“メキシコは危ない”は本当か嘘か。

メディアも商売。

お問い合わせで、

「メキシコの治安って大丈夫なんですか?」

と聞かれる事がよくあるんです。

 

僕の所に来て頂くお客様には、

もし仮にプランに入っていなくても、

時間があれば高層ビルが立ち並び、

高級ブランド店が集まる首都の近代的な場所にもお連れし、

メキシコのコントラストを感じて頂けるようにご案内させて頂いています。

そうすると皆さんもの凄く驚かれるんです。

 

「メキシコって全然思っていたのと違う!」と。

 

もちろん、

いい意味でです。(笑)

 

「全然ニュースで見聞きするような、

麻薬抗争なんかないじゃん!」

と。

 

もちろんありません!

もし日常的にドンパチやっていたら、

そもそも僕はココに住んでいないです。

 

しかも、

そんな所に、

「楽しいですから来てください!」なんて、

大切なお客様に言えないです。

 

お客様の中には、

「生きて帰って来いよ!」とか

「生きてるか?」なんて、

冗談かもしれないですが、

日本にいらっしゃる方々から聞かれるケースもあるようです。

 

冗談でも冗談でもなくても、

メキシコにはそういうイメージがあるということですね。。。(困)

 

ガイドの学校時代には、

ハッキリとは言われませんでしたが、

治安については一種のタブー的な話題として、

先生達も気を遣っていたように思います。

 

事実として言うべきことはあっても、

進んでそれを話題にすべきでないと。

 

傍若無人なメディアビジネスの為に、

黒い部分だけがクローズアップされ、

あたかもそれだけが現実かのように、

またはそうでなくても、

メキシコの固定観念の一定の部分を占めてしまうようになりました。

 

メディアも商売なので、

収入が無ければやって行けない。

視聴者は無意識のうちにネガティブな情報に、

より心を動かされるようですね。

だから必然的に事件・事故、

不倫や薬物などの人間の失敗などネガティブな話題が、

ニュースの大きな部分を占めます。

 

これって言ってしまえば資本主義に適ったシステムではあるものの、

ぶっちゃけ良くないですよね。(苦笑)

 

見ると気分もどんよりしますし、

メディアも人間なので、

時には事実を誇張したり湾曲させたり

ある事象をいかに魅力的な“商品”として世に出すか

を考えるわけです。

 

問題なのは、

ココでの“魅力的な商品”が、

必ずしもお客さんや社会の為になっていないということです。

それらの“商品”を受け取る人は、

実は必ずしもハッピーになっていない。

メキシコについてそういう扇動的な報道を見た人たちが、

「麻薬組織がコワイから行きたくない」

と思い、

実際にメキシコにご旅行されなければ、

そのニュースという商品を受け取った人達には、

「この素晴らしいメキシコの文化や歴史に一寸も触れることができない」

という損害が発生しているのです。

 

少しばかり喜んでいるのは、

少しばかりの視聴率や販売部数がとれて、

少しばかりおカネが入る、

少しばかりのテレビ局や出版社の関係者だけです。

 

最近では、

メキシコに関しては、

例えばオアハカのラグとか、

メルカドバッグとか、

ポジティブな点も紹介する番組も出てきているようですね。

 

ちなみに日本で人気があるメルカドバッグって、

僕が思うにメキシコ製じゃないと思います。(笑)

そもそも日本で売っているモデルって、

メキシコに無いからです。

メキシコになかったら、

メキシコで造る必要がない。

やろうと思えば中国や他の国でも安くて近い所できるんです。

(これもメディアの仕業か)

 

そういうのをメディアがまた煽って、

本物じゃないものをあたかも本物のように言ったりして、

見る人はそうだと思ってしまいますよね。

 

テレビやインターネットの登場によって、

ありとあらゆる情報が氾濫する世の中になってしまい、

更にはSNSの登場により、

ボリューム的(いいねの数など)に影響力がある人の意見に、

簡単に接触でき、

かつ簡単にしかも匿名で発言できる世の中です。

 

このような世の中だからこそ、

耳目に触れる情報の質と、

その取扱い方には今まで以上に慎重になる必要があります。

 

情報というのは必要不可欠なものである一方で、

一歩間違えば生死を左右しかねないものということは、

戦時中や、

今回のコロナ禍などの非常時やデリケートな事態では、

明らかではないでしょうか。

 

情報によって命を危険に晒さない、

情報によって損をしない、

そして情報によって【得】をするために

常に一歩引いた視点で、

自分で考える必要性が高まる時代です。

 

話はメキシコに戻りますが、

ニュースだけではなく、

様々な観光情報サイトの、

鋳型にはめられたような情報を鵜呑みにして旅行するのではなく、

自分の五感で何かを得る旅の方が、

きっと意味のある時間になるのではないかと思い、

僕はこのメキシコガイド事業を立ち上げました。

 

どの情報でも、

情報源とその伝え方は僕が最も慎重になっている点です。

いくら情報が正しくても、伝え方悪ければ、

場合によっては伝わらないどころか、

真逆の方向に理解されかねないからです。

 

そんなことで、

メキシコの治安について、

二者択一の質問であれば、

気を付けていれば“危なくない”です。(笑)

 

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