ベラクルスのススメ。

ベラクルスのススメ。

 

先日メキシコ観光省向けの150ページほどの論文を書き終えました。(喜)

題して、Reencuentro de la identidad mexicana

メキシカン アンデンティティの再認識

なんで今頃再認識なのかは、

メキシコにいらして頂いた時にでもお話ししますね~。

 

既に書いたかもしれませんが、

メキシコ中東部、

メキシコ湾側のベラクルス州の観光資源についての調査です。

このエリアって日本のガイドブックに載っていないことはないのですが、

他の有名観光地に比べたらその関心の無さは歴然。

 

この土地って実はメキシコを語る上でとっても重要な土地なんです。

 

まず、アメリカ大陸で最初に、

スペイン人の街が築かれた土地であり、

ココからスペインによるメシカ帝国と、

さらにはメソアメリカの乗っ取りプロセスが始まるのです。

 

よく、

「スペインはメキシコを滅ぼした」

とか、

「メキシコを征服した」、

という人がいますが、

メキシコ自体は侵略されたことはあっても、

征服されたことは未だかつて一度もありません!(怒)

なぜならば、

その当時はメキシコという国は存在すらしていなかったからです。

正しくは、

“メソアメリカに侵略した”

です。

 

ベラクルス州には、

メソアメリカの3大長命文化の一つであり、

マヤ文化の姉妹文化でもあるウアステカ(Huasteca)文化圏が北部にあり、

エル・タヒン(El Tajin)で有名な、

200年頃から巨大な都市を建設し始めたトトナカ文化圏のトトナカパンが中部に、

南にはメソアメリカで最初に興った文化、

ラ・ヴェンタ(La Venta)で有名な、

オルメカ文化圏があります。

 

加えて、

先ほど書きました、

アメリカ大陸で初めてスペイン人との接触があった土地の一つであり、

メソアメリカのヨーロッパ化が進む起点になった土地なのです。

 

これだけ多様な文化が約3000年に渡り混在した土地に、

“異国人”が突如として入り

300年という極めて短時間でヨーロッパ化してしまうのです。

急旋回もいいところで、

もちろんこれには言い表せないような“犠牲”が支払われている事は、

教科書の世界史ではあまり語られない部分です。

 

理由は、

勝者=スペイン人によって書かれた歴史は聞こえが良い様に書かれていますが、

実際は虐殺と乗っ取りの歴史なのですよ、、、

☝☝☝スペイン人がアメリカ大陸で初めて作った街

ヴィジャ・リカ・デ・ベラ・クルス(Villa Rica de Vera Cruz)を望む

この沖合にスペイン船を停泊させました。

 

そんな歴史的な複雑な土地ベラクルス、

メソアメリカ時代の都市跡だったり、

各地の郷土料理だったり、

民芸品や農産物、

村や町そのものの雰囲気だったり、

メキシコの“知られざる”一面を感じられる場所なんです。

是非是非一度行ってみて下さいね~

 

地図出典:

https://veracruz.mx/destino?Municipio=92