遺跡と自然を両方満喫した谷の旅:谷底で感じた事・考えた事(3/3)
メキシコ在住16年目、
「メキシコの素顔を世界に!」をモットーに、
複雑で広大なメキシコを【お得】で【楽】で【濃厚】な完全プライベート日本語ツアーで、
いつかまた戻ってきたくなるメキシコ旅行を提供しています、
公認日本語ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。
今日も呑気にメキシコから書いています~
遺跡と自然を両方満喫した谷の旅:谷底で感じた事・考えた事(3/3)
岩絵・1
岩絵・2
岩絵・3
岩絵・4
まだ続きです~(笑)
今日はちょいと長いです。
転ばぬ先の杖を突いて突いて突きまくってもコケる間抜けな僕なんかとは違い、(苦笑)
足場を用心深く確認するわけでもなく、
テクテクと淡々にあるくラバ君たち。
これには素直に脱帽です。
そして思ったのでした。
なんでヒトって彼らのように、
もうちょっと単純に生きられないのですかね。(謎)
見つかるわけない
「生きる意味」
なんか考えちゃったりして。(苦笑)
分るわけないのに分らないと心が病んでしまう。
え、
僕の生きる意味?
結局、
最後は素直に自分が楽しければいいんじゃないですか。(苦笑)
その「楽しさ」が何なのかを考える必要があるのが大前提ですが。
他人や自然に害を与えまくる「楽しさ」は「楽しさ」じゃないってことです。
楽しく家族と過ごし、
楽しく自分の時間を過ごし、
楽しく仕事してお金を頂き、
の繰り返しで僕は十分幸せです。(笑)
「人の為に!社会に貢献したい!」
とかいう人いますけど、
本当にそれに対して楽しさを感じていればいいですが、
偽善的に生きたって、
いつかは化けの皮が剥がれ、
最期は惨めにこの世とお別れすることになるのでしょう・・・
どうせ自分一人この世から消えたって、
数人の人が悲しんでくれるだけで、
世の中には何の影響もありませんから。(苦笑)
なんてことを、
ラバ君の背中で揺られながら考えていたのでした。
当然壮観な景色も見ながら。(笑)
そんな僕にとっては悪路すぎる悪路を行き、
残り30分は自力で谷の中腹に上がるとそこに洞窟が。
見上げると、
「どうやってこんな所に描いたんだ!?」
と思うような場所に、
無数の岩絵が姿を現します。
さらに驚く事は、
全く同じ高さの対岸に、
別の洞窟があり、
やはりそこにも岩絵が。
辺りの岩にできた丸い空洞など、
水の流れがあった証拠もたくさん見られます。
きっと当時(1万年前)はこれらの洞窟がある高さというのが川の水位だったんでしょうね。
僕の単純な考察です。(笑)
少なくても1万年以上前、
この谷のこの洞窟で人が生活していました。
「まさにこの位置で、
キャンバスである岩の表面からこれぐらい位置から目視し、
このあたりを手を動かしながらこれを描いていたんだなぁ~」
とその当時の光景をあれこれ想像するのが好きなんです。
「この洞窟の大きさからして、
居住者は50人ぐらいか?」
なんて勝手に想像したり。(笑)
更には、
その洞窟から数百メートル先にはこんなものが。
岩に彫られた模様?です。
スペイン語ではペトゥログリフォ(Petroglifo)っていうんですが、
メキシコ北西部で多く見つかっています。
岩絵とはまた違ったデザインに見えます。
これについてはデータがありません。
はたしていつのものなんでしょうね~。
岩絵よりも古いものか。
何を意味しているのか。
残念ながら、
この地域に関する考古学のデータがまだ乏しい事もあり、
詳しく知るには限界があるのが現実です。
でも、
この大渓谷に存在した人々の暮らしを想像してみるだけでも、
とっても価値があることです。
少なくても僕はそう思います。
岩絵に行って岩絵の写真を撮るだけじゃ、
その価値がハッキリ見えてきません。
第一、
なんだかよく分かりませんから~(苦笑)
岩絵の周辺にあるもの、
地理的な要素だったり、
人々の生活の痕跡だったり、
そういう周囲の要素が合わさって初めて「岩絵」の価値が見えてくるのです。
これって皆さんもご存知の有名な遺跡だって同じことです。
ピラミッドに登って写真を撮っただけじゃ、
その「価値」が見えないんですね~。
「ピラミッド」の周辺にある背景や、
当時の人々の生活、
他の都市との関係性、
地理的条件などを知って初めて、
「ピラミッド」が分ってきて、
それに「価値」が生まれるわけです。
「ピラミッド」が分ってくると、
メキシコの、
メソアメリカへの興味もグンッと上がり、
メキシコの虜になることは間違いない!?でしょ~(笑)
あ・わ・せ・て、
自然・環境問題にも目を向けてみたいですね。
この地域では、
もう1年半以上も降雨がないんです。
今回、
バハカリフォルニア半島を文字通り“縦横無尽”に4000キロを陸で移動したんですが、
どこの川にも水がないのです。
全ての川が乾ききっています。
高級リゾート地ロスカボスではこんな表記がありました。
「水の供給が不安定です」
と。
そのくせ、
ガイジン観光客が集まる高級ホテルなんかのプールには水がこれでもかってほど、たんまりあるんです。
??何かおかしくね??
水がなくなったら、
地元の人の生活用水を止めて、
観光客のプールの水を貯めるんかい?
この谷の人々は、
食料品店には数時間かけて行かないといけません。
水が無くなったら、
数日?待たないといけません。
そんな「不公平」な明と暗も見てしまったバハカリフォルニア半島の現実。
自分の生活に影響が出てから気付くのでは遅いです。
自然の資源には「限り」があります。
自分が普段使う水や食料はもちろん、
携帯などの電子機器に使われるタンタルやコルタンなどのレアアース。
紛争鉱物という概念がありますが、
それらの鉱物を巡る争いや、
自然環境への悪影響、
子供の労働などの社会問題を引き起こす原因にもなっています。
「安けりゃいい」
なんてチンケな考えはもうやめてですね、(苦笑)
自分が毎年のように買い替える携帯電話などの電子機器、
オシャレなカフェのコーヒー然り、
パッケージだけキレイなチョコ然り、
温室効果ガスを大量排出していった旅行先の内容が無い格安観光然り、
そういうものを消費する前に自分の購買行動を見直したいですね。
時間は掛かると思いますが、
それが現地の「不公平」を少しでも減らす最初のアクションなんです。
自分がそんな状況に生まれ、
そんな状況で生活していたらどう感じるでしょう。
そう考えれば、
小さくてもできる事はたくさんありますネ。
そんな事をバハカリフォルニア半島の水不足と谷で生活する人々の現実から考えさせられたのでした。
皆さんはどうお考えでしょう?
長い岩絵シリーズ、
お疲れ様でした~(笑)
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