、

こうした海岸線から離れた内陸部に存在する、

あるいは存在した塩田の数は、

ザックリと100ヶ所弱になります。

 

プラス、

海岸線に約80ヶ所あります。

ちなみに日本へは、

バハ・カリフォルニア半島中部の太平洋側にある、

ゲレロ・ネグロ(Guerrero negro)

というところから出ています。

 

それで、

なんで内陸で塩ができるかというと、

ご存知の通り、

大昔は海底だったところが、

地殻変動で海水が閉じ込められたまま隆起し、

水分が飛び塩分が結晶化した岩塩層が地下にできたのです。

 

そこに地下水が通り、

塩水となって地上に湧くのです。

メキシコの歴史をご存知の方もいらっしゃると思いますが、

今日メキシコシティ場所は、

東西南を山に囲まれた半盆地の地形です。

 

その盆地の内側はテスココ湖という、

ウサギの形をした湖だったんですね。

現在のメキシコシティの中心部(歴史地区一帯)は

そこに浮かぶ島だったのです。

 

その湖も、

ソチミルコがある南部と、

今ソカロ広場があるテノチティトラン周辺は淡水で、

チナンパという農地で農業が盛んでした。

残りの3分の2は、同じ理由で塩水湖でした。

 

理由は良く分からないのですが、

メキシコでは塩はあまり良いモノとして捉えらない場合があります。

 

スペイン語で、

 

Estoy salado con mi jefe

(エストイ・サラド・コン・ミ・ヘフェ)

というと、

“私は上司運が無い”(⇒アホな上司でこまる)

 

La sal de la vida

(ラ・サル・デ・ラ・ビダ)

は“人生で良くないもの/事”(⇒縁起がわるいもの)

 

Te echo la sal

(テ・エチョ・ラ・サル)

で、“あんたの不幸を願う”(苦笑)

 

とまぁ、

いい事ないんですね。(苦笑)

 

日本は逆に悪いものを取り除いて、

清める意味が有りますよね。

だからお葬式から帰ると玄関先で塩を振ったり、

聞いた話ですが、

営業パーソンが訪問したら塩を振られて門前払いされたとか。(苦笑)

 

メキシコでは、

紀元前2400年~2300年に掛けて、

陶器が発明され、

それまでの狩猟採集型の生活から、

トウモロコシや豆などの農業定住型の社会へと移行します。

 

肉の内臓や骨には塩分が多く含まれていますが、

植物には含まれない為、

別に塩分を摂る必要が出てきました。

 

それ以降、

塩は初期は大量に生産できなかったこともあり、

メソアメリカ時代は価値が高いものなっていったのです。

 

こうして、

作物と塩の摂取は、

密接な関係となったのです。

 

それにより、

作物の収穫の時期に合わせ、

塩も“収穫”するようになりました。

特に作物の収穫前の、

暑くて雨が少ない時期にです。

 

そんな塩が商業化するのはクラシコ時代(200~900年ぐらい)、

その後陶器により計量と、

様々な形にした“商品化”が進み、

生産地を巡り戦いも頻発しました。

 

統治者は地方の村に塩を年貢として納めさせ、

“商品”の形によって生産地を特定していたのです。

 

塩の取引は、

離れた村と村の交流や交易も活発化させたのです。

☝☝☝ラボで成分調査したわけではないですが、
サポティトラン・サリーナスの塩の場合は、
塩っけが低めです。
マグネシウムやカリウムなどのミネラル成分は産地によってかなりバラツキがあります。

 

そうした、

宗教的にも社会的にも食物としても重要だった塩は、

19世紀、20世紀にはいり産業化が拡大し、

元来の意味合いは消えましたが、

現代もメソアメリカ時代と同じ方法で、

塩を生産しているのです。

 

オアハカに行くついでに寄ってみて下さい。

冒頭の写真は小さなものですが、

ルートから少し外れますが、奥に広大な塩田地帯もあります。

 

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