普通メキシコでしか飲めないプルケの話。
メキシコ在住16年目、
「メキシコの素顔を世界に!」をモットーに、
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いつかまた戻ってきたくなるメキシコ旅行を提供しています、
公認日本語ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。
普通メキシコでしか飲めないプルケの話。
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ナワトル語でプルケ(Pulque)。
プルケはナワトル語ではなくて、
カリブ海の大アンティル諸島のアラワク族の言語Pulcreからメキシコに持ち込まれました。
プルケは、
メキシコを代表するアルコール飲料の一つ。
メキシコのお酒と言えば、
コロナビール、
強いお酒として有名なテキーラはご存知の方も多いと思います。
あと最近知名度も上がって来ている蒸留酒メスカル。
あと一つ忘れちゃいけないお酒がこのプルケです。
これは聞いた事が無い方も多いと思います。
なぜならばボトルなどの工業商品として売られていないから。
それ故輸出もされていません。(はず)
いえ、
なんか缶入りプルケが日本の酒蔵さんから出ているという投稿をみました。(苦笑)
飲んだことがないので、
そのお味はわかりませんが、、、
醸造酒ですので、
アルコール度数はビールと同じぐらいで、
見た目は白濁していて、
おいしいプルケというのは爽快な味わいで癖がなく、
強いて言うならば、
ほんのりヤクルト?に近い味がします。(笑)
あまり美味しくない、
良くないプルケというのは、
臭みがあり、
コレを飲んでキライになる人もいるようです。(苦笑)
店によってはフルーツフレーバーがついていたりしていますが、
ナチュラルのものは白色です。
あと、
あまり飲み過ぎるとお腹が緩くなるのでご注意を。(苦笑)
この現象は現にスペイン人が書いた歴史書にも描かれていて、
プルケが悪いわけではありません。(笑)
そういうものなんです。
☝☝☝下痢してます
さてさて、
どうしてこのプルケがメキシコを代表する飲み物かというと、
マゲイ(=アガベ=リュウゼツラン)から出来る飲み物だから。
全部で200種類あると言われているマゲイの半分以上はメキシコ固有の種です。
マゲイ=メキシコ。
☝☝☝プルケ用のマゲイ
桜と言えば日本というのと同じですね。
お酒が好きな方でしたらご存知かと思いますが、
テキーラもマゲイの一種からできているんです。(笑)
テキーラはアルコール度数が38度ぐらいが一般的なのですが、
同じマゲイの一種から出来るプルケは数パーセント。
なぜかと言うと、
テキーラは蒸留していて、
プルケは蒸留していないからです。
蒸留というのは、
アルコールと水の沸点の差を利用して、
アルコール濃度の液体を抽出することですね。
水の沸点が100度で、
アルコールは78.3度で気化します。
その蒸気を集めて冷やして得た液体が、
テキーラだったり、
焼酎だったり、
ウイスキー、ウォッカ、ジン、ラムになるんです。
プルケはと言いますと、
日本酒とかビール、ワインなどの醸造酒と同じ類。
だから同じマゲイから出来ても度数が低い。
じゃあプルケを蒸留すればテキーラになる?
答えは「いいえ」です。
プルケを蒸留すると、
プルカッタという蒸留酒になり、
アルコール度数はテキーラと同じぐらいになります。
このお酒はあまり一般的ではなく、
僕はプエブラ州の一部の地域でしか見たことがないです。
たまにプルケについて間違った説明をしているサイトなどがあります。
マゲイ(リュウゼツラン」の搾りかすを発酵させて、、、
と書いてあるものがありますが違うんです。
プルケの場合は、
中心部に溜まる樹液アグァミエルという液体を発酵させるので、
テキーラやメスカルのように、
ピニャを熱して発酵させるというプロセスはないんですね~
え、ややこしい?!?(苦笑)
現地にお連れします~
そんなマゲイから出来るお酒、プルケ。
ず~っと前(メソアメリカ時代)から飲まれていたことが、
メソアメリカの都市跡の壁画や、
スペイン人が書いた歴史書などから分かっています。
“酒盛り”の描写で最も古いものの一つはチョルーラにある、
200年頃にできた建物の前面にあります。
その名もLos bebedores(呑兵衛たち)
ここには110人ほどが描かれ、
中には4人の女性、犬や猿も見られます。
チョルーラをはじめ、
テオティワカンでもプルケを用いて行われていると思われる
儀式の様子を描いた壁画が見つかっています。
☝☝☝テオティワカンのLa Ventillaの壁画
プルケは現在のメキシコシティ周辺(Altiplano Central)で特に有名ですが、
南東のマヤ文化圏でも存在していました。
Chihと呼ばれ、
水、血、そして嘔吐を象徴し、
多産やお清め、人身生贄などの儀式に使われていました。
彼らにとってはただ酔っ払う為の液体ではなく、
あくまで儀式用の神聖な液体だったのですね。
その為、
口から体内に取り込むだけでなく、
浣腸器具を使って肛門からプルケを体内に取り入れていると思われる壁画も存在するんです。
メソアメリカ時代の人達はよく儀式をしていました。
例えば、
ガイドブックで“球戯”とか“ボールゲーム”などと紹介されているものですが、
これは“戯”や“ゲーム”ではないのです。
儀式(セレモニー)です。
“ボラドーレス”もアクロバットショーではなく、
儀式です。
自傷行為も人身生贄も、
儀式です。
その目的は、
神様とのコミュニケーション。
トゥラ(Tula)の首長であった“ケッツァルコアトル”の有名な伝説では、
3人の“的”に騙されてプルケを4杯飲んでしまい、
酔っ払って自身の姉と関係を持ってしまいます。
翌日も最も大切な神様とのコミュニケーションである自傷行為を怠るなど、
市民にもそれが伝わりトゥラの崩壊に繋がります。
各種の“儀式”は、
人々の生活に不可欠なものであり、
また日々の生活の一部でもあり、
それを抜きにすることなど考えられなかったのです。
ちょっと長くなり過ぎましたので、(苦笑)
お酒の作り方についてはまた書きますね。
メキシコに来て頂ければ、
醸造所、蒸留所にもお連れすることができます~
是非行ってみてください!
☝サル―!(笑)
【キオテQ&A】
栃木県・南原さん
Q.コロナ禍ですが、メキシコに行けるのでしょうか?
A.結論だけ申しますと「可能」です。
私もコロナ禍で日本ーメキシコを往復しました。
来週お客様がいらっしゃいますが、
私からは「条件付き」でご案内させて頂いております。
他のツアーの利用や個人で移動する場合には、
私のツアーが終わった後にして頂いています。
または、全日お任せ頂ければ、
空港-ホテル間の送迎無料や、
コロナの陰性証明書サポートのディスカウントなど、
特典を提示させて頂いております。
これらは可能な限り人との接触を避ける意図で提示させて頂いている特別措置です。
このように、
やり方次第ではこのような状況でも、
ご旅行頂く事は可能です。
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