メキシコ旅行で外せない!サボテン渓谷ハイキングのすすめ

サボテン渓谷の魅力
メキシコで「サボテン渓谷」と呼ばれているこの場所の正式名称は、テワカン=クィカトゥラン渓谷(Tehuacán-Cuicatlán Valley)。メキシコシティから車で約5時間、プエブラ州の奥地に広がる壮大な自然地帯です。
この渓谷は、2017年にユネスコの世界自然文化複合遺産に登録された、非常に珍しい地域です。特に植物の多様性が高く、なんと3000種以上の植物が生息しており、そのうち約300種はこの地域にしか存在しない固有種です。
中でも目を引くのが、86種類にもおよぶサボテンの群生。特に**巨大な柱状サボテン(支柱型サボテン)**が立ち並ぶ風景は、まさに圧巻で、「世界で最もサボテンが密集している場所」と言われるほどです。
文化的にも非常に奥深く、この地域はサポテカ文化の北端に位置し、ポポロカ文化などの古代文明の影響も色濃く残っています。ハイキング中には、ひっそりと佇む小さな遺跡に出会えることもあり、自然と歴史が融合した体験ができます。
さらに見逃せないのが、テワカン周辺の洞窟で発見された「人類初のトウモロコシ栽培の痕跡」。この発見により、**この地は“トウモロコシの故郷”としても知られています。
多様な植生、豊かな生態系、そして深い歴史文化が交差するテワカン=クィカトゥラン渓谷。
サボテン渓谷をハイキングしながら、メキシコの知られざる大自然の魅力を全身で感じてみませんか?
サボテン渓谷でできること
自分の脚で歩く
車でテワカン=クィカトゥラン渓谷に入ると、目の前には一面に広がるサボテンの森が広がります。まるで異世界に迷い込んだような風景に、誰もが息を呑むことでしょう。
しかし、この渓谷の本当の魅力は、自分の足で歩いてこそ感じられるものです。歩を進めるごとに、さまざまな種類のサボテンや、それぞれのサボテンに実る果実や種、背の高い木々が並ぶ植生の変化、動物たちの痕跡である糞など——自然の営みや命の息吹を肌で感じられます。
当ツアーでは、お時間やご興味に合わせて2種類のハイキングコースをご用意しております。興味深いのは、どちらも同じテワカン=クィカトゥラン渓谷内にありながら、それぞれ異なる種類のサボテンが生息しているという点です。地形や標高、土壌の違いによって、植生の顔ぶれが驚くほど変わります。
自然を「見る」だけでなく、「歩いて」「感じて」みませんか?
メキシコのみならず、世界屈指の大自然を、五感で味わう体験がここにはあります。
郷土料理をたべる

「メキシコ料理」「日本料理」といった国名での料理の区分けは、現代人が作り上げた便宜的なものかもしれません。もともと人々は、その土地で手に入る食材を工夫しながら、暮らしの中で料理を育んできたはずです。
特に、国土が広く気候や植生が多様なメキシコのような国では、「メキシコ料理」という一括りでは語れないほど地域色が豊かです。地域ごとにまったく異なる食文化が存在しているのです。
ここ、テワカン=クィカトゥラン渓谷では、マゲイ(リュウゼツラン)の実や支柱型サボテンの果実など、この土地ならではの自然食材を使った郷土料理を味わうことができます。
私自身、他のどの地域でも同じような料理を見たことがありません。まさに、この渓谷でしか味わえない、唯一無二の食文化がここには息づいています。
少し苦みのある独特な味わいかもしれませんが、だからこそ心に残る体験になります。
旅先でしか出会えない本物の味を、ぜひ一度体験してみてください。
塩づくり体験をする

「伯方の塩」は日本の家庭でもおなじみのブランドですが、実はその原料となっているのはメキシコ産の塩です。意外に感じるかもしれませんが、塩にも実にさまざまな種類があるのです。
忙しい現代人にとって、「塩」と聞いて思い浮かぶのは卓上の小さな容器に入ったさらさらの精製塩かもしれません。しかし、本来の塩はもっと土地の記憶を宿したミネラル豊かな天然の恵みです。
実はこのテワカン=クィカトゥラン渓谷一帯は、太古の昔は海の底でした。そのため、現在でも海洋生物の化石が見つかります。大地が隆起し、閉じ込められた海水がゆっくりと結晶化。そこに地下水が触れることで、天然の塩水が地表に湧き出すのです。
この塩水には、ナトリウムだけでなくカルシウムやマグネシウムなどの多様なミネラルが豊富に含まれており、味は驚くほどまろやか。一口含めば、「しょっぱいのに、しょっぱくない」という不思議な感覚に包まれます。
その品質は、メキシコ国内の有名レストランのシェフたちからも絶大な信頼を得ており、プロの現場でも重宝されるほどです。
大自然が育んだ、塩本来の味。
ぜひ現地で体感してみてください。
サボテン渓谷観光の広げ方──他地域と組み合わせて深掘りする旅
メキシコシティからオアハカに行く途中で寄ることができます。2ヵ所の内一ヵ所は往復4時間ほどのハイキングのみが可能。ハイキングを終え、郷土料理店でご昼食を取っていただいた後、その日中にオアハカに到着することができます。
二つ目のコースは、距離が長めになるので、現地で一泊されることをおすすめします。宿泊方法は宿泊施設またはキャンプも可能です。
オアハカルートと組み合わせて、南部メキシコを深く旅する
ルート▶メキシコシティ➡プエブラ➡サボテン渓谷➡オアハカ観光➡メキシコシティ
内容▶プエブラでの歴史探訪を、サポテカ文化の宝庫オアハカにつなげることで、メソアメリカ文明の多様性に触れる、文化重視の旅に展開可能です。
所要日数▶4日~5日

プエブラ1泊、ベラクルスhttps://mexicoct.com/tours/veracruz/1泊、さらにクェッツァラン1泊で文化のグラデーションを辿る
ルート▶メキシコシティ➡プエブラ➡サボテン渓谷➡ベラクルス➡クェッツァラン➡メキシコシティ
内容▶ナワ文化とトトナカ文化が色濃く残るクェッツァランを加えることで、スペイン植民地化以前から現代に至るまでの、文化の変遷と融合を肌で感じられるルートに。
所要日数▶4日~5日

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