ロサンゼルス、サンフランシスコ、サンディエゴ、サンタモニカ、ラスベガス…。

アメリカ西部には、スペイン語が由来となっている地名が数多くあります。

「なぜアメリカなのにスペイン語なの?」

そう疑問に思ったことがある方も多いのではないでしょうか。

実はその答えは、現在のアメリカ西部がかつてメキシコ領、さらにその前はスペイン領だったという歴史にあります。

メキシコ在住20年以上の政府公認ガイドが、アメリカ西部の地名に隠された歴史を分かりやすくご紹介します。

アメリカのロサンゼルス
ロサンゼルス

あのアメリカの有名都市はスペイン語

ロサンゼルス、

サンフランシスコ、

サンノゼ、

サンディエゴ、

サクラメント、

コロラド、

フロリダ、

サンタフェ、

サンタモニカ、

ラスベガス、

サンアントニオ、

ネバダ、

などなど。

 

アメリカに詳しい方はもちろん、

詳しくない方でも、

一度は聞いたことがある地名が多いではないでしょうか?

例えばロサンゼルス(Los Angeles)。

日本ではロスとかロサンゼルスと言いますね。

スペイン語では

といいます。

言うまでもなくエンジェル=天使です。

Losというのは英語のThe(ザ)に相当する冠詞です。

英語だとThe Angels(ザ・エンジェルス)となります。

だから「ロスに行こう!」というと、

「ザ(The)に行こう!」

と言っているということで、

全くもって無意味なんです。(苦笑)

てなわけで、ロスはメキシコの人には通じませんのでご注意を。

 

ネバダ州。

Nevadaと書きます。

これはNevarというスペイン語の動詞から来ているんです。

意味は英語のSnowed(雪が積もった)です。

メキシコにネバド・デ・トルーカ(Nevado de Toluca)

という山があります。

僕のHPでもご紹介していますが、

同じ動詞から来ています。

語尾がAかOかは、

名詞が女性名詞か男性名詞かによります。

スペイン語の説明はまたにしますね。

 

San Francisco、

San Diego、

Santa Monica

などなど、

SanとかSantaというのは「聖人」です。

英語のSaint(セイント)ですね。

カトリックでは偉人が死去すると、

バチカンでの所定の過程を経て成人として認められることがあります。

これを「列聖」といいます。

仏教では故人に戒名をつけますが、

カトリックでは誰でも聖人になれるわけではないのです。

聖人になった場合はSanとかSantoとかSantaってつけます。

例えばサンフランシスコをサンフランなんて略して言いますが、

Franという名前はありませんので「ロス」同様無意味な語彙です。(苦笑)

フランシスコさんという聖人がいます。

もちろんこれもメキシコの人には通じません。(苦笑)

 

アリゾナ。

Arizonaと書きますが、

これについてはいくつかの説があります。

一つはArida zona。Aridaは乾燥した、Zonaは地域です。

もう一つはメキシコに52以上現存する言語の一つオダン語のAli-shonak。

「短い春」の場所という意味です。

最後はスペインの北部バスク地方のAritz ona。「優良なオーク」という意味です。

どれももっともらしいですね。

中でも最も可能性が高いといわれているのは最後のArtiz onaです。

 

サンタフェはSanta Feって書きます。

Feとは英語のFaithで、

信仰など各々が信じるものを意味します。

それに「聖なる」というSantaをつけています。

 

サンノゼはSan Joseと書きます。

なぜサンノゼとなるか分からないですが、

スペイン語ではサン・ホセと発音します。

ホセはメキシコでとても一般的な男性の名前のひとつです。

英語でいうとジョセフさんです。キリストさんのお父様ですね。

 

コロラド。Coloradoと書き、

これは推測になってしまうのですが、

スペイン語の動詞Colorarからきていると思われます。

Colorですので色に関係する単語で、

他にはColorearという動詞もあります。

Coloradoは、

恥ずかしい思いをして赤面した時に、

男であればEstoy colorado、

女であればEstoy colorada

と使うんです。

Colorearは色付けするという意味です。

ちなみに、世界の旅行者を魅了しているユカタンのピンクレイク(ピンクラグーン)。

これがある村はLas Coloradasといいます。

複数形なのでそれぞれSがついています。

アメリカにスペイン語の地名が多いワケ

スペイン語の地名というのは西側に集中しています。

理由はとてもシンプルです。

現在のアメリカ西部は、もともとメキシコ領だったから。

さらに時代をさかのぼると、スペイン植民地「ヌエバ・エスパーニャ」の一部でした。

知っている方も多いと思いますが、

知らない方も多いはず。

 

今のカリフォルニア州、

ネバダ、

コロラド、

ニューメキシコ、

ユタ、

テキサスというのは、

1836年のテキサスの独立までは全てメキシコ領だったんです。

有名なアラモの戦いの直後です。

日本は開国の20年ぐらい前、

天保の大飢饉や百姓一揆が起こっていた頃です。

 

それ以降、

1821年のスペインからの独立後の混乱に乗じて、

火事場泥棒的に

アメリカがこれらの地域を事実上占領していったのです。

メキシコはアメリカからお金を受け取っているので、

一応“占領”という言葉は使われませんが、

メキシコ情勢の混乱に乗じて、

西へ南西へグイグイ侵略を進めたんです。

ヌエヴァエスパーニャの全盛期
1823年当時のメキシコこの後グアテマラ以南が独立

今でこそアメリカの大統領さんが、

墨米国境に“壁”を造る云々と言っています(ましたが)が、

メキシコ側からすれば、

「元々ウチの領土だったんだから、あんたらに言われたくねぇよ」

となるわけです。

カリフォルニアの話

有名リゾート地ロスカボスがあるバハカリフォルニア半島。

ラ・パスなどダイビングで有名な場所もあります。

アメリカとの国境にはティファナがあります。

バハ・カリフォルニアはスペイン語で

Baja California

と書くのですが、

Bajaとは「下」とか「低い」という意味のスペイン語です。

英語のLowとかLowerです。

つまり、「下のカリフォルニア」。

ということは、上もあるはず!?

はい、実際にあったんです!

今のカリフォルニア州、ネバダ、ユタ、アリゾナが、

Alta California

と呼ばれていました。

Altaは上とか高いというスペイン語の形容詞です。

つまり「上のカリフォルニア」。

 

この辺の歴史は長いので、

今後何回かに分けて書きます~

続きは↓

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