メキシコの芋屋。
メキシコ在住15年目、
「メキシコの素顔を世界に!」
をモットーに、
メキシコ公認ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。
メキシコの芋屋。
日が暮れかけた頃、
けたたましい音が住宅街に響き渡ります。
見ると白い蒸気が、
勢いよく噴き出ています。
【映像はこちら】キオテ通信
日本では、
もうめっきり減ってしまったと思いますが、
メキシコではまだ、
台車で色んなものを運んで住宅街に売りに来るんです。
僕の出身地、
静岡県掛川市(旧小笠郡大須賀町)は、
ドが付く田舎なんです。
(ドって遠州地方で使われる“とても”という意味の副詞です)
☝ド田舎=すごく田舎/ドきれい=すごくきれい
僕が子共の頃、
30年ぐらい前ですが、
よく、
おこしや乳製品を売りに来ていました。
時には移動式ラーメン屋も。(笑)
さすがに手押し車ではなく、
軽トラの荷台を改造していましたけどね。
メキシコでは、
タマル屋と芋屋を筆頭に、
タコス屋、パン&コーヒー屋もあります。
で、
このけたたましい音と共に現れるのは何かというと、
芋屋です。(笑)
メキシコでは、
Carrito de los camotes
(カリト・デ・ロス・カモテス)
と呼ばれています。
Camoteが芋で、
これはナワトル語のCamohtliから来ています。
Carritoが台車です。
中にボイラーが付いていて、
薪の熱で蒸し焼きにするんです。
ちなみに芋と並んで、
バナナも現れます。
昨今ではすっかり見られなくなりましたが、
昔はノパル(サボテン)もありました。
これにお好みで甘いクリーム
(よくイチゴにかける白い甘いクリーム、
なんて言うんでしたっけ・・・)
をかけて食べます。
クリームとは別に、
ハチミツや黒糖を塗っています。
つやがあるのはそのためです。
ダブルで甘いので正直、
僕はそんなに量は食べられないです。(笑)
一般的に出来上がるまでには30-40分ぐらいですが、
これは台車を押すスピードにもよります。
進行方向に薪の取り入れ口があるんですが、
台車の速度を上げれば火力が増し、
出来上がりの時間も早まるという仕組みです。
今日のこの方の台車には無かったんですが、
伝統では中にバナナの皮を敷き詰めるようです。
これは保温と保湿のためだとか。
参考文献によると、
この台車の重さは大きいものだと300キロにもなり、
お値段は5万円ちょっと、
耐久年数6年程。
一般の方にはちょっと難しい投資額なので、
大概の人はレンタルしているようです。
メキシコの路上名物の“芋屋”。
見つけたら食べてみてください~
#MexicoCentralTours
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