世に溢れるメキシコ情報を鵜呑みにしない方が良い理由。
メキシコ在住15年目、
「メキシコの素顔を世界に!」
をモットーに、
メキシコ旅行の政府公認ガイド兼ドライバーをしています岩﨑コウです。
今日もメキシコから書いています~
☝☝☝ミチョアカンのプレペチャ料理店のキッチン。
下の四角いもの(メタテ)でトウモロコシを挽いて、
練って、薄い生地にして、中央の丸いもの(コマル)で焼いてトルティジャを作ります。
コロナ禍では“自粛警察”なるものが登場しました。
僕は“メキシコ観光情報警察”ではないですが、(苦笑)
こういう仕事をしているとたまに目に留まる情報が少なからずあるんです。
どこかのどなたかが
“メキシコ料理が世界遺産”
という事を堂々と謳っていらっしゃいます。
ネット上で公然と。
一言丁寧にお伝えしたのに多分現在も。
それ以前に、
“世界遺産”という名称を私物化してページ名にするのはどうかと思うのですが、(苦笑)
それは僕が関わる所ではないので放っておきますネ。
はい、ユネスコのホームページにも書いてありますねぇ、
“メキシコ料理は世界遺産”だと。
でも皆さんちょっと考えてみて下さい。
「???」
となりません?
僕はそうなったんです。
メキシコ料理って、
「えっあのストリートタコスが?」って。(苦笑)
「そんな事いったらブリトもグリンガも?」って。(困笑)
「だったらコロナビールももちろん?」なんて具合です。(怒笑)
僕が見つけたそのページは、
既にそこから閲覧者の誤解を招いているんです。
僕だったらまず、
せ・め・て
「世界“無形”文化遺産」
としますね。
“無形”なんです。
形がない。
ということは、
そもそも
特定の“メキシコ料理”を指していないんです。
これで大分???が解けたのではないでしょうか?
じゃあ何が“無形遺産”なのかというと、
一言でいえば“習慣”です。
習慣て何かというと、
代々受け継がれている
伝統だったり、
宗教的儀式だったり、
特別な技術や知識だったり、
料理であれば例えば作物の農法などですね。
メキシコの料理であれば、
例えばチナンパやミルパという農地で行われいる農法であったり、
メタテやモルカヘテなどの道具の使用であったり、
生石灰でトウモロコシを処理する知識であったり、
それらがメキシコ独特なもので、
しかも何百年、何千という時を経て現存しているんです。
それが“価値”なんです。
だから僕は、
お客様にはなるべく市場やローカルの料理店にお連れし、
こういった“習慣”をお客様ご自身に見て頂き、
時にはご自身で体験して頂けるようにご案内しているんですね。
繰り返しになりますが、
それが
“メキシコの素顔”であり、
“メキシコが持つ価値”であり、
そしてそれらを体験して頂く事が、
ひいてはお客様ご自身の“ご旅行の価値”となるのです。
あとそのページでのもう一つ決定的な“間違い”は、
あたかもメキシコ全土のメキシコ料理に適用されているかのように書かれていますが、
この世界無形文化遺産は、
【ミチョアカン州の食に関わる習慣に限定】されます。
「STATEMENT OF TRADITIONAL COOKS SUPPORTING RECOGNITION OF TRADITIONAL CUISINE IN MICHOACAN AS INTANGIBLE CULTURAL HERITAGE」
https://ich.unesco.org/doc/src/04955.pdf
リンク元:
https://ich.unesco.org/en/RL/traditional-mexican-cuisine-ancestral-ongoing-community-culture-the-michoacan-paradigm-00400?RL=00400
Consent of communities: Spanish/English
メキシコ全土が対象ではないんですねぇ~。
こんな事をそっと丁寧にお伝えしたら、
ウィキペディアの情報が送られて・・・
「・・・」(もう好きにしてください、、、)
ウィキペディアの情報は80%はでデ・タ・ラ・メで情報としての価値は無いに等しいのですよ・・・
そういう根も葉もない情報を元にして“ガイド”と言っている人が、
“無数”にいるんです。メキシコには。
☝残念な事です。
もちろん某大手日系観光会社の日本人にもいます。
☝メキシコに対して失礼です。
どことは言いませんが・・・
この時代、
どこのだれでも好きな事を好きなように書けてしまいます。
そんなことで、
ガイドブックやサイトなどでご参考になる情報や、
メキシコで雇う“ガイド”が
安かろう悪かろうですと、
皆さんのご旅行自体の価値も無くなってしまいます。
どうか十分にお気を付けください~~~