ウミガメ君の旅立ちを目の当たりにして想う事。

メキシコ在住15年目、

「メキシコの素顔を世界に!

をモットーに、

メキシコ公認ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。

 

ウミガメ君の旅立ちを目の当たりにして想う事。

ワーケーションのプラス・アルファでした。(笑)

しかもちょっと泣きそうでした。(ウルウル)

 

自然系ガイド学校の学友たちが数名がウミガメの保護活動をしているんです。

ユカタン半島、

カリブ海側なんですが、

話を聞いているとスゴク奥が深い感じがしていたんです。

でも僕はウミガメを見た事はあっても、

彼らの生態について全く知識がなかったので、

あまりピンとこず、

「へぇ~・・・」

だったんです。

 

今感じるのは、

その

「へぇ~・・・」

が多くのお客様がもつ感覚なんだなぁ

と再認識したのでした。(汗笑)

「いまいちピンとこない」

という感覚をどうお客様のご興味に変えられるか。

ガイドの腕の見せ所です。(汗汗笑)

 

「ウミガメ!」

って、

テレビでも見た事あるし、

聞いた事もあるし、

ダイビングで一緒に泳いだことあるし、

なんとなく身近なものだと思っていたけれど、

実は全く知らなかった・・・

という「発見」

 

ユカタンを始め、

バハカリフォルニアの方に

ウミガメの産卵地として有名な場所がある事は知っていましたが、

首都からは距離が遠く、

僕には、

文字通り遠い存在だったんですね~。

 

知らなかったのですが、

日本でも明石や九州の方でも産卵するんですね。

 

アカプルコで嫁とその学友達の話をしていて、

ダメ元で、

グーグルマップで調べてみたんです。

そしたらあるではないですか!

ウミガメの保護活動をしている場所が!(喜!)

 

で、

直ぐに行ってみたんです。

☝僕の特技は足が軽い事なんです。(笑)
これはサラリーマン時代の上司のお墨付きでもありまして、
思い立ったその瞬間に出陣できます。

 

幾つかあるのですが、

今回僕らが行ったのは、

ちゃんと国の保護ガイドラインに沿った活動をしている場所です。

中には「カネモウケ」でやっているだけの所もありますが・・・

 

ここのイイ所は、

ただウミガメの赤ちゃん達を放流しておわり、

ではなく、

ちゃんと彼らの生態やルールを説明するんです。

 

人間の傍若無人なカネへの執着で、

ウミガメ関連の「商品」は高値で取引されるようで、

その犠牲になる個体数が多いそうです。

中でもラウド(Laud)種、

日本語ではオサガメと呼ばれているのでしょうか、

これが絶滅危惧種なんです。

 

6月から11月位までが時期ですが、

それ以外の月にも数は減るものの、

ほぼ通年で産卵にやって来るようです。

 

ここの保護施設(通称ウミガメ・キャンプ)では、

Golfina(ゴルフィナ)種、

日本語ではヒメウミガメと呼ばれているウミガメを主に保護しています。

☝30~45日ぐらいで孵化するそうです。それまで、ここで保護します。

 

ウミガメ達は、

生まれた土地の感覚を覚える習性があり、

15年から20年の間、

大海を遊泳して、

ちゃんと同じ場所に戻ってくるのです!

☝凄い・・・

 

鮭と同じような習性ですね。

ちゃんと生まれた川に戻って産卵します。

 

7歳から8歳ぐらいになるまでは、

十分な大きさでない為、

空と水中の生物の餌食になってしまうことが多く、

自然に孵化した個体の場合、

その生存率はなんと0.1%。

1000匹中たった1匹が生き延びることができるのです。

 

この時期、

このウミガメ・キャンプでは、

一日に2000~3000、

日によっては4000ものウミガメが生まれます。

 

その彼らは、

概ね5日以内に「海」に辿り着けないと死んでしまいます。

しかも、

生まれて直接海に放り込まれてしまうと、

戻るのに必要な、

その場所の感覚を得られません。

生まれてから、

自力で歩いて海に辿り着く必要があるんですねぇ。

そんな、

その日に生まれたばかりのウミガメ達を、

保護し、

ビジターにも放流する体験をさせてくれるのがこの施設です。

☝☝☝僕の所にきたウミガメ君。

 

手のひらに乗る大きさで、

僕の所に来たウミガメ君は、

寝ぼけていたのか(笑)、

ピクリともせず、

砂浜に降り立ってもしばらく何が起こっているのか理解できなかったのか、

ずっと、じぃーっとしていました。

 

近くまで水が来ると、

急に目覚めたかのように、

4つの足をパタパタさせて彼の生活場所「海」に向かって、

必死に歩いて行ったのでした。

僕のウミガメ君が、

この海岸に戻るのは、

僕がもう還暦近くになっている頃です。(苦笑)

 

そんな長い間、

どこを泳いでいるのか、

その生態はまだ解明されていないようです。

 

今日この日に生まれたこのウミガメ君は、

きっと生き延び、

150年生きてくれることでしょう。

彼がまた自然に返る時には、

僕はもうとっくに土に返っているでしょうが(笑)

 

この日は、

そんな一つの小さな命が、

太平洋という無限に広がるかのような大海に、

これから150年近くも続くであろう人生ならぬ「亀生」に向かって、

一人で向かっている勇敢な姿を目の当たりにした日でした。

 

これ、

とても良い体験ですので、

皆さんもぜひ行ってみて下さい。(笑)

 

#MexicoCentralTours

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