メキシコの伝統音楽ハロチョの話(3/3)
メキシコ在住16年目、
「メキシコの素顔を世界に!」をモットーに、
複雑で広大なメキシコを【お得】で【楽】で【濃厚】な完全プライベート日本語ツアーで、
いつかまた戻ってきたくなるメキシコ旅行を提供しています、
公認日本語ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。
今日も呑気にメキシコから書いています~
メキシコの伝統音楽ハロチョの話(3/3)
前回の続きです~
ハロチョ・1/3ハロチョ・2/3
音楽ですとギターなどのヨーロッパの要素が見られます。
ハロチョの原型は17世紀後に見られましたが、
その当時のものが現在にまで形を変えずに受け継がれているわけではない、
というのは既述の通りです。
今もそうですが、
時代の流れというものがあります。
実はハロチョ自体が消滅しかけた時期がありました。
というのも、
その時代というのはメキシコ映画界の黄金期。
Oro del cine mexicanoと呼ばれる1930年代から60年代を指す時期です。
メキシコ歌謡界の大御所の一人、
ペドロ・インファンテさんが、
ハロチョとマリアチのランチェロを混ぜたような曲を発表したこともありました。
ハロチョというのは通常30分ぐらい演奏しっぱなしで、
ダンスを興じるものなのですが、
音楽の商業化の流れで音楽の主流は3分程度になります。
ようするに、
ハロチョが何なのかよく分からない方向に行きはじめていたんです。
追い打ちをかけるように、
ベラクルスのソタベント地方から、
経済的な理由でアメリカに出稼ぎに行く人が増え、
ハロチョを知る演奏者そのものがその地域から消えてしまったのです。
それが原因で、
60年代から70年代初頭にかけて、
消滅の危機だったんですね。
そんな折に、
ハロチョを復活させようという動きが少しずつ出て来て、
いくつものグループが出てきます。
さらに、
「プロモーション」の一環で
クリスマスの最後の行事(といっても2月2日)である
カンデラリア祭と一緒に、
Fandango(ベラクルスのこの地方の伝統的なお祭り)をやるようになったんです。
これが有名なトラコタルパン(Tlacotalpan)の2月2日のカンデラリア祭。
最初にカンデラリア祭でファンダンゴが行われたのが1978年。
最初はお祭りはお祭りでも、
「ハロチョ コンクール」のようなものだったそうです。
それが今日では、
皆で踊る型のものに変わっていったのでした。
今ではこんな感じです☟
踊るのにはルールがあります。
1.他人が踊っている時は割り込まない
2.女性専用の曲の時は男性は入らない
(笑)
特定のグループが演奏するというよりも、
個人が寄り集まって演奏します。
そうすると50人ぐらいが一斉に演奏する状態になるんですね。
しかも30分ぐらいは演奏しっぱなしです。(笑)
ファンダンゴ自体は、
トラコタルパンだけではなく、
近隣の村でも行われます。
ただ、
トラコタルパンのものが一番規模が大きく有名。
そんなプロモーションの効果もあり、
また何よりも、
特に出稼ぎで地元を離れた人々が、
メキシコ人としての、
そしてベラクルス出身者としてのアイデンティを再認識すべく、
ハロチョに回帰し始めた、
という点も大きいですね。
音楽の“外観”は、
17世紀のものとは違いますが、
その根幹にあるものは、
形を変えながらも、
現在もベラクルスの人々によってしっかり受け継がれているのです。
2月2日、
年明けで飛行機の運賃も安い時期だと思いますので!?(笑)
ぜひぜひ足を運んでみて下さい~。
ちなみに、
ココにいらっしゃるついでに、
アメリカ大陸で最初にヨーロッパ化が始まった地域や、
オルメカ文化圏も合わせてご案内させて頂きます。
これらの地域というのは、
メキシコシティやカンクンなどの有名観光地からは数百キロ離れているため、
お休みがなかなか取れない日本の方々は行きにくいエリアだと思います。
でも、
こういう地方にこそ、
メキシコを象徴する場所というのはたくさんあるんですね~。
初回はメキシコシティとカンクン、
でも2回目はこういう中・上級者むけ!?(笑)のルートも、
ドンドンおススメさせて頂きます~(笑)
他に行きたい国はあると思いますが?(苦笑)
せっかく何かの御縁でメキシコを知って頂けたわけですから、
もう少し深くメキシコを知って頂きたい!
というのが私ガイドの誠に勝手な本音で御座います。
いや、
でも本気で。(笑)
3回は無理という方は、
ぜひ2回ぐらいはいらして下さいネ。(笑)
というわけで、
ベラクルス州はトラコタルパン、
ハロチョというメキシコの伝統音楽の話でした~
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