カカオの里と遺跡の組み合わせで、メキシコ度はマックスに。(3/3)


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育児期間中につき、

投稿が断続的になっております~。

落ち着きましたらほぼ毎日投稿に戻します。

 

カカオと遺跡を組み合わると味がでてきます。(笑)

 

👆煎ると黒くなります。薄い膜がついていて、右は膜つき、左が膜をとったもの

 

前回👇の続きです~

 

前回はカカオという呼称の由来と、

もともとはアマゾン一帯が原産だろう、

という話をしてました。

 

メキシコでカカオといえば・・・

アマゾン一帯にあったカカオの種類は、

メソアメリカで生息する種クリオジョ(Criollo)とは異なる、

フォラステロ(Forastero)種。

クリオジョ種よりも苦いのが特徴で、

現在世界のチョコ市場に出回っているのは、

大半がフォラステロ種。

 

クリオジョ種はその円やかな風味から「高品質カカオ」とされ、

その生産量はフォラステロ種と比べても微々たるもの。

メキシコ産カカオは、

クリオジョ種が大半を占めます。

 

メキシコ産カカオといえば・・・

オアハカ?

 

いいえ、

チアパス、そしてタバスコです。

 

生産量的にはタバスコば一番で年間3万トンぐらい、

次いでチアパスが1万トンぐらい、

そしてベラクルスがグンと下がって62トンぐらい、

そしてオアハカやゲレロで各20トンずつぐらい。

 

だからオアハカ👉チョコレート=カカオの生産が多い👉間違い(苦笑)

オアハカのチョコラテはまた別のストーリーです。

 

南米のアマゾン一帯のカカオ原産説が正しいとすれば、

もちろん当時は飛行機なんてなかったわけなので、

全てのカカオ君たちは、

中米を通り、

チアパス、

そしてタバスコに伝わったと考えるのが普通です。

 

メキシコのカカオの歴史、

これを紐解くには考古学の力が必須です。

なぜならば、

初期の頃は文字はもちろん、

壁画もなかったから。

遺物を調べるしかないんですね。

 

メキシコがカカオの故郷と言われるワケ

で、その遺物なんですが、

カカオとされる最古の遺物が発見されたのは👇ここ(のあたり)

農地ががひろがる

パソ・デ・ラ・アマダ(Paso de la amada)という遺跡なんですが、

今では農地が広がります。

ここでカカオが付着した陶器が発見されています。

炭素14年代測定によると、

なんと紀元前1900年~1500年ぐらいのもの判明。

 

同じチアパスに、

イサパ(Izapa)という遺跡があります。

そこを「カカオ発祥の地」と書いている記事がたまにありますが、

イサパはパソ・デ・ラ・アマダよりもずぅっと後の時代。

紀元前後の時代なので、

「カカオ発祥の地」は時代的に間違いです。

 

さらに、

パソ・デ・ラ・アマダよりも文化的に高度に発達した場所、

オルメカ文化のサン・ロレンソでは、

少なくても27ものカカオが付着した陶器が発見されています。

👇メソアメリカ最古の大都市、オルメカのサン・ロレンソ遺跡

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その時代は紀元前1800年~1000年ぐらいもの推定。

 

👆この物的証拠により、

メソアメリカ最初の文化では、

既にカカオが実社会に定着していたことが考えられます。

 

しかも見つかったカカオは種の原型をとどめておらず、

全てが擦られた状態で見つかっています。

このことからすでにこの時代には、

メタテなどの調理器具により、

「擦る」という工程があったことがわかります。

👇オルメカのメタテ(La Venta BC1200頃 )

👇メタテを使う僕。これが結構難しい(汗笑)

メキシコの観光ガイド岩﨑功がチョコレートを作っている

 

なんで、

「カカオはメキシコ生まれ」

と言われているのかというと、

今日のように、

カカオの実ではなく種を煎って使いはじめ、

しかもそれが人々の生活に文化レベルで実用的に定着し使われていたためです。

 

食料以外の役割

カカオは食料としての役割だけでなく、

人々の宗教的要素の一部としての役割を果たしていたのです。

 

メソアメリカには現在でいう4方角というのがあったんですが、

各方面に重要な木を配置しました。

その4つの木の中にカカオの木(Cacahoaquahuitl)を置いていたのです。

 

だからカカオの種は神聖なもので、

誰でも食べたり飲んだりすることができなかったのです。

今風に言えば結婚式とか、

戦の戦勝祝いとか、

あとは死者の世界ミクトゥラン(Mictlan)への持ち物として、

そして商取引において使われていました。

👇年貢として納める擦ったカカオの量

最後の商取引。

カカオは食べるだけではなく、

今でいう「お金」の役割を果たしていたのです。

メシカ時代には特にチアパスのソコヌスコ地方から、

カカオを年貢として納めさせていました。

 

コロンブスで知られるクリストバル・コロンの息子の記録によると、

父コロンブスが1502年頃に中米はホンジュラス沖に航海したときのこと。

カヌーに乗ったマヤ人と考えられる人々に出会います。

彼らは様々な物資をカヌーに積んでいたわけですが、

その中にカカオの種らしきものがあったと書いています。

船積みする際それがポロポロとこぼれ落ちたそうですが、

そのマヤ人と思われる人々は、

あたかも何か特別に重要なものを無くしたかの如く、

慌てた様子でこぼれ落ちたカカオを拾い集めたそうです。

現代の落ちた万札に群がる人のような様子か。(笑)

この様子からも、

いかにカカオが重要な存在だったのかが感じ取れます。

 

このような👆使われ方、とらえられ方は、

南米のアマゾンではされていなかったんです。

ハッキリしているのは、

当時アマゾン一帯では、

カカオの種ではなくて、

実の果肉を使っていたようです。

果肉でアルコール飲料を造っていたとか。

👇タバスコではカカオの果肉は有機肥料に

ただそれがメソアメリカのように文化的レベルにまで達し、

人々の世界観そのものに定着することはなかったようです。

 

カカオの里ツアーをするなら

よって、

「カカオはメキシコ出身」

と言われており、

現にメキシコのナワトル語由来の「Cacao」という名称が、

今日まで世界中で使われ続けているわけです。

 

僕はタバスコとチアパス両方に行ったんですが、

カカオツアーするなら、

どっちかと言うとタバスコの方が観光には向いてますね。

ちゃんと施設も整備されてますし。

 

あとタバスコの方が、

周辺の観光地ともつなげやすいというのがあります。

「カカオ観光」だけだと、

背景がイマイチ良く分からないんです。

カカオツアーに行くなら、

その周辺の要素も感じてもらった方が意味あるカカオツアーになります。

 

てなわけでして、

メソアメリカ最古の文化オルメカで既に実用レベルで使われていたカカオ、

そしてそのカカオは現代にまで生産されている地域タバスコで自分だけのチョコ作り体験、

そしてカカオと関係がある遺跡ツアー。

 

チョコを愛して止まない方々、(笑)

そしてメキシコに旅行する方々には、

ぜひですね、

メキシコから世界に広まったカカオの原点に足を運んでいただければと思います~。

 

「カカオツアーだけ」だとちょっと味が薄いという方、

カカオ、オルメカと行ったら、

その足でチアパスのラカンドンツアーやカラクムルツアーもおススメ。

 

カラクムルからカンクンまで、

ユカタン半島縦断北上ルートを取れば、

最初の旅行としてはもう思い残すことはないでしょう。(笑)

 

これぞメキシコの本質に迫る旅。

ぜひぜひご検討してみて下さい~

 

ではまた~

 

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