メシカの皇帝モクテスマの頭飾りの謎・前編
メキシコ在住15年目、
「メキシコの素顔を世界に!」
をモットーに、
メキシコ公認ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。
モクテスマの頭飾り。
☝オーストリアにある本物
なにそれ?
だれ?
と思われる方も多いでしょう。
「モクテスマ2世が頭につけていた飾り」
と言えば、
「お~聞いた事ある!」
という方も多いと思います。
それもそのはず、
モクテスマは、
アステカで知られるメシカ帝国の皇帝でした。
メキシコの考古学では、
トラトアニ(Tlatani)、
と呼んでいます。
エンペラーでも、
キングでも、
プレジデントでもないんです。(笑)
なんでモクテスマ2世が知られているのかというと、
現在メキシコシティの中心部がある場所で、
アメリカ大陸で初めて、
そして強大なメシカ帝国の首長として、
スペイン人(ガイジン)を受け入れた人だからです。
今から501年前、
1519年11月8日の事。
世界史ではマゼランが世界一周に出かけた年。
日本史では信長の時代の少し前、
桶狭間の戦いの40年ぐらい前です。
☟ここがその現場
その当時、
メシカ帝国は暴力的に、
メソアメリカの広大な領域を支配していました。
メソアメリカで最も強力な文化でした。
その首長であったモクテスマ2世が、
初めて別の大陸から来たガイジンを受け入れた、
という歴史的イベントなのです。
だから有名なんですネ。
で、このトカド(頭飾り)、
モクテスマまたはモクテスマを含むメシカのトラトアニ(首長)達が
頭につけていたと考えられる飾りなのです。
今日の話はと言いますと、、、
メキシコの人類博物館で見る事ができるのですが、
これ、レプリカなんです。
「ん!?じゃあ本物はどこに?」
はい、オーストリアです。
なんかまた面倒くさくなってきましたね。(苦笑)
オーストリアですよ。
スペインでも、
フランスでも、
イギリスでも、
イタリアでもない、
オーストリア。
まだご紹介出来ていないのですが、
実はメキシコには帝国期が2度あったのです。
その第2次メキシコ帝国(1864~67年)の皇帝は
マクシミリアノ(日本ではマクシミリアン)というオーストリア人だったのです。
これがメキシコ史上、
唯一のオーストリアとの接点。
じゃあ何でモクテスマの頭飾り(トカド)がオーストリアに?
結論を先に言ってしまうと、、、
「わからない」
です(苦笑)
まぁまぁ、
そうガッカリされないで下さい。
そこがロマンじゃないですか。(笑)
科学的に証明でき得る証拠を集め、
それを繋ぎ合わせて
「ああだっただろう、
こうだっただろう」
とやって行くのが考古学、歴史のオモシロイ所であり、
ロマンだと思うんです。
メキシコ国立人類博物館にあるレプリカと、
オーストリアのヴィエナ博物館にある本物は、
ペチャンコに広げられた状態で保存されていますが、
本来はこんな風に☟、
頭につけていたと考えられています。
(出典:Arqueología mexicana https://arqueologiamexicana.mx/mexico-antiguo/el-penacho-de-moctezuma)
最初なんなのかわからず、
広げてしまった為に強度が著しく低下してしまったそうです。
このトカド(頭飾り)は、
現存するメソアメリカ時代の数少ない羽でできた遺物の中の一つで、
とても価値が高いものなのです。
それでは、
なぜメキシコに返ってこない?
続きは次回にぃ~ (笑)
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