メキシコの農業って超効率的。

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ソチミルコに行くべき本当の理由。

先日料理と文化についてちょっと書きました。

 

そんなことで、

メキシコ料理って、

タコスとかブリトとかナチョスとかだと思っている方も多いと思いますが、

メキシコにいらして頂いた折には、

是非是非、

本物のメキシコ料理を味わってみて下さい!(笑)

ご興味があればお料理教室もできますヨ。

 

トウモロコシ、

緑トマト、

赤トマト、

豆、

唐辛子、

カボチャ、

マゲイ、

ノパル、

カカオ、

バニラ、

サツマイモ、

アボカド、

グアバ、

などなど、

 

メキシコが原産地の作物や、

原産地でなくても早い段階で、

早いもので紀元前2400年頃から、

栽培されていた作物は、

その後陶器の発明により農作物の保存を可能にし、

人々が定住を始めるきっかけになったのです。

そして、

これらの作物は今日のメキシコの家庭の食卓でも

ごく一般的に使われています。

 

ではメキシコの農業はどんなものだったのか。

どしてこれ程までに種類に富んだ作物を、

長期にわたって供給を維持できたのか。

 

それはメソアメリカ独特の農法によります。

 

メソアメリカの農法などみすぼらしかった、

という意見もあるようですが、

事実無根です!(笑)

 

大きく分けて二つの農法がありました。(ます。現在形)

ミルパとチナンパです。

☝☝☝ミルパのイメージ

ミルパとは同時期に多品種の農作物を栽培する農地のことです。

トウモロコシを筆頭に、

豆、カボチャ、唐辛子という具合に、

分けずに一緒に栽培します。

この農法が最も有名な土地は、

ベラクルスの北端ウァステカ文化圏です。

ウァステカって、

今のサンルイスポトシとベラクルスを跨ぐエリアにあります。

有名なマヤ族との兄弟文化なです。

詳しくはまた別のブログで書きますが、

ウァステカ文化の一部のグループが南下し、

その後のマヤ圏を形成するユカタン半島やチアパスやグアテマラの方へ移住していったのです。

 

ウァステカ圏のベラクルス側では、

メキシコ湾側の湿った空気が、

シエラマドレ・オリエンタルという山脈にぶつかって雨を降らせます。

その為この地域は熱帯的な気候となり、

植物の成長に適します。

 

芋類、穀物類、マゲイ(アガベ)、葉野菜、フルーツと、

栽培される作物の種類は十指に余ります。

高度によって、

日向と日陰を上手く作り、

日光を最大限生かす工夫もされました。

 

昔って、

今のように保存料もなければ、

通年栽培を可能にする温室も当然ありませんでした。

もちろん砂糖水であるジュース類も。

 

人々は、

必要な栄養をその時期に収穫する作物からとり、

別の時期にはまたその時期に収穫する作物から、

その時期に必要な栄養を摂取することを、

自然の作物のサイクルに合わせて行っていたのです。

 

もう一つの農法はチナンパ。

☝☝☝チナンパのイメージ

これは現在メキシコシティがある、

メキシコ盆地で行われていた(いる)農法です。

世界遺産で知られるソチミルコが有名ですね。

500年以上前の湖の淵に湖底の土や枝などを集めて盛り土をし、

20x60mぐらいの区画にして、

区画と区画の間は水が通り、

その水の上を木製のボートが通り、

作物の運搬をしていました。

それが今日は大部分が下手に観光地化してしまったソチミルコのトラヒネラでなんです。

 

このチナンパは四方が水で囲まれている上、

作物によっては最高7期作を可能にするほど

沃地なのです。

この農法はもちろん唯一無二で、

世界でも比類のないほど、

農業経済性が高い農地なのです。

そしてそれは、

メソアメリカ時代から現在まで使われ続けています。

☝☝☝種まきの準備ができたチナンパ(現在)

☝☝☝使われなくなったチナンパ(両側)と水路

 

様々な農作物の中でも、

メソアメリカ時代から主食として今日まで食されるトウモロコシは特別な存在だったのです。

 

トウモロコシの栽培には2つあって、

一つは自然のサイクルに任せるもの。

基本的に年一度で、

4-5月に苗を植え、10月に収穫です。

3年ぐらいすると痩せ地になるので、

穀類など別の作物を植えて休ませます。

 

あとミルパには区画という意味もありますが、

土が流れ出ない様に、

マゲイを植えて、農地を“補強”するんです。

だから良く地方に行くと、

栽培地でないのにマゲイが一列に、

ある意味“不自然”に植わっていることがあるんです。

 

もう一つは灌漑式、

つまりチナンパでの栽培で、

他の作物と一緒に、

年に数度の収穫が可能になります。

特にスペインによる植民地時代には、

チナンパ農法により多くの住民に作物を供給できました。

 

このように農業が発達するにつれ、

メタテやモルカヘテ

陶器の鍋、

コマルというトルティジャを焼く粘土製の丸い板(

鉄板という言いたい所ですがメソアメリカには鉄が無かった)

などの調理器具が発達し、

現在も使われているのです。

 

そんなことで、

トルティジャ一枚食べる時、

唐辛子が口に沁みる時、

数百年、数千年に渡る時間で進化してきたメキシコの食を、

汗を流しながら噛みしめてみて下さい。(笑)

 

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