【アレブリヘ】って何か知ってて買っていますか?

動物の形をしたり、

見方によっては人だったり、

不思議な形をして色鮮やかな模様を施された置物を見た事はありませんか?

これ、一般的に“アレブリヘ”と呼ばれているメキシコの伝統民芸品で、

今やメキシコを代表するアートという位置づけになっています。

メキシコ国内はもちろんの事、欧米諸国やアジアに多くの国にも輸出されている【純然たるメキシコの民芸品】です。

 

なのに近年は、そのアレブリヘ人気に乗じて中国から粗悪品を輸入して、事情を知らないCheap(価格しか興味が無い)な外国人にCheap(価値が無い)なモノを売っているという噂もあります。

なぜ、このような粗悪コピー商品が簡単に出回るのか?

それはその製品の背景を知らずに、上辺のデザイン「カワイイ!」とか「キレイ!」といった外見的要素だけを取り上げているからです。

“アレブリヘ”についての情報って、

いろんな情報雑誌とか情報サイトに出ているのですが、

どれも「キレイ!」とか「カワイイ!」とかばかりで、

「何なのか?」という事に触れてるものって殆ど無いのです。

(だから商業的で内容の薄い雑誌とか情報サイトはあまり見ない方が良いと申しております)

 

そりゃぁ、動物の形をしてカラフルであれば「カワイイ」置物やお土産にしたくなるのは間違いないですよね。(汗笑)

 

そもそも、

“アレブリヘ”という単語はどういう意味?

どうしてそんなに人気で有名なの?

どうして変わった形をしているの?

あの色って普通の絵具のなの?

などなど。

 

「キレイ!カワイイ!」の裏にある民芸品としての根拠や背景を知った方が良いです。

そうでないと、ぶっちゃけ、

特に日本の職人さんの技術があれば、

マネどころがそれ以上の質のものができちゃいそうですし、

「何故メキシコのオアハカでないとダメなのか」、

が無いとメキシコ固有の民芸品としての価値が出て来ないのです。

 

まず明確にしておきたいのが、

元々の“アレブリヘ”自体はオアハカの民芸品ではないのです。

 

今アレだけ「オアハカと言えばアレブリヘ、アレブリヘと言えばオアハカ」、

と言われているのに。

僕も当初(10年以上前)は、サン・マルティン・ティルカヘテが発祥地だとばかり思っていました。

 

アレブリヘの“発明者”とされているのは、

ペドロ・リナレス・ロペス(Pedro Linares Lopez)さんという、

首都メキシコシティ出身の紙細工で生計を立てている人でした。

紙細工といってもPapel Machéといって、

(すみません日本語で何というかわかりません)、

新聞紙などの紙を水でふやかし、

ミキサーなどでドロドロにさせたものを、

水とコーンスターチなどでつくった接着剤を混ぜて練って、

柔らかいうちに形を作って乾燥させ、

その後に色付けするというものです。

 

1906年生まれの彼が30歳の時、

重い病気に掛かってしまい死の淵を彷徨っていました。

あまりに重症でいっこうに目を覚まさず、

家族は彼が死んでしまったと思ったほどだったようです。

そんなとき、彼はある夢を見ていました。

どこか分からない森で、得体の知れない“生き物”達を見たのです。

そしてその“生き物”達が「アレブリヘ、アレブリヘ、アレブリヘ」と叫んでいたのです。

そして彼は彼らに導かれる方向に向かって進み、

その森の出口にたどり着きました。

その出口を出ると彼はようやく深い眠りから目を覚まし、体調を回復しました。

彼はその森の“生き物”達に、この奇跡の出来事を家族、

友人、そして世界の人と共有して欲しいと言われました。

その“生き物”というのは動物と言っていいのか分かりかねます。

というのは、彼が見たのは羽が生えたロバや犬の頭を持ったライオン、

牛の角を持った鶏など、

見たこともない“生き物”ばかりだったのです。

それを形にするために、

彼が持っていた紙細工の技術を使い、

形にし、

夢の中の森で聞いた“アレブリヘ”という謎の言葉を名付けたのがアレブリヘの起源なのです。

 

アレブリヘという言葉の意味ですが、

これについて正確な事は“わからない”です。

二つの憶測があります。
1・3つの語彙から来ているという説

Alegria⇒生とか活力、Bruja⇒魔女、Embije⇒ペイント = 組み合わせて“ペイントされた魔女”、または、“活力でペイントされた”などと直訳されます。

2・Alebrarse⇒横になる、床に伏せる

どちらも良くわからないですね、、、(汗笑)

 

これが時を経てオアハカ地方に伝わります。

オアハカでは元々木彫りの工芸品を作る伝統がありました。

一説によると、サン・アントニオ・アラソラ(San Antonio Arrazola)村のマヌエル・ヒメネス・ラミレス(Manuel Jimenez Ramirez)さんが、

この元祖“アレブリヘ”に新たなコンセプトを融合させます。

ナワル(Nahual)といって、

このオアハカの地域には、人間と、人間の誕生日に該当する動物を組み合わせて魔除けを作る習慣がありました。

その動物というのはトナ(Tona)といって、

サポテコ暦に使われていた20種の動物から得られます。

よって、この伝統工芸品は、ペドロさんの紙製の元祖“アレブリヘ”とは区別する為に、

正確にはトナス・イ・ナワレス(Tonas y Nahuales)と呼ばれます。

(複数形なのでS=スが付きます)

一方でどこでどうアレブリヘ=オアハカの木彫り製品となったのか分かりませんが、

アレブリヘ(Alebrije)はもはやブランドとして世界のアート市場に深く浸透してしまっている為、真っ向から「違う!」とも言えません。

その為、この写真のように、

オアハカ製の木彫り製品の正式名称を“Tonas y Nahuales”と言いつつも、

“Alebrije”をブランドとして併記する場合が多いです。

正確にはトナス・イ・ナワレス(Tonas y Nahuales)です。元祖アレブリヘは、また違ったモノという事を覚えておきましょう。