メキシコ在住１５年目、

「メキシコの素顔を世界に！」

をモットーに、

メキシコ旅行の政府公認ツアーガイド兼ドライバーをしています岩﨑コウです。

今日もメキシコから書いています～

 

非合理的なガイド業はＡＩに取って代わられる！？

☝☝☝ソチカルコのガイドのおじさんと

 

近年ＡＩというキーワードが話題になる事が増えています。

人口知能。

 

これにより、

“多く”の職の存在が脅かされるとも言われています。

 

「機械でできるような仕事は、

ＡＩにとって代わられる」

というものです。

 

なるほど～、確かに。

 

現に高速道路の料金所は殆ど自動化されています。

レストランでも、

端末でオーダーできてしまいます。

集配センターもロボットが作業しています。

 

そこで、

「海外旅行にこれを置き換えるとどうなるか」、

と考えてみたんです。

 

限りなく携帯翻訳機の性能が改善され、

自動運転による交通手段も発達して、

グーグルマップで場所を探すように、

行先を入力すれば連れて行って貰えるようになるでしょう。

ガイドだって、

ロボットやＡＩ端末が喋るようになるでしょう。

 

言語、移動手段、ガイド（説明）、

これで大抵の旅行時の必要性はカバーされてしまいそうですね。

 

てことはですよ、

 

「未来のガイド業、危うし！」

 

いや、

ちょいとお待ちを。

 

たしかに、

高性能翻訳機も出て、

自動運転でどこにでも連れて行ってもらえ、

説明も携帯ＡＩデバイスを持ち歩き、

質問があれば答えてももらえます。

 

でもです。

本当にそれが未来の旅行の姿になるのか、

というところです。

 

僕の答えはノーです。

 

なぜならば、

我々人間は、

最後の最後は、

感情論を完全に排除して生活できないからです。

 

前職で１０年以上営業をしていました。

確実に自分の方が安いし、質もいい、サービスも早い、

でも決して首を縦に振って貰えなかった人がいました。

そこはもう価格、品質、サービス云々という合理性ではないんですね。

 

極端な話、

この営業担当がスキ・キライみたいな感情論なんです。（笑）

そういう所って、

我々が人間である限り、

消えることがない要素だと思うのです。

（良くも悪くも）

 

ＡＩは合理主義です。

移動ルートも最短最速の道を瞬時に弾き出します。

でも人間である僕は、

ちょっと遠回りだけれど、

美味しいご飯屋さんがある場所に行ったりします。

途中予定になかった景色がいい場所で車を止めます。

時には市場で美味しそうなものがあればご馳走させて頂きます。

それは、

僕がお客さんにメキシコを楽しんで頂きたい、

楽しんで頂く事によって、

僕自身の仕事に対する満足度も上がる、

という一種の感情が働くからです。

 

そういうのは人間にしかできませんし、

そういう人間的なものを感じるのが

健全な人間社会であり、

本来あるべき旅行の姿だと思うんです。

 

た・と・え、

非合理的であっても。

 

そしてその非合理性の中に、

「た・の・し・た」

というものが沢山潜んでいるものです。

 

メキシコは比べる対象にもよりますが、

例えば日本の交通網と比べれば、

非合理的ですね。

便利な鉄道網はありません。

高速道路も綺麗で何でもあるサービスエリアもありません。

 

だからこそ、

好きな所で寄り道ができれば、

美味しいご当地料理も発見できます。

自然な人の温かさにも触れられるでしょう。

それがメキシコ旅行の醍醐味の一つでもあるんですね。

 

もちろん、

それができない“ガイド”は、

必然的に淘汰され消滅していくでしょう。

そういう所は、

お客さんには直ぐに見抜かれますから。

 

僕はこれからも、

“非合理的”にお客さんとコミュニケーションをとり、

“非合理的”にメキシコをご案内させて頂き、

そして、

“非合理的”にお客さんと一緒に楽しみたい（笑）

と思っております。

よろしくお付きいお願いいたします。（笑笑）

 

【キオテ通信】バックナンバーもどうぞ