かつて同じ船に乗った2人のスペイン人の運命の分かれ目・後編
メキシコの旅行事情、生活事情を赤裸々につづっているメキシコブログ「キオテ通信」です~。
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その日に思いついた話題をかいて1000本以上、
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前回はこちら👇です~
スペイン人が原住民と話せたワケと初めての混血
1511年にユカタン半島東岸に漂着した2人のスペイン人の壮絶な物語の続き、
今回が最終回(3/3)です。
ヘロニモは、
スペイン語とマヤ語の通訳としてコルテスに帯同し、
更にはタバスコの村でマヤ人でありながら中部で話されるナワトル語を話すマリナ(通称マリンチェ)を“獲得”します。
マリナはコルテスの通訳として、
メシカ(アステカ)帝国の首都(現メキシコシティ)一帯をはじめとする
広い範囲の事情をナワトル語で理解し、
それをマヤ語でヘロニモに伝え、
ヘロニモはスペイン語でコルテスに伝えたのです。
このように、
ヘロニモはメソアメリカの植民地化の初期の段階で、
非常に重要な役割を果たしたのです。
“初期”の段階というのは、
マリナはその後スペイン語を理解したので、
ヘロニモを介さず、
コルテスと直接やり取りができるようになりました。
ちなみに
マリナはコルテスの“妻”となり、
マルティンという子供を産みます。
このマルティンは、
別名「エル・メスティソ」と呼ばれています。
メスティソというのはスペイン人とメソアメリカの土着の人の混血です。
通説ではこのマルティンが
“最初のスペイン-メソアメリカの混血”
とされていますが、
実はそれ以前に、
既にゴンサロと彼のマヤ人の妻との間で、
3人のメスティソが生まれていたのです。
👆チェトゥマルの入り口にあるゴンサロ一家の像
そのゴンサロ。
ヘロニモとは真逆の道を歩みます。
ゴンサロの人生とチャンポトンの戦い
スペイン人の植民地化に大きく貢献したヘロニモとは対照的に、
マヤ人として、
同士のスペイン人達と戦う事になります。
スペインは1511年以降、
最低3回はメキシコ沿岸に到達していて、
1517年には現在のカンペチェ州の村チャンポトンで、
地元の人達から猛攻を受けて撤退しているのです。
この時スペイン隊は馬と重火器で武装していましたが、
チャンポトン側はそんなヨーロッパの文明の力に屈することなく、
果敢に猛攻を仕掛けたのでした。
この不思議なまでに怖いもの知らずの猛攻の陰に、
このゴンサロの存在があったのではないか、
と考えられています。
そんな風に、
ゴンサロはマヤ人としての生活を続けたのです。
記録に残るスペイン人のゴンサロとのコンタクトは1528年頃。
2人のスペイン人はユカタンの征服にゴンサロの協力を仰ごうと手紙を送りますが、
「拒否」の内容が炭で書かれた返信があります。
2人はゴンサロの居城チェクテマル(チェトゥマル)に着きますが蛻の殻。
そう見えて実は罠で、
スペイン人達はゴンサロの仲間に返り討ちにあります。
1536年、
ゴンサロは仲間と共に現在のホンジュラスのマヤ人の元に遠征に行っていたのですが、
ウルア川でスペイン隊と激戦となり、
胸に銃弾を受け66年の生涯を閉じたのでした。
👇ウルア川
「愛」なのか「征服」なのか
かつては文字通り「同じ船」に乗った二人のスペイン人ヘロニモとゴンサロ。
祖国を捨てたゴンサロが代わりに得たもの、
それはマヤへの「愛」だったのか。
それとも単に「征服」されたのか。
「マヤに“征服”されたスペイン人ゴンサロ」
ととるか、
「マヤを愛したスペイン人ゴンサロ」
とみるかによって、
彼の人物像は大きく変わります。
しかし、
彼がスペインの宗教や生活習慣、考え方、そして愛国心、富など
全てを捨てて、
マヤの同志達と25年に渡って過ごしたという事実は変わりません。
はい、というわけで、
壮絶な運命をたどった、
2人のスペイン人の話でした。
皆さんはどう感じられましたでしょうか。
「えっ、よく分からない!?」
ご心配なく、メキシコでご説明差し上げます。(笑)
ではでは~
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