メキシコ旅行では、観光地から観光地へ何百kmもの距離を車で移動することがあります。
だからこそ、ツアーの安全を考えるうえで「誰が運転するのか」「どのような安全意識で運転しているのか」は、決して軽視できないポイントです。
バジャドリド近郊で発生した、日本人旅行者が亡くなった交通事故。
同じメキシコで、お客様を車に乗せてご案内するガイド兼ドライバーとして、この事故は私にとって決して他人事ではありませんでした。
事故は完全に防げないこともあります。しかし、日々の車両管理、速度、交差点での確認、体調管理など、**「最悪の事態を起こさないためにできること」**はあります。
今回はこの事故をきっかけに、メキシコでお客様の命を預かる立場から、ツアーの安全と運転について改めて考えてみたいと思います。

この事故、自分事です
先日日本にいる友人からメッセージが入って、 その内容というのが、 メキシコが世界に誇るリゾート、 カンクンの西にあるヴァジャドリド という町で発生した自動車事故で、 邦人1人が亡くなったというニュース。
実はこういう情報って日本語でのニュースの方が早いことがあって、 地元メディアなどのスペイン語でのニュースはその後に出てきました。
つい先日も、 今加熱していることもあって、 車の点検・整備の重要性を書いたところですが、 今回のこの死亡事故について、 自分の他人事じゃないと思って気を引き締めるきっかけになったのです。
ちょっと不可解なことが多い事故
でもちょっと不思議だったのが、 この事故ってほぼ正面衝突に近いものだったということ、 そして現場付近は見通しが利くエリアだったということ。
見通しが利かないカーブが多い山道などで、 追い抜き時に衝突するというのはありますが、ユカタン 地方ってそもそも山がないから、 カーブが少ないんです。
高速道路ではないにせよ、 結構道幅も広く直線的な道路がおおいんです。
だからほぼ正面衝突で、しかも死者まで出るってどういうこっちゃと違和感を感じたのです。
報道によると、 日系の大手旅行会社 が主催するツアーだったようで、 ハイエースのようなバンだったとか。
たぶんチチェンイッツァ遺跡 に向かっていたと思われます。 僕も何度か通っているんですが、 町を迂回するためのバイパスなんですよね。
ユカタン地方は、 町中はともかく、 道幅が広く直線的な道が多いから 一般道であっても信号が少ないんです。
事故現場というのはバイパスと、 ヴァジャドリドの街中へと続く道の交差点。 信号はないけれど、 見通しが利く場所です。
実際の事故現場(Google Mapより)
実は防げたような事故
人が亡くなるぐらいの衝撃だから、 おそらくドライバーはほぼ減速せずにこの交差点に進入したと思われます。
対向車が左折しようとして、 そこに減速せずに突っ込んだのか・・・ べつに誰が悪いとかではなくても、 たとえ対向車が無理な左折をして一応“非”があったとしても、 邦人を乗せた車両のドライバーは、 何が起こっても良いように減速して交差点へ侵入すべき。
であれば、 仮に無理矢理左折した対向車に“非”があって、 衝突は免れなかったとしても、 おそらく死亡という最悪な状況は回避できたのでは? なんて、 自分事としてお客様の命をお預かりするドライバーとしてリモート現場検証をしていたのでした。
通り慣れた場所で気が緩んだのか、 急いでいたのか、 そもそも居眠り運転でもしていたのか・・・ 僕にはわかりませんが、 ともあれ、 なにがどうであっても、 お客様の命をお預かりするプロドライバーである以上、 このような事故は「絶・対・に」起こしてはなりません。
たとえ相手に非があったとしてもです。
相手に非があってもお客様の命を守る義務
たとえば後方からの衝突は、 法的には100%ぶつかった方が悪いんですが、 仮にそうであったとしても、 自分がアテンドするお客様の命を脅かす事態を避けなければならないと思っています。
仮に一時停止の標識が無い交差点でも、 万一の無法者による飛び出しを想定し、 いつでも止まることができるスピードまで減速すべき。
実際に現場検証をしたわけじゃないので、 僕がとやかく言える立場にはないと思いますが、 同業者という立場から言わせてもらうと、 気の毒だけど・・・ この日系の大手旅行会社のドライバーの人為的ミス、 責任は大きいと思います。
写真で見る限り、 あの手のバンはエアーバッグはある? バンパーが無く座席も狭く衝撃は大きくなります。
そもそも3点式のシートベルトは付いているのか? あってもシートベルトをしていたのか?
繰り返しになりますが、 直線で見通しが良く、 道幅が広く、 信号のない交差点ので死亡事故。
ん~僕は人的ミスが重なった悲劇だと考察し、 自分事として自分の肝に銘じます。
当方の車両の安全装備を充実させます
ウチの場合は、 元々安全対策の一環としてSUVをツアー用にしています。
後部座席にもエアーバッグが付いていて、 万一の時の衝撃緩和を補助します。
近く車両を替えるという話を書いていますが、 これも安全対策の一環で、 自動ブレーキ補助システムと車線はみ出し防止補助機能が付いたものにします。
とはいっても、 所詮それらの機能は「補助」なので、 99.9%のところはドライバーである自分が体調を整え、 大げさなまでに安全確認を行うこと、 これにつきます。
これっていうのはいくら40万キロ走っていようが、 100万キロ走ろうが、 1000万キロになろうが関係なく、 毎回毎回同じ安全対策を講じ続けなければなりません。
ではツアーを買う側の旅行者でできることは何かないのか。 次回は海外旅行の、メキシコ旅行の自己防衛について書いてみます~
メキシコ旅行は「誰の車に乗るか」も確認した方がいい
メキシコ旅行の計画では、「どこへ行くか」「何を見るか」「いくらかかるか」がどうしても先に来ます。
でも、広大なメキシコを周遊する旅では、車の中で過ごす時間も決して短くありません。
だから私は、ツアーを選ぶときには「誰が案内するのか」だけでなく、「誰が運転するのか」まで確認していただきたいと思っています。
MCTでは、メキシコ在住20年以上の政府公認日本人ガイドが、旅程づくりから現地でのご案内、そして運転まで一貫して担当。メキシコ国内50万km以上の運転経験を重ね、現在も無事故を継続しています。
もちろん、50万km無事故だから明日も絶対に事故を起こさない、ということではありません。
むしろ大切なのは、慣れても油断しないこと。
この記事で取り上げた事故も自分への戒めとして、毎回の運転、車両管理、安全確認を積み重ねて参ります。
メキシコを自由に、深く楽しみたい。でも、安全面もしっかり考えて旅をしたい。
そんな方は、ぜひMCTにご相談ください。
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