アレブリヘスって何か知っていて買ってる?オアハカ旅行をより豊かにする方法。

メキシコ旅行と言えばオアハカ、

オアハカといえばアレブリヘス・・・

というぐらいオアハカの観光イメージを成しているのがアレブリヘス。

オアハカの木彫り民芸品です。

ただ、ちょっとこれについては、

イメージが独り歩きしてしまっている感もしていて・・・

アレブリヘスが何なのか、

なんでオアハカ、なんであの奇妙な形をしているのか、

ということについてちょっとだけ深堀してみましょ~

メキシコのオアハカのアレブリヘスという木彫り民芸品
いいものだと数十万円する!?

アレブリヘスとは・・・

動物の形をしたり、

見方によっては人だったり、

不思議な形をして色鮮やかな模様を施された置物を見た事はありません?

これ、一般的に“ アレブリヘ ス”と呼ばれているメキシコの伝統民芸品で、

今やメキシコを代表するアート という位置づけになっている。

メキシコ国内はもちろんの事、欧米諸国やアジアに多くの国にも輸出されている純然たるメキシコの民芸品

なのに近年は、そのアレブリヘ人気に乗じて中国から粗悪品を輸入して、

事情を知らないCheap(価格しか興味が無い)な外国人にCheap(価値が無い)なモノを売っているという噂もあったり。

ではなぜ、このような粗悪コピー商品が簡単に出回るのか?

それはその製品の背景を知らずに、

上辺のデザイン「カワイイ!」とか「キレイ!」といった外見的要素だけを取り上げているから。

“アレブリヘス”についての情報って、

いろんな情報雑誌とか情報サイトに出ているけれど、

どれも「キレイ!」とか「カワイイ!」ばかりで、

「何なのか?」という事に触れてるものって殆ど。

(だから商業的で内容の薄い雑誌や情報サイトはあまりおススメしない)

そりゃぁ、動物の形をしてカラフルであれば「カワイイ」置物やお土産にしたくなるのは間違いないよね。

そもそも、

“アレブリヘ”という単語はどういう意味?

どうしてそんなに人気で有名なの?

どうして変わった形をしているの?

あの色って普通の絵具なの?

そんなことを知って行くとどこでどうやって誕生したのかがわかってくる。

民芸品で大事なのは見た目よりも中身

「キレイ!カワイイ!」の裏にある民芸品としての根拠や背景を知った方がいい。

そうでないと、ぶっちゃけ、

特に日本の職人さんの繊細な技術があれば、

マネどころがそれ以上の質のものができちゃいそうだし、

「何故メキシコのオアハカでないとダメなのか」、

が無いとメキシコ固有の民芸品としての価値が出て来ない。

まず明確にしておきたいのが、

元々の“アレブリヘス”自体はオアハカの民芸品ではない

今アレだけ「 オアハカ と言えばアレブリヘ、アレブリヘと言えばオアハカ」、

と言われているのに。

僕も当初(10年以上前)は、サン・マルティン・ティルカヘテが発祥地だとばかり思っていた。

アレブリヘスの“発明者”とされているのは、

ペドロ・リナレス・ロペス(Pedro Linares Lopez)さんという、

首都 #メキシコシティ 出身の紙細工で生計を立てている人だった。

紙細工といってもPapel Machéといって、

(すみません日本語で何というかわからない)、

新聞紙などの紙を水でふやかし、

ミキサーなどでドロドロにさせたものを、

水とコーンスターチなどでつくった接着剤を混ぜて練って、

柔らかいうちに形を作って乾燥させ、

その後に色付けするというもの。

1906年生まれの彼が30歳の時、

重い病気に掛かってしまい死の淵を彷徨っていたらしい。

あまりに重症でいっこうに目を覚まさず、

家族は彼が死んでしまったと思われたほど。

そんなとき、彼はある夢を見ていた・・・

「どこか分からない森で、得体の知れない“生き物”達を見た。

そしてその“生き物”達が「アレブリヘ、アレブリヘ、アレブリヘ」と叫んでいた。

そして彼は彼らに導かれる方向に向かって進み、

その森の出口にたどり着いた。

その出口を出ると彼はようやく深い眠りから目を覚まし、体調を回復した。」

というもの。

彼はその森の“生き物”達に、この奇跡の出来事を家族、

友人、そして世界の人と共有して欲しいと言われたようだ。

その“生き物”というのは動物と言っていいのか分かりかねた。

というのは、彼が見たのは羽が生えたロバや犬の頭を持ったライオン、

牛の角を持った鶏など、

見たこともない“生き物”ばかりだったから。

それを形にするために、

彼が持っていた紙細工の技術を使い、

形にし、

夢の中の森で聞いた“アレブリヘ”という謎の言葉を名付けたのがアレブリヘスの起源

アレブリヘという言葉の意味ですが、

これについて正確な事は“わからない”

とはいえ二つの憶測があるようだ。

1・3つの語彙から来ているという説

Alegria⇒生とか活力、Bruja⇒魔女、Embije⇒ペイント = 組み合わせて“ペイントされた魔女”、または、“活力でペイントされた”などと直訳される。

2・Alebrarse⇒横になる、床に伏せる

どちらも良くわからない、、、(汗笑)

なぜアレブリヘスはオアハカなの?

これが時を経てオアハカ地方に伝わることになる。

小さなころから木工細工が好きで得意だったサン・アントニオ・ #アラソラ (San Antonio Arrazola)村のマヌエル・ヒメネス・ラミレス(Manuel Jimenez Ramirez)さんが、

NYの展覧会でペドロさんと出会うことになる。

ここでペドロさんのアレブリヘと、

マヌエルさんの木彫りが出会ったわけだ。

↓左端が木彫りのマヌエルさん、
その右がアレブリヘのペドロさん

さらに、

この木彫り“アレブリヘ”に新たなコンセプトが融合する。

「ナワル Nahual」といって、

これは現代で言うならば、

シャーマン のような霊能力者のようなもの?と言えるだろう。

当時の人達は人間と動物(自然)の二重性(デュアリティ)を重んじていた。

人の力ではどうにもならない自然現象を、

自然の一部である動物と一体化し、

あっちの世界にいる神と繋がろうとした

実際、このオアハカの地域には、人間と、人間の誕生日に該当する動物を組み合わせて魔除けを作る習慣があった(ある)。

これはサポテコ暦に使われていた20種の動物を基に、

工房に行って自分の誕生日を伝えるとどの動物かを教えてくれる。

さらに興味深い昔の習慣は、

赤ちゃんがいる家の周りに石灰で円を描き、

夜に野生の動物が寄って来て、

家の入口付近に足跡を残す。

その足跡でどの動物だったのかを識別し、

その動物を、その子供を守る神聖な動物として崇め、

その動物は「トナ Tona」と呼ばれていた(いる)。

元祖アレブリヘとは区別されるよ

よって、この伝統工芸品は、この経緯を知っている人の間では、

ペドロさんの紙製の元祖“アレブリヘ”とは区別する為にトナス・イ・ナワレス(Tonas y Nahuales)と呼ばれる。

(複数形なので語尾にS=スが付く。イは&)

でも、

アレブリヘ(Alebrije)はもはやブランドとして世界のアート市場に深く浸透してしまっているため、

真っ向から「違う!」とも言えない。

だからこの↓写真のように、

オアハカ製の木彫り製品の正式名称を“Tonas y Nahuales”と呼びつつも、

“Alebrije”をブランドとして併記する場合が多い。

トナス・イ・ナワレス(Tonas y Nahuales)、

元祖アレブリヘは、違ったモノという事を覚えておきましょ~~~

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