皆さんが知らないアボカドの話。これでもアボカド、食べ続けます?

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メキシコが原産のアボカド。でも世界的な消費の増加は想定外でした。

アボカドの緑の実が気になっている

 

アメリカからメキシコのアボカドが・・・

アボカドってスペイン語ではAguacate(アグァカテ)というんですが、

その語源はAhuacatl(アウァカトゥル)。

その意味は僕のキオテ通信の検索ボックスをお使い下さい。(笑)

 

メキシコからアメリカへのアボカドの輸出が止まっています。

その“被害額”は1日あたり20億円以上にも達するとか。

 

2021年のメキシコの世界へのアボカドの輸出額は約4000億円。

その内約3000億円分がアメリカ行きで、

これってアメリカのアボカドの輸入量の90%以上を占めます。

 

日本でもアボカドの値段てお手頃価格になっているようで、

一個あたり130円ぐらいで買えます?

日本への輸入量も、

この20年弱で2~3倍にも増えているようです。

 

先週末がスーパーボールで、

アメリカで最もアボカドが消費される日、

その量10万トン弱ともされているんですが、

その直後に輸入禁止措置に。

 

なんでも、

その理由はアメリカの農水省担当者が電話で脅迫を受けたらしいんです。

 

というのも、

ミチョアカン産アボカドの中にプエブラ産が混ざっていることを指摘したからだとか。

ちなみにアボカドの原産はプエブラ州という説があります。

 

アボカドはメキシコの貴重な外貨獲得手段であり、

今回のメキシコ産アボカドの輸入を全面停止するのはかなり痛い。

 

そもそも、

アメリカに関しては、

ミチョアカン州で栽培収穫され、

且つ72のパッカー(輸出業者)のアボカドしか輸入できないことになっていて、

今回の輸入停止措置により、

直接・間接合わせて60万もの労働者に影響が出るとか。

ちなみにメキシコには大小合わせて4万のパッカーがあるようです。

 

で、

ミチョアカン州てご存じの方、いらっしゃいます?

Michoacanと書きます。

スーパーのアボカド売り場で、

箱があったら輸出者を見てください。

ほぼ間違いなくMichoacan, Mexicoと出ているはず。

👇この州

 

アボカドの生産地ミチョアカンとは。

メキシコシティの真西に位置する州で、

昔(スペイン人が来る前)はプレペチャという文化が栄えていました。

(タラスコとは呼ばないように・苦笑)

 

スペイン人の出現に際し、

アステカで知られるメシカ帝国は3度にわたり、

お隣のプレペチャの皇帝に「同盟」を打診しますが、

真っ向から拒否され、

挙句の果てに使者も殺されてしまいます。

👇ヤカタと呼ばれる旧プレペチャの首都ツィンツンツァン遺跡の特徴的な建造物

打倒スペイン人に向けて「同盟」は結ばれることがなく、

メシカは1521年に、

プレペチャは1522年にスペイン人の手に落ちます。

 

ミチョアカン州の州都は世界遺産でもあるモレリア市という町ですが、

もともとプレペチャ文化の首都はパツクアロ一帯にありました。

世界無形文化遺産であるミチョアカンの郷土料理の習慣で知られ、

特にパツクアロはメキシコ最古の大学が生まれた場所であり、

現代の死者の日にも繋がる習慣は、

この一帯からメキシコ全土に広まったものです。

ミチョアカン出身のラサロ・カルデナス大統領肝いりのプロジェクトでした。

そんなメキシコ中西部の歴史が詰まったミチョアカン州。

そのパツクアロの更に西に約60キロ、

1時間ほどの場所にアボカドの一大生産地の一つウルアパンがあります。

 

一方で、

このミチョアカン州の中でも西部というのは、

近年治安が悪化しています。

多くの日本の人達がニュースで見て戦々恐々するような、(苦笑)

危ない人たちによる犯罪の温床になっているんです。

(👆正直に書いています)

 

特にウルアパンから南西に掛けてですね。

アパツィンガン一帯はティエラ・カリエンテ(Tierra caliente=灼熱の大地)

と呼ばれていて、

アボカドをはじめあとはマンゴーの生産が盛んな地域です。

僕も昔はこの地域にマンゴーの買い付けに行っていました。

 

アボカドの生産地の現実と消費者の嗜好のアンバランス。

アボカドはオロ・ヴェルデ(Oro verde=緑の黄金)と呼ばれていて、

これだけ世界的な需要が増えていますから、

それはもう儲かる商材なんです、犯罪組織にとっては。(苦笑)

マリファナはアメリカで合法化されて儲からない、

コカインは危なすぎる。

じゃあアボカドあるじゃん、てなるわけです。

 

その「脅迫電話」も、

そういう人からのお電話?だと考えられますが、

まだ調査中のようです。

 

で、

その危ない人たちのお話が続くのですが、(苦笑)

農家の人達はそういう危ない人たちにみかじめ料をせびられます。

相場は年間5万ペソ~10万ペソ。

感覚的に50万~100万円です。

メキシコの人の90%以上が月収1万ペソに届かない、

ということを考えると、

いかに多額な「土地使用料」かが分かるでしょう。

 

このアボカドの需要増加による弊害、

もちろんメキシコの自然環境にも影響しているのですよ・・・

メキシコのアボカドの輸出量は2000年代初頭から約10倍にもなっています。

それだけ世界的に需要が高まっているのです。

もともとメキシコではアボカドを大量に消費していたのですが、

この外国人の胃袋向けの消費が上乗せされたわけで、

現在は全生産量の6割ぐらいが輸出向けです。

 

そうすると自ずと農地が手狭になります。

そうなると、

もうお分かりのように、

農地を拡大する必要が出てきて、

広範囲の森林(大半は松)を伐採します。

どれぐらいの面積が伐採されたかというと、

約2000平方キロメートル。

僕の実家がある静岡県の西に、

浜松市っていう町があるんですが、

水窪の山の方の合併された地域も含めて約1600平方キロメートルです。

それと同じかそれ以上の面積の松林が、

この世界的なアボカド需要を賄うために消滅したのです。

 

さ・ら・に、

アボカドというのは水を大量に必要とするんですね。

どれぐらいなのかというと、

1ヘクタールに植わる156本のアボカドの木は、

同じ1ヘクタールと仮定した場合、

677本の松の木と同じ量に匹敵する水を必要とします。

 

さ・ら・に、

それだけの水量を安定的に賄うために、

農家は貯水槽をつくります。

👇これ

地面に掘った窪みに水が溜まっている

 

こういう巨大な貯水池が、

アボカドの生産地近郊に5万以上あります。

すると本来地中にしみこむべき水がせき止められ、

本来のエコシステムの役割を阻害され、

周辺の生態系にも影響が出るうえ、

そういう環境が「操作さられた」農地というのは自然に返すが難しくなります。

 

熱狂せず「普通」に暮らせばいいのでは~

で、

近年のヨーロッパ人のサステナビリティ志向をちょっと疑っちゃうんですが、(苦笑)

ヨーロッパだってこうしたメキシコ産アボカドの需要が倍増しています。

 

メキシコの、ミチョアカン州の生産者と自然の搾取から穫れたアボカド。

メキシコの民芸品などもそうですが、

それがどういう環境で、

どういう人たちによって、

どういう背景があって存在し、

売り場に並べられているのか、

全ては難しくても、

「興味」を持つって大事だと思うんです。

 

僕は別に脱資本主義のような極端な環境保護主義者でも、

CO2を大量排出する牛肉を食べないビーガンみたいな人でもありません。

 

ただ、

千と千尋の神隠しの豚になってしまった両親のように、

他人の料理を食べつくすような貪欲は、

ちょっと控えませんか?ということです。

 

今僕は仕事が少ないので、

自分が持つリソースを最大限にセーブしながら生活しているんですが、

これも慣れで、

最小限の、でも適切な消費だけで生きるライフスタイル、

殆ど苦にならないんですよね。(苦笑)

 

もともとあれもこれもって、

消費しないと気が済まないという生活はしていなかったので苦にならず、

使うところにはガツンと使いますが、

そういう機会がなければ、

必要な食事から、

必要な栄養を取るだけの「普通」の生活で、

十分に幸せを感じられます。(笑)

 

「自動」から「手動」のすゝめ。

ま、

現代はスマホからネット、

なんでも「自動運転」の時代です。

あらゆるビジネスの「過大広告」に操られないようにですね、

自分の飛行機の操縦桿を自分で握って、

自分で操縦する生き方にしたいですね。

おカネや時間は有限ですが、

欲望は無限ですから、

バランスよく生きていきたいものです。

 

日本のスーパーでアボカド、マンゴーを見たら、

メキシコ旅行で民芸品を見たら、

そんなメキシコの裏ではなくて「素」の事情、

少しでも考えて頂ければ嬉しいです。

ではでは。

 

注:

アボカドだけじゃありません。

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それでも「そのメキシコ旅行」、します?メキシコ発 生ブログ

 

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