メキシコの【死者の日 Día de los muertos】とハロウィンの勘違い

皆さんこんにちは。気が付けばブログをサボって約2ヵ月。。。もう11月で今年も残り2ヵ月ですね。

いかがお過ごしでしょうか?日本はもう秋が終わりつつあり、寒くなっている地域もあのでしょうか。ココ、メキシコの首都は日中は23度ぐらいで、何故か最近夜に時季外れに雨が降る事が多く、そうすると実際の気温と一緒に体感温度もググっと下がりますね。

今週末11月1日と11月2日は、メキシコはあの有名な【死者の日 Día de los muertos】です。あまり知らない方も多いと思いますので、ちょっとだけ説明させて頂きますね。

まず、死者の日を理解する時に蔑ろにできないのがメキシコの歴史です。しかし、今日のメキシコの根源となる文化と歴史を紐解くのは容易な事ではありません。なぜならば、今日我々が目にするメキシコというのは、大きく分けて3つの異なる文化が融合したものだからです。

ガイドブックを見れば日本語で三文化広場と紹介されている観光地(トラテロルコTlatelolco)がありますが、一つは1521年にスペイン人がアステカ(正確にはメシカ)帝国を征服する以前の文化、二つ目はその後300年続くスペインによる植民地時代、そして三つ目は1821年以降のスペインからの独立後、つまりメキシコ合衆国となってからの文化です。スペインによる植民地化以前の時代だけみましても、有名なマヤとアステカ(正確にはメシカ)、その他にもテオティワカン、プレペチャ、ミクステカ、トトナカ、サポテカ、トラスカルテカなどなど、多くの民族・部族が無数に存在していました。それらの異なる文化がスペイン人による布教という名の元に破壊され強制的に変化させられました。当時の人達にとっては天と地が逆転するかのような“事件”だったわけです。考えてみて下さい。今日の平和な日本に突然スペイン人が大挙して押しかけて、「今日からココはスペインです。皆さんカトリック教に改宗し、我々の為に働いてください。」という言うのです。「ハァッ!?」となりませんか?しかも暴力で無理やりやったのです。

ココだけ取ってみましてもどこが現代メキシコの根源なのを考える時に、いかに難しいかが分かると思います。

メキシコ人に言わせますと、スペイン人がしたことについては酷いとするものの、例えば今日我々日本人が原爆に対して抱いているような謝罪すべき云々という、負の感情はスペインに対して特に抱いていないようです。私はかなり複雑な心境です。彼らによって多くの人が虐げられ、強制的にその人達の文化や人生そのものが壊され、多くな歴史的価値があるものも失われた訳ですから。しかもそれが今日自国が存在する場所で、自分の先祖にそのような事が起こったのであればなおさらです。

その議論に入ると長くなりますので入りませんが、現代のメキシコ人は、失われたものやスペイン人に対して不の感情は特別にないものの、その時代のこの時期に、死者を敬う習慣が今日まで世代を超えて少なくても500年以上に渡って受け継がれています。

近年ではメキシコを題材にした映画も多くみられるようになりましたね。007Spectre、Coco(リメンバーミー)、Romaです。

話をメキシコの死者の日にしますと、おそらく日本にいる皆様にとってはハロウィンとか仮装パレードと思われていらっしゃる方が少なくないと思います。お客様でも「仮装パレードに出たい!」という方もいらっしゃいました。もちろん、他の文化をそれぞれ楽しんで頂くのは良い事ですが、大事なのはそれぞれの根源を知り、ハロウィンとメキシコの死者の日は別物という事を知ることです。

メキシコの【死者の日 Día de los muertos】はユネスコ(UNESCO)の無形文化遺産に2008年に登録されました。その他に無形文化財としてミチョアカン州の郷土料理とマリアッチも登録されています。メキシコはピラミッドとビーチだけではなのです!

メキシコの死者の日は、家族で集まりお墓参りに行くという点で、日本のお盆の習慣と類似している点が多いです。これはスペイン人による植民地化以前から存在していた死者を敬う習慣とスペイン人が持ち込んだヨーロッパのカトリック教の文化が融合したものなのです。日本がお米のように、メキシコではトウモロコシが主食なのですが、10月末から11月初めの時期というのはトウモロコシの生産時期の終わりであり新たな農作物を栽培しはじめる時期でもありました。一方カトリックの文化では、11月1日というのは全ての聖人、特に子供の聖人の日なのです。11月2日は大人の聖人です。これらの二つの時期が一致したためにこの時期にメキシコでは死者の日として祝っています。

さらに言えば、地域によっては10月28日には事故や災害で亡くなられた方々、10月30日が洗礼を受けていない子供達のための死者の日としている場所もあります。

一般的には死者が迷わずにかつての自宅に到着できるように、家の中に祭壇をつくり、生前の写真と、しっかりあの世に帰る前にしっかり栄養を取るという意味で生前好きだった料理を実際につくり、器に盛り、それを祭壇に供え、ろうそくと写真のオレンジの花センパスチル(Cempasúchil)、つまりマリーゴールドを並べて道をつくってあげ、魂を迎えます。センパスチルは先々週ぐらいから出荷と販売が最盛期で、写真のようなピックアップに満載して運ばれます。

伝統的には11月1日に家族でお墓に行って綺麗に掃除し、お花を手向けます。その後その場で食べたりお酒を飲んだりしながら、束の間の一夜を死者と一緒に過ごします。人によってはマリアッチをお墓に呼び寄せ、ランチェロという音楽を生で演奏し歌って楽しみます。まるでお祭りです。そう、この日だけは死者ではなく、あたかも生き返った愛する故人と楽しむ日なのです。

もちろん伝統的にこの習慣が大切に受け継がれているのですが、もう一つの理由はこの日にどう死者を迎え入れ一緒に過ごすかにより、繁栄がもたらされるか不幸がもたらされるかが決まると信じられているからです。

仮装パレードなどは、観光客向けに特に近年ポピュラーになってきたもので伝統的な行事ではありません。もともとは、メキシコに住むメキシコ人でありながら、ヨーロッパ思考の貴族をあざけて描いた風刺的なカトリナ(骸骨の女性)が現点である事を知ってペイントしている人は少ないと思います。

近年では外国からもオアハカを中心にこの死者の日を一目見ようと訪れる観光客が多いです。メキシコの文化を見てもらうのは非常に良い事ではあるのですが、事情を知らない外国人が、ハロウィンと勘違いして酒を片手に酷く仮装してお墓で騒ぎいでいる光景をよく目にします。墓地というのはその地域の人達のためのもので、本来は観光地ではありませんね。それをこの時期だけお借りして彼らの伝統・習慣を見させて頂いているのです。日本の墓地でお酒を飲んで騒いでいたら真っ先に不謹慎と言われるのではないでしょうか。

死者があの世へ戻ったあと、祭壇にあるお供え物は集まった家族で美味しく食べて、死者の日は終わりを迎えます。

今年はもう間に合いませんが、、、是非来年いらして是非見て感じて下さい。ではでは~

混みあう時期ですのでお早めにお問い合わせ下さい。