プエブラ&チョルーラで体感する「文明の交差点」

プエブラ&チョルーラ周辺の魅力
メキシコシティから車で約2時間。日帰りでも訪れやすいプエブラとチョルーラは、歴史と文化が色濃く残るエリアです。
プエブラは1531年、スペイン人によって計画的に築かれた植民都市で、バロック様式の建物が立ち並ぶ歴史地区はユネスコ世界遺産にも登録されています。教会建築やタラベラ焼、美食文化など、現代のプエブラの魅力はこの時代に根付きました。
背景には、スペインからの修道士たちによる布教の流れがあり、初期に建てられた教会のひとつが、プエブラ州のウェホツィンゴにあるサン・ミゲル・アルカンヘル教会です。これはアメリカ大陸でも最古級の教会で、世界遺産「初期の修道院と関連建築群」の一つでもあります。
一方のチョルーラは、古代メソアメリカ時代の大都市で、世界最大級の体積を誇る大ピラミッドが有名です。現在はその上に教会が建てられていますが、発掘された壁画や建造物からは当時の儀式や文化の一端が垣間見えます。
植民地時代と先住民文化、2つの歴史が重なるこの地域は、メキシコの奥深い魅力を体感できる貴重なスポットです。
プエブラ&チョルーラ周辺でできること
主要な教会をめぐる旅 ── 歴史の核心にふれる
「教会や宗教って、なんだか難しそう…」と感じる方も多いかもしれません。確かに知識がないと、どの教会も似たように見えてしまい、途中で飽きてしまうこともあります。
しかし、MCTのツアーでは、数ある教会の中から時代背景、宗派の違い、歴史的役割に基づいて厳選。ただ「同じような教会が続く」という印象にならないよう、構成に工夫を凝らしています。
つまり、MCTのツアーで訪れる教会は、どれも“超重要”な場所ばかりです。単に美しい建築物というだけではなく、それぞれが今日のメキシコ社会をかたちづくるうえで欠かせない歴史の舞台。現地ではその背景や意味をわかりやすく丁寧にご説明します。
教会を通して、メキシコという国の成り立ちや、人々の信仰、そして文化の深層にふれる。そんな特別な体験を、ぜひご一緒に。
プエブラ市でグルメを堪能
プエブラは美しい街並みと歴史に加え、**メキシコ料理の豊かさを象徴する“食の都”**としても知られています。
「メキシコ料理=タコスやブリトー」と思われがちですが、実際はその世界は非常に広く、深いのです。ちなみに「ブリトー」はアメリカ南部発祥の“テックス・メックス”料理で、厳密にはメキシコ料理ではありません。また、「タコス」も意外と新しい料理で、主食のトルティジャ(トルティーヤ)が登場するのは7世紀以降。包む食文化がそれ以前にあったかは今日現在不明です。
そして、メキシコ料理で注目すべきは「辛さ」ではなく、その背景にある豊かな食文化と歴史。トウモロコシやカボチャ、豆類、チリなど、私たちの食卓に欠かせない作物の多くは、メキシコのご先祖様によって何千年もかけて育てられてきたものです。なかでも、最古の栽培の痕跡が見つかっているのが、まさにプエブラ州。この地の料理は、食の原点に触れる体験でもあるのです。
だからこそ、「辛そう…」「自分には合わないかも」と敬遠せずに、一皿に込められた人類の知恵と時間に想いを寄せてみてください。きっと味の感じ方が変わってくるはずです。
とはいえ、観光地では「本当に美味しいメキシコ料理」に出会うのは意外と難しいもの。ガイドブック掲載店でも味やサービスにばらつきがあり、雰囲気だけの店も少なくありません。
MCTのツアーでは、ガイド岩﨑功が実際に食べ歩いて厳選したお店のみをご案内。味・衛生・サービスに一定以上の信頼を置けるレストランで、本場のメキシコ料理を安心して堪能していただけます。
せっかくのプエブラ滞在、本当に美味しい料理を、心から楽しんでいただきたい──その思いで、私たちはお店選びにも一切の妥協をしません。
認定タラベラ焼き工房を巡る
プエブラは、メキシコで最初にスペイン人の主要拠点として築かれた大都市の一つです。入植初期、スペイン本国から食器類を持ち込んでいましたが、遠く離れた地への輸送は非効率でした。そこで、スペイン・タラベラ地方の陶器技術がこの地に導入され、やがて**プエブラ独自の「タラベラ焼き」**が根付き、発展していきました。
街を歩けば、あちこちで“タラベラ焼き風”の陶器を目にしますが、実はすべてが正式な「タラベラ焼き」と呼べるわけではありません。
2019年には、スペインとメキシコの共同でユネスコ無形文化遺産に登録され、これを機に「タラベラ焼き」の名称を名乗るには、認定を受けた工房であることが条件となりました。
MCTのツアーでは、この認定を受けた本物の工房へご案内し、タラベラ焼きの歴史や技術、美しさを実際に見て、触れて、感じていただけます。
観光土産では出会えない「本物」に、ぜひ出会ってください。
チョルーラ遺跡──「見えないピラミッド」の真価に迫る
「チョルーラには、テオティワカンの“太陽のピラミッド”よりも大きなピラミッドがある」という話を信じて訪れると、正直少し拍子抜けしてしまうかもしれません。なぜなら、この巨大ピラミッドは、草木に覆われていて、その全貌を外から見ることができないからです。見えないことはないのですが、どうしても“小山”のように映ってしまいます。
ですが、がっかりするのはまだ早いのです。
視点を少し引き上げて、チョルーラを含むメキシコ中央高原一帯の遺跡マップを俯瞰してみると、この地の真価がじわじわと見えてきます。チョルーラは、古典期から後古典期にかけて二度にわたって繁栄した、メソアメリカを代表する都市の一つ。いまだ多くの謎が残されており、訪れる者に問いを投げかけてきます。
なぜこのピラミッドは、これほどまでに巨大だったのか?
どのような人達が、どんな目的でこれを築いたのか?
「チョルーラ」という地名は、一体どんな意味を持つのか?
こうした問いに思いを巡らせることこそが、メキシコの遺跡巡りの醍醐味です。大きさや外観だけでは測れない、謎と物語に満ちた遺跡の奥深さを、ぜひ体感してみてください。
そして、テオティワカンやトゥーラなど、他の遺跡群との関係を辿ることで、あなた自身の“仮説”が浮かび上がってくるかもしれません。
プエブラ観光の広げ方──他地域と組み合わせて深掘りする旅
メキシコシティから片道2時間ほどでいけるため、日帰り旅行も可能です。しかし、せっかくなので一泊し、その周辺の町や自然も体験されることをお勧めいたします。
プエブラで1泊し、トラスカラやカカストラ遺跡をあわせて巡る
内容▶プエブラ滞在に1泊プラスして、近郊のトラスカラ州やカカストラ遺跡も訪問。メキシコ中央高原の先住文化とスペイン支配初期の歴史を、より立体的に学ぶルートです。
所要日数▶2日