メキシコツアー
アステカカレンダー
アステカカレンダーではなく太陽の石

マヤ占いって当たるの?信じてもいいの?

実はこれ、メキシコでガイドをやっているとよく聞かれる質問です。

結論から言うと――
「関係はあるけど、今の占いとはちょっと違う」です。

今回は、現地で学んだ内容をベースに、マヤ暦と占いの“本当の関係”をわかりやすくお話ししまーす。

マヤ暦と占いは関係ある?

そんなわけで、僕はマヤ暦に頼りたいお気持ちはよ~くわかります。

僕だってちゃんと有料の占いをやったこともあります。(懐)

ちゃんと“当たっている”ことだってありました。Σ(・□・;)

“なるほど~、そういえば!?”と身に覚えがあるようなことだって感じます。

ただですね、現地のマヤのことをちょっとだけ知ったメキシコ認定観光ガイドという立場から、メソアメリカの暦に限定して言うと、

暦と運勢の関連性は「ある」、でも、現代版マヤ占いとは使われ方というか、目的がちょいと違ったようです。

“マヤ占い”の前提がちょっとズレている

メソアメリカ時代には、各地でいくつかの種類の暦が使われてきました。有名なものだと「マヤ暦」や「アステカ暦」と呼ばれるものです。冒頭の写真、国立人類学博物館にある「アステカカレンダー」も、いかにも“暦っぽい”数字のようなものが見られます。ただ、これは「カレンダー」ではない。(沈)

で、最近はマヤ暦を使った「マヤ占い」がブームになっている?ようですが、ここでちょっと引っかかるポイントがあります。実はこの“仕組み”自体は、マヤだけのものではないんですよね~。

つまり、仕組み自体はアステカ暦やサポテカ暦と同じなんです。

じゃあですよ?アステカ占いとかサポテカ占いとかあっても良さそうなのに、無いじゃないですか。Σ(・□・;)

さらに言うと、マヤ暦の仕組み自体、マヤ人の発明ではないのです。Σ(・□・;)×2

マヤだけじゃない「暦の起源」

つまり、マヤ圏の外でも同じ仕組みの暦が使われていたし、しかもマヤ人より前にすでに「確立」していた仕組みということです。

実は、マヤの上流階級がいわゆる「マヤ暦」を使い始めたのも、そこまで古い話ではありません。発見されているもので最古とされるのは西暦22年頃のもので、グアテマラのPopolという遺跡から見つかっています。

一方で、発見されているものの中で、メソアメリカで最も古い暦はどれかというと、オアハカのサポテカ文化のものです。モンテアルバンという有名な遺跡がありますが、そこの石碑にはBC594年という年が刻まれていて、これは260日と365日の暦を組み合わせたものです。

メソアメリカ最古の暦

もちろん、マヤのご先祖様たちがスゴい人たちだったことに疑いはありません。ただ、ここで言いたいのは、マヤ圏以外にも同じようにスゴいメキシコのご先祖さんたちがいて、同じ仕組みの暦をすでに使っていたということです。

だからこそ、「マヤ」「マヤ文字」「マヤ暦」という言葉だけが独り歩きしている現状に、ちょっとした違和感を感じるのです。

崇高な文化は他にもあったし、“文字”も少ないけど他にもあったし、“暦”も他にあった。しかもマヤの繁栄より前から。

(すみません、ちょっと理屈っぽく)

本来の暦は「人生アドバイス」ではない

ちなみに、マヤ暦というのはいろいろあって、その中でもツォルキンといって、アステカ暦ではトナルポウァリ暦、サポテカではピジェといって、それぞれ共通した目的があります。

本来は、いわば仏教の大安や仏滅を見定めるようなものです。

これにはちゃんと“専門家”がいて、アステカではトナルポウクィ(tonalpouhqui)と呼ばれ、親御さんに赤子の運勢を伝えていたそうですし、結婚や契約、儀式の日取りを決める役割を担っていました。

もし“仏滅”に生まれてしまうことがあっても、ちゃんと“調整”はあったようです。ただし、元の生年月日との関連性は必ず保たれます。

おみくじを二度三度振るようなことはしません。(苦笑)

そうして“その日”が定まると、「じゃあ今日から~日後お誕生日会はこの日ね」と決まるわけです。

というわけで、確かに運勢をみる“占い”ではあるのですが、現代のように「~すべき、~を考えるべき」といった人生相談的な使われ方とはちょっと違います。

少なくとも、メキシコの考古学の授業では、「青い嵐」とか「黄色い種」とか「赤い月」といったワードは、僕は一度も聞いたことがありません。(汗笑)

「運勢」というキーワードは出てきました。

つまり当時の“マヤ占い”は、見えない未来の「運命」を可視化する作業ではあるものの、どちらかというと幸運を「祈る」という意味合いが強く、「今年はこうで、来年は良い波が来るからそれに乗って…~すべき」といったように他人の人生に介入し、具体的にある意味誘導するものではなかったようです。

マヤ暦には複数の種類がある

マヤ暦といえばツォルキンというイメージが強いですが、実は他にも長期暦(ロングカウント)やハァブ(Haab)、月の暦、さらには52年周期などがあります。52年暦はナワトル語ではシウモルピリ(Xiuhmolpilli)と呼ばれますが、マヤ語での呼び方は・・・分かりません。(謝)調べときます。

ちなみにメシカ時代には、52年毎にイスタパラパの丘の上で、新たな太陽を生む儀式が行われていました。

ハァブのように「大晦日で終わって元旦で始まる」といった周期ばかりではなく、ツォルキンは「終わり」がなく、マヤ前期(AD900年以前)には紀元前3114年を起点に日数を数える「長期暦」が主に使われていました。これは古典期の遺跡の石碑によく刻まれていて、最後の年号として知られているのがトニナ遺跡の909年です。

ちなみに「この世の終わり」と言われた2012年は、この長期暦の13バクトゥンにあたります。

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この世の終わりとされた石碑
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石碑が見つかったトルトゥゲロ遺跡

発見されている最後(最も新しい)の長期暦はトニナの10バクトゥン=909年、最も古いものの一つはオルメカ末期のトレス・サポテスのバクトゥン7=BC32年です。

マヤ暦
出典Arqueologia Mexicana

歴史を見ると「未来予測ツール」ではない

ここまで見てくると、そもそもそんなに自分の運命や流れが“あたる”占いであれば、「スペイン人の到来」という大きすぎる波を予測できたのでは?と思ってしまいます。

実際には、ベラクルスにスペイン人が上陸してからマヤ最後の都市タジャサルが落ちるまで、たったの175年。紀元前3000年頃から続いていた文化が、わずか175年で終焉しています。

さらに言えば、マヤの都市同士は戦争も繰り返していました。現在の境遇や人間関係で悩むなら~をする、お隣さんと仲良くする、あるいは防御を固めまくるといった選択もあったはずですが、結果としては当時のマヤの人達は戦いを選び、滅びていったわけです。

いろんな悩みの多くは人間関係から来るっていうじゃないですか。(苦笑)

だったらどこそことは仲良くしておこう、となりそうなものですが、そうはならなかった。

で結局、一つ残らず、あの崇高なマヤ文化の大都市は滅びていきました。一つ残らずです。

結論:マヤ暦と現代占いは別物

そんな歴史的事実から考えると、古来のマヤ暦と現代のマヤ占いは、似ているようでいて役割が全く違うものだと感じます。

つまり、古代の暦は社会のある種のリズムや大事な行事の日取りを決めるためのものであり、現代の占いは個人の人生にアドバイスを与えるもの。

この二つには、直接的なつながりは薄いのではないか、というのが僕の考えです。

とはいえ、占いによって前向きになれたり、背中を押してもらえるのであれば、それはそれでエンタメやヒーラーなどの「サービス」としては全然アリだと思います。

実際僕もやりましたし。(笑)

ただ、当時の本来の暦の使われ方とは違う、というお話でした。(終)

さらには、暦にしてもいろんな行事の日取りを決めるにしても、当時の人達は自分たちの宇宙観や信仰に基づいて生活していたわけです。「運勢をみる」という行為の前後左右にはいろんな繋がりや背景があった上での「運勢」だったわけです。

やはり文脈がブツブツと切れてしまうと、「運勢占い」だけが独り歩きしちゃうんです。

てなわけで、「マヤ」という一種のブランドを使うのはどうなん?とも思います。(苦笑)

せめてですね、マヤ占いを信じている人、信じたい人、興味がある人は、最低限メキシコのマヤ圏に足を運んでみてください。そして、遺跡や文化と言った部分に触れてください。その上で「マヤ」という名称を冠する占いをやってみましょう。

(はい、言い過ぎました、すみませんでした)

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