アレブリヘスの本当の話・後編(2/2)

メキシコ在住15年目、

「メキシコの素顔を世界に!

をモットーに、メキシコ公認ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。

 

アレブリヘスの本当の話・後編(2/2)

 

気が付いたら時間が経っていました。

前回の続きです~。

前編はこちら☟

アレブリヘスの本当の話・前編メキシコ発【キオテ通信】

 

前回はアレブリヘスとは何ぞやってことと、

本来のアレブリヘスは別物ってことでしたね。

そこで出てきたものが、

トナスナワレスというもの。

 

時は遡る事、

時代はもちろんメソアメリカ時代(スペイン人が入ってくる前、1521年以前)。

 

サポテカ文化には、

子供が生まれると執り行うある習慣がありました。

 

何をするのかと言うと、

赤ちゃんがいる家の周りに石灰で円を描きます。

すると夜に野生の動物が寄って来て、

家の入口付近に足跡を残すのです。

その足跡でどの動物だったのかを識別します。

その動物を、その子供を守る神聖な動物として崇め、

その動物は「トナ」と呼ばれていたのです。

 

一方のナワレス

これは現代で言うならば、

シャーマンのような霊能力者のようなもの?

と言えるでしょう。

 

どこの世界でも、

当時の人達は人間と動物(自然)の二重性を重んじました。

 

エジプトでは人間とネコ、

北米の北西部ではトーテムポールに様々な動物を取り入れました。

メソアメリカ(今のメキシコ)では、

ヘビやジャガー、ワシがよく登場します。

 

人の力ではどうにもならない自然現象を、

自然の一部である動物と一体化し、

あっちの世界にいる神と繋がろうとしたのです。

 

有名なメシカ(アステカ)では、

神の為に生贄にされた「人」の皮を剥いで、

その皮を被り「死者と一体化」する習慣もありました。

☟人の皮を被ったされるヒペ・トテック(Xipe Totec)という神が有名です。

(INAH)

 

ナワレスは神聖な動物の特性を使い、

人を病から回復させることができる一種の“職業”だったようです。

彼らは自在に都合の良い動物に人間の姿から神聖な動物に変身できる能力が備わっていたようです。

 

だからこれも一種の“おまもり”のようなものですね。

自分を悪いものから救ってくれるもの。

 

それで、

なんで木彫りなのかっていうと、

元々いつの時代からか、

オアハカには木彫りの伝統があったようです。

 

定説によると、

時を経てメキシコシティのペドロさん由来の

アレブリヘスの逸話がオアハカにも伝わり、

アラソラのマヌエル・ヒメネス・ラミレスさんという木彫り職人が、

これらのオアハカ由来のコンセプトを纏めて木彫りにしたのが、

今日オアハカで有名になっている、

通称アレブリヘスの原点と言われています。

 

なんていうと、

「いやいや始めたのはオレだ、ワタシだ」云々と聞こえて来そうですが、(苦笑)

これが一説にあるようです。

 

だ・か・ら

オアハカなんです。

 

オアハカ・サポテカ文化の「トナ」の習慣、

メソアメリカの「ナワレス」の伝説、

さらにメキシコ現代アートの「アレブリヘス」の、

不思議な動物たちのコンセプトが混じって誕生した工芸品なのです。

 

だから「アレブリヘス」だとちょっと違い、

オアハカ製でないと意味を成さない工芸品なんですね~。

 

噂によると、

近年は?中国製の模造品が入っていて、

事情を知らないガイジンが買ってしまうとか。(苦笑)

☝ウン万円!?する商品

 

模造品は、

形は“似て”いても、

その内部に「意味」がなく

本質的に全く価値がないものです。

 

だ・か・ら、

あらゆるメディアで取り上げられる

「外見」だけの“魅力”を謳うものには、

注意が必要ですよ~という話です。

 

注目されるとことには、

人間の思惑が介在しています。

本当に「意味あるもの」を得ることが、

旅行の本質だと思うんです、ぼくは。

 

ちなみに僕も日本でメキシコの人達にお土産を買う時に最初に確認するのが、

Made in Japanかどうかです。(笑)

 

品質がどうとかもそうですが、

ここでは、

日本から日本のお土産を持って行くのに、

それが中国製だったら、

貰った瞬間なんか腰が抜けそうになるじゃないですか。(苦笑)

 

「メキシコのテキーラです!」

と言われて瓶をみたら日本製だったら嫌じゃないですか。

(☝あり得ませんが)

 

通称アレブリヘ、

トナス&ナワレスは、

地理的表示(GI)で、

その知的財産権が保護されています。

昨年2020年の10月にその保護対象に認定されました。

 

オアハカの織物やそのデザインを模倣する欧州のデザイナーの“作品”が、

華やかなランウェイを闊歩する時代です。(呆)

 

繰り返しになりますが、

オアハカで、オアハカの人々によって作られて初めて価値が出る工芸品なのです。

 

そういうことで御座います、はい。

 

情報に惑わされずに、

本質を見極めて商品をご購入頂ければと思います~。(笑)

 

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