日本のテレビにもよく登場するタラウマラ族ってどんな人達?(後編)


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2023年の海外旅行は「未知の国メキシコ」への旅行はいかがでしょう。

 

メキシコ在住17年目のメキシコガイド兼ドライバーが、

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育児期間中につき、

投稿が断続的になっております~。

落ち着きましたらほぼ毎日投稿に戻します。

 

タラウマラ族と言ってもいろいろある。

👆タラウマラはタラウマラでも北部とは違うタラウマラ族の町バトピラス

人や文化を一般化するのはやめた方がいい

前回の続きです~👇

「タラウマラ」ってどういう人たち?(前編)

 

そんなことをいちいち気にしていたら、

お客さん「混乱しちゃう!」

「面倒くさい!」

とご心配される人もいらっしゃると思いますが、

そこはガイドですので、(苦笑)

「先住民」「原住民」という言葉をやむを得ず使いつつも、

補足説明を入れたりとか、

いろいろ対策は立てております。

 

ここでは、

「メキシコの先住民」、

「メキシコの原住民」というのは、

「一つじゃない」ってことを強調したいんです~。

 

「タラウマラ族」に限らず、

有名過ぎる「マヤ族」だって一つじゃないってことだけ頭の片隅に入れて、

チワワ鉄道(チェペ鉄道)然り、

マヤ圏の遺跡巡り然り、

お楽しみに頂ければ、

きっとメキシコの見え方が違ってくるでしょう。

 

あ、そそうそう、

「マヤ」だっと同じこと。

「マヤ人」にだってそれはもう、

いろんな部族があります。

ユカテカ、

ツェルタル、

ツォツィル、

チョル、

ラカンドン、

チョル、

チョンタル、

トホルバル、

と言う具合に。

 

そんな事いったら、

「メキシコ人」だって同じことで、

何をもって「メキシコ人」とするのか、

ちょっと考えちゃいます。

 

そんな理由で、

僕は「メキシコ人」という言い方をなるべくしないようにしています。

細かいかもしれませんが、

メキシコという国にいる人という意味で、

「メキシコの人」って言ってます。

 

一部のマヤ族の人達の間では、

「メキシコ人じゃない」宣言し、

「彼ら独自の領土」を主張しているエリアがチアパス州にあります。

 

大事なことではありますが、

どうかあまり難しく考えずにですね、

もともといろいろあったのが、

外来種のスペイン人によって無理矢理一括りにされてしまった、

という事実だけは覚えておいて頂ければと思います~。

 

融合か対立か

あんまり言語の話をしてもややこしくなるだけですので、

この辺にしときます。(苦笑)

 

でも言語って面白い上に、

メキシコの歴史を知る上では欠かせない要素ですので、

ご興味ある方は、

ツアーの時にでもご遠慮なくお聞きくださいませ~。(笑)

 

で、話を元に戻すと、(苦笑)

そんな“タラウマラ族”は、

イエズス会のスペイン人の入植後に反撃の狼煙をあげ、

20程あったイエズス会の教会を燃やし破壊し、

17世紀は血みどろの時代となるのでした。

 

そりゃそうですよね。

いきなりドカドカと他人の家に土足で上がり込んで来たんですから。(呆)

 

そんな荒れた時代では避難する人達が続出。

多くはシエラマドレ山脈の西の方へ逃れました。

また、一部は「融合」の道を選びました。

 

いまでこそメキシコ料理といえば「トルティーヤ」ですが、

この地域には元々なく、

イエズス会のスペイン人によって持ち込まれた、

タラウマラ族にとっては比較的新しい食品です。

 

そんなイエズス会の修道士達は、

カルロス(チャールズ)3世の命令によって、

1767年にいっせい退去を命じられています。

その後フランシスコ会が入りますが、

イエズス会ほどの影響力はありませんでした。

 

タラウマラ族の二つの種類

さっき「融合」と書きましたが、

これってメキシコを理解する上でとっても大事なようです。

 

ヨーロッパ文化が入り込んで来たからといって、

100%そっくりそのままヨーロッパ化したかといえばそうではなく、

アメリカ大陸古来の要素と「融合」したわけです。

ある部分は消え、

ある部分は取り入れられ、

住民の生活に定着していきました。

 

この通称タラウマラ族にとって激動の時代に、

新たな概念が生まれます。

 

一つはgentil(ヘンティル)またはcimarron(シマロン)、

もう一つはpagotame(パゴタメ)。

 

一つ目は、

キリスト教徒への回心を拒絶し、

イエズス会の布教から遠ざかったタラウマラ族。

 

二つ目は、

「洗う」=「洗礼」と言う意味。

つまり彼ら固有の宗教からキリスト教に回心したタラウマラ族。

無論、彼らの拠点は「教会」の近くになります。

 

このgentilやpagotameという一種の「区別」は今日も使われているものですが、

優劣をつけるためのものではありません。

パゴタメは洗礼を受けているから立場が上だとか、

ヘンティルはより純粋だとか、

そういう対立を生むような区別はないようです。

 

外観もいいけれど、背景にも目を向けよう

有名なアステカで知られるメシカやマヤ、

テオティワカン遺跡などの巨大都市や、

強大な勢力を誇った大文化とは異なり、

タラウマラ族は大都市や巨大宗教的建造物を持ちません。

だからと言って「劣った民族」という話にはならず、

その重要性も無視できるものではありません。

 

現地では、

カラフルな民族衣装に身を包んだ女性たちに目が生きがちですが、

見た目もさることながら、

そんな彼らの歴史や背景にも関心を寄せてみると良いでしょう。

 

また、

「貧困」というテーマも出てきますが、

それと彼らの文化の背景を別物として捉えることも大事です。

 

しかし、

ディヴィサデロの駅に降り立つと、

お菓子を売り歩く子供たちに囲まれますが、

なんか、すごいギャップだよねって感じます。

ディヴィサデロ駅からほど近い場所には、

2つしかない、

コッパーキャニオンを一望できるホテルがありますが、

その脇ではタラウマラの人々が地べたに座った民芸品を作っています。

 

「先住民」とか「原住民」と呼ばれる人たちと「貧困」を自動的に結び付けるのは間違いだと思いますが、

でもなぜか、

そういう境遇にいる人が多いのは「先住民」とか「原住民」なんですよね・・・

 

だから僕は思うんです。

もし、

観光鉄で観光をしたら、

乗って終わりじゃなくて、

周りのタラウマラ文化にも触れてみることが大事だと思うんです。

 

どういう境遇で生活しているのか、

ちゃんと文字は読めるのかなとか、

ちゃんと栄養取れているのかなとか、

会話はできなくても、

それらを感じ取れることはできるでしょう。

それが僕が大事だと考える、

「観光」の形です。

タラウマラ文化だけでなくですね。

 

はい、てなわけでして、

ザックリとではありますが、

「日本のテレビにもよく登場するタラウマラ族」

についてちょこっと書いてみました。

 

ではまた~

 

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