今日、オアハカは大事なお祭りです。


メキシコ在住16年目、

「メキシコの素顔を世界に!をモットーに、

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いつかまた戻ってきたくなるメキシコ旅行を提供しています、

公認日本語ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。

 

今日も呑気にメキシコから書いています~

 

今日、オアハカは大事なお祭りです。

 

近年、

オアハカ(Oaxaca)に関する旅行案内もよく目にするようになりました。

日本ではテレビでも放映される機会が増えたようですね。

 

ところで皆さん、

なんでオアハカに行きたいと思うのでしょう?

 

メディアで有名だからとりあえず?

 

“メキシカンラグ”?

 

“アレブリヘ”?

 

“先住民”?

 

中心部の“キレイ”な街並み?

 

オアハカに限らずですが、

民族や歴史など、

本質的な所をみると、

自ずと行くべき理由が分かるんです。

そして、「より楽しめます。」

 

ゲラゲツァ。

Guelaguetzaと書きます。

👆今朝の様子

 

去年はコロナで中止。

過去のお祭りの様子を配信しただけでした。

(ビデオは下に)

 

今年はと、

現地に行こうと思ってカレンダーに書き込んであったのですが、

やっぱり中止・・・(沈)

 

いや、

今年はライブ配信していますので、

よかったらご覧ください。(笑)

各地からのライブです。

 

ライブと言っても、

その後は録画でも観れるようになっているようです。

☟こちら。

YouTube player

 

普通だとこのように賑わいます。

2019年のものです。

YouTube player

 

それでこれはお祭りなんですが、

何のお祭りかってことですね。(笑)

 

世界的に有名なお祭りで、

普通であれば毎年この時期に国内外から多くの観光客が訪れます。

 

統計によると、

昨年2019年には、

約15万人の観光客がこのお祭りの為に集まり、

オアハカ市内のホテルも91%の稼働率だったとか。

 

しかも昨年は対2018年比で17%以上も観光客数が増えたということから、

その知名度が年々高まっている証拠ですね。

 

その経済効果も4億1700万ペソ

日本円で25億ぐらいです。

 

てなわけで、

オアハカの人達にとっては

一年のうちで最も忙しく大切な時期の一つであるんですね。

 

そんな有名なメキシコの、オアハカのお祭りという事だけあって、

日本語でも色んなサイトやガイドブックでも紹介されていると思います。

 

でも大体どれも、

「トウモロコシの神様に捧げられていた」とか、

「豊作祈願」のため

と書かれています。

 

それもありますが、

本質はもっと別の所なんです。

 

その本質が見えないと、

「なんでオアハカで開催されるのか」

とか、

「なんで様々な民族衣装をまとって、しかも各地域から参加するのか」

とか、

「そもそもなんでゲラゲツァがそんなに有名なのか」

という疑問が出て来るんです。

 

だって、

トウモロコシや豊作の為のお祭りなら、

べつにオアハカ以外でも行われていたわけで、

それを現代も盛大に、

国際的なイベントとしてやっているかと言ったら、

やっていないですよね~?

 

ゲラゲツァという固有名詞は、

オアハカ地方の言語の一つサポテカ語が語源で、

「助け合い」とか、

人生における重要な局面、

例えば結婚や生誕、そして逝去、

そのような状況における

人々の繋がりや関係を意味します。

 

それで何でそんなに多くの人を集めて「お祭り」をやるのかというとですね、

ゲラゲツァとして祭典を始めたのが89年前の1932年です。

 

日本史だと、、、

満州事変の翌年、

満州国建国宣言がされた都市。

 

元の元をたどれば、

メソアメリカ時代にトウモロコシの神様が祀ってあった社の上に建てられた、

カトリックの教会のお祭に端を発するのですが、

今に繋がるゲラゲツァとして始まったのはその年(1932年)です。

 

それで、

なんでその年にゲラゲツァとして始めたのかというと、

その年に、

いくつかの状況が重なったからんです。

 

まず、

前年1931年にオアハカ大地震が起こりました。

この地震により、

オアハカ経済は大打撃を受け、

家や仕事を失い生活に困窮する人が多く出ました。

 

これにより、

首都や他の州に移住を強いられた人たちも少なくありませんでした。

その為、

オアハカ政府は震災後の経済復興の為に旅行客を呼び込もうとしたのです。

 

二つ目に、

1932年というのは、

その400年前の1532年に、

当時のスペイン王カルロス1世から

“市”として認められた節目の年、400周年記念の年だったのです。

 

三つ目は、

オアハカの文化や人は、

スペイン人の入植から1910年のメキシコ革命まで、

「遅れたもの」

として扱われていました。

40年に渡って独裁政権を率いたオアハカ出身のポルフィリオ・ディアス大統領は、

こうした地元の人々を無視していた形です。

 

メキシコ革命後、

オアハカ政府はヘナロ、フランシスコ両知事の元、

オアハカの尊厳回復に努めていました。

 

まとめると、

1.震災復興

2・“市”としての400年記念

3・メキシコが誇れるオアハカ文化の尊厳の向上と宣伝

を目的として

1932年に第一回ゲラゲツァを催したのです。

 

現在も、

もちろん経済効果は狙いの一つですが、

3の要素が根底にあります。

 

オアハカは8つの地域からなります。

 

険しい地形のために各地域間の交流がままならず、

しかしそれ故に気候の変化に富み、

様々な動植物が生息する州です。

 

それがこの州の各地域を特徴豊かなものにした要因です。

 

この州の8つの地域には、

今でも16の言語が話されています。

 

ということは、

8から更に細分化された16の文化があるという事なんです。

 

16の文化、

咀嚼すれば、

16の小さな国があるような感覚、

といった方が近いと思います。

 

ゲラゲツァは、

こうした超多様なオアハカの文化を一つに纏める行事なのです。

 

彼らが披露する民族舞踊や歌、衣装から産品まで、

このゲラゲツァというお祭りを通じ、

超多様なオアハカ文化を各々が“表現”し、

そしてある種の“抗議”を行っているんです。

 

抗議というと負のイメージがありますので、

「訴え」に置き換えましょうか。(苦笑)

 

過去に、そして現代に至るまで排斥されてきた歴史を持つためで、

オアハカのどの地域に住むどの文化の人達も、

自身の文化への誇りと、

自分達もメキシコの歴史と社会の一部である、

という「訴え」なんです。

 

ゲラゲツァという祭典は、

オアハカの人達にとって自文化への団結と誇りを意味するのです。

 

政府と現地の人達の利害が一致し、

89年経った今日まで続いているお祭りなんですね。

 

だ・か・ら、

オアハカで行われる意味があり、

オアハカの各地域の人にとって大事なお祭りであり、

世界でも知られているのです。

 

いかがでしょう。

本質的な意味、

一度見る価値があることをお分かり頂けましたでしょうか~。

 

来年こそは、

コロナなんか撃退し、

このお祭りが開催できることを切に願います。

 

オアハカも僕も混みますので、

ご予約はお早めに~。(笑)

👆今朝の様子

 

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