西の帝国プレペチャ文化最初の首都パツクアロ・前編
メキシコ在住15年目、
「メキシコの素顔を世界に!」
をモットーに、
メキシコ公認ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。
パツクアロってこんな場所。
メキシコシティの西、
直線距離で約250キロ、
車で行くと約350キロ、
4時間半ぐらいの所にある街です。
最初に少し、
パツクアロがあるミチョアカン州についてザックリとお話ししますね。
日系の旅行会社はあまり積極的に案内していないのですが、
ミチョアカン州はプレペチャ文化という文化が繁栄していた地域であり、
独立戦争でも重要な場所となったモレリア市が州都としてあります。
ココです☟☟☟
州の西の方には、
日本でもお馴染みのマンゴーやアボカドの一大生産地が広がります。
実は僕ですね、
メキシコでの最初の仕事がメキシコフルーツの輸出だったんです。
それでよくミチョアカンのマンゴー農園に来ては、
出荷の作業をしていました。
同地域にはアメリカ大陸で最も新しい火山である、
パリクティン火山があります。
この火山は、
火山の出現からその死に至る過程を観察することができた、
世にも珍しい火山として知られているんです。
その噴火により、
丸ごと飲み込まれてしまった一つの村の跡地は、
まさに驚愕する光景です。
☟☟☟ここです。溶岩に埋もれた教会もあります。
あとミチョアカンと言えば、
郷土料理の習慣が世界無形文化遺産に指定されているんです。
☟☟☟プレペチャ料理店にて
これ、
ちょっと注意が必要なんですが、
たまに
「メキシコ料理が世界遺産」
と勘違いしている人がいて、
どこかのフェイスブックページでも堂々と、
「メキシコ料理世界遺産」
と出してしまっている人がいます。
日本料理もそうなんですが、
これは寿司や味噌汁など、
特定の日本料理そのものが世界遺産ではなく、
日本料理の背景にある習慣が世界“無形”文化遺産なのです。
メキシコ料理の場合は更に狭まり、
“ミチョアカン州の郷土料理の習慣”
に限定されています。
メキシコ料理全般ではないんですね。
だから、
メキシコに到着されて
「さっ、世界遺産のタコスとブリト死ぬほど食うぞ~!」
とはならないのです。(苦笑)
(ブリトはメキシコ料理じゃない・・・タコスも元はレバノン・・・しかも“最近”できたばかり・・・)
そして忘れてはならないのが、
多彩な民芸品です。
☟☟☟民芸品店
ミチョアカン州、
特にパツクアロ周辺では民芸品の生産で知られています。
実はこれ、
後にご説明しますが、
スペイン人司教バスコ・デ・キロガさんによってもたらされた伝統なんです。
そして現代までその民芸品の習慣が続いているんです。
あとは~、そうですね、
ミチョアカン、特にパツクアロでは、
「死者の日」でも知られていますね。
同じメキシコ国内でも、
他の地域とはまた違った雰囲気です。
そんなことで、
メキシコシティからも遠すぎず、
日本の方の間ではまだあまり知られていないミチョアカン州、
僕はおススメしています。
一般的なツアーは殆どないです。
距離的には日帰りも一泊二日でも行けますが、
僕の場合は、
グアナファトやサンミゲル、
テキーラやトナラなどとも抱き合わせ旅行をおススメしています。(笑)
今回はそんなイロイロあるミチョアカン州の中でも、
パツクアロという街をご紹介します。
パツクアロって、
Patzcuaroと書くんですが、
ちょっと変わった名前ですよね。
その意味には諸説あり「コレ」という答えは分からないのです。
幾つかご紹介すると、
Petatzimicuaroは“ベルがある場所”、
Phascuaroに由来し、その意味は“黒く色付ける所”、
Peratzecuaroは“寺院の土台”、
などです。
どれも全然意味が違いますが、(苦笑)
これらのワードはプレペチャ語由来なんです。
現にミチョアカンには、
語尾にcuaroとなる地名が多いんですが、
これは「場所」を意味するプレペチャ語kuarhuが語源です。
プレペチャ語って、
確認されているだけで、
124言語あったメソアメリカ時代の言語の一つです。
よく目にするのですが、
タラスコ(Tarasco)という人がいます。
ここでは理由は言いませんが、(苦笑)
タラスコとは言わず、
プレペチャでお願いしますネ。
で、
このパツクアロの街ですが、
この街が重要とされる理由は大きく分けて二つあるんです。
1. プレペチャ帝国最初の首都だったから
2. スペイン人に虐げられていた地元住民に手を差し伸べたスペイン人司教ヴァスコ・デ・キロガの功績
またまた、
パツクアロの説明に入る前にもう自分で決めたボリュームを超えてしまったので、
パツクアロの説明は次回にします~ (笑)
後編はこちら👇
ミチョアカンのパツクアロの話・後編
#MexicoCentralTours
【キオテ通信】バックナンバーもどうぞ