前編では、メキシコ独立戦争が「何からの独立だったのか」をご紹介しました。
では、スペインによる征服と約300年に及ぶ植民地時代は、現在のメキシコに何を残したのでしょうか。
言語、宗教、建築、食文化、そして人々の価値観。
今のメキシコは、先住民文化とヨーロッパ文化が複雑に融合して生まれた国です。
今回は、その背景を現地在住20年以上のメキシコ政府公認ガイドが分かりやすくご紹介します。

前回の続きです~👇
突然“国”ができた
メソアメリカ時代というのは、 皆さんもご存じのアステカで知られるメシカや、 あとはマヤなどの、 多種多様な「文化」が、 今日メキシコという国がある一帯で、 栄枯盛衰していた時代のこと。 ザックリと3000年以上そういう文明社会が形成されていたのですが、 そこに「ある日突然」、 スペイン人という、 土着の人々にとって、 全くの異質な文化を持つ人間がなだれ込んで来たんです。 その「ある日」という日の日付は1519年4月22日という日。
👇ベラクルスへの上陸時の様子

この日を境に、 メソアメリカ文明圏の運命は 900度ぐらい変わってしまうんです。
もし“あの日”が無かったら・・・
極端に言えば、 1519年4月22日という日が無ければ、 もしかしたら「スペインからの独立」というイベント自体起こらなかったわけです。 ずぅっと土着の文化の独立を保ち、 もしかしたら、 ある意味日本のような、 ガイジンによる「入植」を経験していない、 今とは全く異質な国家が出来ていたかもしれませんね。 もちろん言語もスペイン語ではなく、 ナワトル語やマヤ語が広く使われ、 肌が白くて、 金髪で、 背が高い「メキシコ人」が生まれるのに、 あと400年ぐらい掛かったのかもしれません。 それだけ、 1519年に始まった「スペイン」による占領は、 インパクトがデカい事件だったんです。 そのスペイン人によって、 新たな「血」、 食べ物、 宗教や思想、 建築などの芸術、 言語、 政治、 などなどなど、 ありとあらゆるヨーロッパ文化が、 このアメリカ大陸、 今日メキシコがある地域に持ち込まれました。
現在のメキシコは「融合」の上に成り立っている
スペイン人がもたらしたものは決して武力だけではありませんでした。
ヨーロッパの
- 言語
- 建築
- 宗教
- 音楽
- 食文化
- 芸術
が持ち込まれ、それまで数千年続いてきたメソアメリカ文化と混ざり合っていきます。
この「文化の融合(シンクレティズム)」こそが、現在のメキシコ文化の大きな特徴です。
私たち旅行者が魅力を感じる街並みや料理、祭りの多くも、この融合から生まれています。
👇陶器

👇音楽

👇信仰

👇習慣

👇料理

👇建築

「歴史は勝者によって書かれたもの」
もちろん、この「融合」は決して平和に起こったものではありません。
多くの命が失われ、多くの文化や言語、信仰が消えていきました。
現在でもメキシコには約60を超える先住民言語が残っていますが、植民地時代以前には100以上の言語が存在していたことが分かっています。
メキシコを旅するとき、華やかな教会や美しい街並みだけを見るのではなく、その背景にある歴史にも少し目を向けてみると、この国の見え方は大きく変わります。
👇多くの犠牲が払われたことを忘れてはなりません。

もちろん、 完全にはできず、 その結果として、 今日のメキシコに見られる多種多様な民族であったり、 彼らの伝統や食、 音楽、 遺跡、 というものになって、 外国人旅行者を魅了し続けているわけです。 その一方で、 公用語であるスペイン語、 国民の8割以上が信じるカトリック教という宗教、 というものに見られるように、 「真っ平」にされたものもあります。 言語に関しては、 かつて、 確認されているだけで124以上もの言語があったわけですが、 スペイン語というロードローラーに押しつぶされた後、 今日では50語程しか日常的に使われていません。 そしてもう100年もすれば、 それらの大部分は消滅してしまうでしょう。 そして失われたそれらは、 もう二度と元に戻ることはないのです。
👇メキシコ国内に現存する各文化の言語で書かれた挨拶

独立記念日は独立した日じゃない
スペイン人による植民地化というローラー作戦が、 1521年からちょうど300年に渡って続くわけです。 その間、 血も生まれ故郷もスペインというスペイン人と、 それ以外の人間との格差や不公平さが顕著になりはじめ、 独立機運の高まりへと繋がるわけです。 そんな不満がバチーンと弾けたのが「独立戦争」で、 そのきっかけをつくった主要人物が、 ミゲル・イダルゴ司祭や、 イグナシオ・アジェンデ、 彼らの死後引き継いだのがホセ・マリア・モレロス、 モレロスの死後に独立戦争の終結に貢献したのが、 ヴィセンテ・ゲレロやグアダルーペ・ビクトリア、 そして実際に、 スペイン側とコルドバ条約を締結し、 「正式に独立」を果たしたのがアグスティン・デ・イトゥルビデ、 というように、 11年間の「独立戦争」の間、 それらの歴史に名を残した人物にリーダーシップがバトンタッチされていきます。
👇ミゲル・イダルゴ

👇イグナシオ・アジェンデ

👇ホセ・マリア・モレロス

👇グアダルーペ・ヴィクトリア

👇ヴィセンテ・ゲレロ

👇アグスティン・デ・イトゥルビデ

お隣アメリカの独立戦争は、 1775年~1785年の8年を要しています。 メキシコの独立戦争はさらに3年掛かりました。 もっとも、 スペインは世界各地で独立戦争を仕掛けられた国の一つでもあるんですが、 長いものだと「80年戦争」と呼ばれる、 1568年にオランダ地方が仕掛けた独立戦争や、 ラテンアメリカだとボリビア独立戦争で16年掛かっています。
自分がその立場だったらどう感じる?という視点
日本にだって、 メキシコにも関係する榎本武揚氏によって、
蝦夷(北海道)の独立の“危機”があったことは知られていますよね。
未遂に終わりましたが。
同じ場所であっても、 主権が他国から新たな国に移る時って、
血なまぐさい混乱がつきもの。
メキシコはこの独立により、 メキシコ史は第3フェーズへと移っていきます。
主権を獲得し、 はれて「メキシコ」として独立した国に待ち構えるものとは・・・
また別の機会に書きます~ ではまた。
メキシコは「知るほど面白くなる国」
遺跡を見ても、
教会を見ても、
街並みを歩いていても、
その背景を知っているだけで旅の面白さは何倍にも広がります。
私のツアーでは、「どこへ行くか」だけでなく、
「なぜそうなったのか」
という歴史や文化も、できるだけ分かりやすくお話ししています。
ガイドブックでは伝わらない、現地ならではの視点でメキシコを知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
メキシコ在住20年以上、政府公認日本語ガイドとして、本物のメキシコをご案内しています。
関連ツアー
【ベラクルスツアー】アメリカ大陸初の歴史+バニラ&コーヒー農園体験 3日~
初めてのメキシコ旅行で不安な方へ
とはいっても、知らないメキシコで個人で対策しても心配・・・
そんな方は、メキシコ政府公認ガイドの岩﨑功にお任せください。安心して楽しい体験だけに集中していただけます。
SNSにてメキシコの写真と動画を多数アップしています!
20年に渡りメキシコの社会にどっぷり浸かり生活している私から見た「メキシコの素顔」を、文章、写真、動画でご紹介しております。「飾らないメキシコ」をほぼ毎日撮り続けて1500投稿以上、日本語のメキシコ関連では最大規模のSNS!Mexico Complete Travel でも検索🔍いただけます。ぜひフォローをお願いします!
人生のリバイバルコーチング事業
私岩﨑はICF(インターナショナル・コーチング・フェデレーション)認定ライフコーチング業も営んでいます。
皆さんが一度限りの人生、限りある人生を有意義に生きられるようお手伝いさせて頂きます。
詳しくはこちらのホームページをご覧ください。






