メキシコの塩田で働いてみません?(笑)テワカン-クィカトゥラン自然保護区のサボテン渓谷で昔のメキシコを体験~
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メキシコ在住16年目、
「メキシコの素顔を世界に!」をモットーに、
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いつかまた戻ってきたくなるメキシコ旅行を提供している、
メキシコ観光省認定日本語ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。
メキシコの数々の遺跡からグルメ、地方の見所、そしてメキシコの雄大な山まで、
尽きる事のないメキシコの魅力をお得にご案内しています。
今日も呑気にメキシコから書いています~(笑)
テワカン-クィカトゥラン自然保護区のサボテン渓谷で昔のメキシコを体験~
今更なぜ塩?
気が付けば、
もう10月ですね~。
今年も残すところあと3カ月。早い早い。
今日は塩の話。
今更何故?って。(笑)
メキシコって塩の産地としても有名です。
「伯方の塩」の生産国、見てください。
「メキシコ」ってなっています。
とは言ってもメキシコ国内には、
塩田と呼ばれる場所が100ヶ所以上はあるんですが、
その内8割が海岸線沿いにあります。
ちなみに日本にも輸出されている塩はですね、
ココ☟バハカリフォルニア半島のゲレロ・ネグロという小さな街でつくられているんです。
日本の食塩自給率は15%、
その他を外国の塩に頼っています。
その主要な貿易相手国がメキシコというわけです。
ゲレロ・ネグロと言えば巨大な砂丘でも有名なんですが、
5月に行ったら塩の会社の私有地になっていて入る事ができませんでした。(沈)
残りの2割はどこにあるのかというと・・・
海岸線でないなら内陸部にあります。(驚!)
塩と言えば海を連想される方も多いと思いますが、
メキシコでは内陸部の製塩って結構盛んなんですね~。
内陸部の塩田
それで、
メキシコシティから数時間の所もあるんです、塩田が。
実は昔(アステカの時代まで)は、
今日メキシコシティがある一帯って湖だったんです。
そのこに浮かぶ島が当時のアステカで知られるメシカ帝国の首都がおかれ、
それがスペイン人に次がれ、
独立後はメキシコの首都して使われ続けているんですね。
☟ここが後にメキシコシティ中心部になります。
だから今は湖は無いですが、
500年以上昔にはちゃんと水があったのです。
その一部が南のソチミルコや、
北部のスンパンゴ湖として残っているというわけ。
その当時の湖と言うのは、
塩水と淡水が混じる湖でした。
淡水というのは、
南部のソチミルコ一帯と、
テノチティトランと呼ばれている、
現メキシコシティ中心部一帯から湧き出ていたのです。
だから「チナンパ」という農業が盛んだったんですねぇ。
一方でその他の場所では塩水が出ていました。
中部でも東側や北部では塩水。
☟ソチミルコのチナンパ
なんで塩水が出るのかというと・・・
地下に岩塩層があるから。
太古の昔はこの一帯は海底だったと考えられています。
現在メキシコシティ近辺では製塩所というのは見かけませんが、
一歩外に出ますと、
少なくても500年以上前とほぼ同じ方法で製塩を続けている場所があります。
その一つがサポティトラン・サリーナス。
☟ココ
☟数多くある塩田の一部
サポティトランの塩
以前にもご紹介はしていると思いますが、
オアハカに行かれるお客さんには、
ほぼ必ずお連れしている場所です。
この一帯にいくつもの塩田があるんですが、
それぞれに所有者がいます。
サポティトランの製塩の歴史は紀元前600年頃に遡ると言われています。
この一帯って、
シエラマドレ・オリエンテという山脈に、
メキシコ湾側から流れる空気がぶつかって雨を降らせ、
その後乾いた空気がこのサポティトラン一帯に流れ込んでくるため、
降雨量が少ないんです。
でもちょっと東に行くとですね、
緑豊かになり植生がガラリと変わるんです。
☟こんな風に
近くのテワカンとい街はその境に位置し、
テワカンの東西で降雨量が代わり、
その南北で気温の差が大きいと言われています。
そんなサポティトランの気候の特性もあり、
当時の人達は飲料用の真水を探していたそうなんです。
その為に地面を掘ったところ、
真水ではなくて塩水が湧き出たとのこと。
真水は真水で少し北の方に行くと出るようです。
☟現在も使われている井戸です。ミネラル分で緑色に見えます。
昔の塩づくり
製塩技術もやはり進化してきたようで、
現在のようになるまでそれはそれは、
長い年月がかかったと考えられます。
その証拠に塩田付近ではこんな大きな壺のようなものが見られます。
残念ながら原型は留めていないのですが、
昔はこれで水分を蒸発させていたのではないかと考えられているんです。
あとは昔は「型」を用いてですね、
レンガのように長方体にして固めたとか。
これをPan de Sal、
直訳すると「塩のパン」と呼ばれていたとか。
☟中央やや右下にある半円の遺物で水分を蒸発させていたと考えれます。
左は昔使われていた塩田。
ご想像の通り、
この一帯って半乾燥地帯なので、
あまり作物が育たないんですね。
当時のこの地域の人達は、
この塩をですね、
作物を得る手段として使っていたのです。
製塩のピークは1200年以降、
アステカで知られるメシカ帝国が繁栄を始める前の時代から、
盛んだったと考えられているんです。
塩づくりの危機
近くにこんな☟遺跡があるんです。
たぶん、日本のどなたも知らないような遺跡なんですが、
この遺跡(昔の都市跡)とこのエリアの製塩所のつながりは、
早くてもAD900年頃からあったと考えられているんですね。
そんな、
今やどこにでもある「塩」なんですが、
メキシコの、
そしてこのプエブラ州サポティトラン一帯の歴史を知る上で、
重要な食品であり、
それが今日にも引き継がれているわけです。
でもです、
この伝統も途切れる危険性が示唆されています。
後継者がいない・・・
塩だけ売って生活するのが極めて難しいので、
若い人たちはみんな出てしまうんですね。
近年ではメキシコの有名シェフたちが目をつけて、
彼らの高級レストランでこのサポティトランの塩が使われています。
塩づくり体験のおススメ~
そんなメキシコの伝統ある塩田で、
ちょっとだけ働いて汗を流してみませんか?(笑)
時間は30分でも1時間でもお好きなだけどうぞ~(笑)
ちなみにせっかくだから、
ユネスコの世界自然遺産であるテワカン-クィカトゥラン自然保護区の、
壮大な景色を見たいという方。
ヒミツの展望台にお連れしますよ~(笑)
そからはサボテン渓谷一帯が360度望めます~。
ぜひぜひ、
ご体験下さい~(笑)
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