メキシコ料理の王様:【モレ】(Mole)の話
メキシコ料理の王様:【モレ】(Mole)の話
日本食の代表各といえば、
寿司を筆頭に、
和中華と言っても、
もはや日本食として認知されているといっても過言ではないラーメン、
根っこは日本でなくてもB級グルメの第一人者のカレー、
などなど
いろんな日本食が頭に思い浮かびます。
思い浮かべると涎(よだれ)が出てきそうなので、
やめときます。(苦笑)
それでメキシコはというと、
タコス、ブリト(メキシコ料理ではない!)、、、
ぐらいでしょうか?広く認知されているのは、、、
是非メキシコにいらした暁にはですね、
モレ(Mole)をお召し上がり頂きたいんです。
ガイドブックなんかにモーレって書いてあったりますが、
正しくはモレです。
☝☝☝プエブラのベラクルス側のモレ
☝☝☝これはピピアン(Papain)といってカボチャの種ベースのモレ。
黄色い色が特徴。
強いて言えばですが、
見た目や色んな材料を混ぜて作る点など、
カレーに近いような料理です。
味は甘い風味が特徴ですが。
モレはメキシコでは家庭料理であると同時に、
お祭りなど祝い事の時にも出される特別な料理なのですね。
この料理は歴史が長いんです。
少なくても500年前のメソアメリカ時代に、
メシカ(アステカ)帝国最後の皇帝モクテスマに、
Totolin patzcalmollo
(トトリン パツカルモジョ)
という料理をだしていたという記録があります。
この記述はヌエバ・エスパーニャ時代に
カトリック教会のフランシスカ修道士として、
ヌエバ・エスパーニャに送り込まれたスペイン人のサグン、
(本名:Bernardino Sahagun)
によって書かれた歴史書、
Historia general de las cosas de la Nueva Españaに、
モレに関する最初の記述が出てきます。
☝☝☝サグン
ちなみにモレ=Moleの語源は、
ナワトル語のMulliです。
Mulliとはサルサ(ソース)の意味。
そして、スペイン語にMolerという単語があります。
“挽く”という意味です。
つまり、
Mulli(ソース)の原材料たちは、
Metate (メタテ)という調理器具で、
Molerされて作られていたのですね。(当然)
偶然にもナワトル語とスペイン語が発音だけでなく、
根本的な意味まで似ていたことから、
最終的にMoleと呼ばれるようになったわけです。
☝☝☝オルメカ文化のラ・ベンタ(La Venta)から出土された、
推定紀元前1750年頃メタテ。これで材料をすり潰すんです。
☝☝☝こんな風に押さえつけながら前後に動かす。
これが結構キツイ。石の擂り棒が思いのなんの。
ヌエバ・エスパーニャ時代には、
様々なMoleが誕生しました。
Totolmole(七面鳥のモレ)
Clemole(スープ系)
Ayomole(カボチャベース)
Chilmole(ユカタン地方の名物Relleno Negro)
Huaxmole(ひょうたん入り)
などなど。
そして現在でも存在しているのです!
特にユカタン名物のChilmole
またはRelleno Negroは、
僕のグルメの記憶の中でもインパクトが強い料理です。
スモーキーな風味が特徴でウマイんです。
☝☝☝Chilmole別名Relleno Negro
肉は七面鳥
ワカモレってご存知ですよね?
日本でも人気が高いとおもいます。
あの緑色のアボカドソースです。
☝☝☝グァカモレ(ワカモレ)とトトポ
メキシコの酒の肴の定番
アボカドにチリを混ぜてすり潰したものを、
Ahuacatlmulliと呼んでいました。
アボカドはスペイン語でアグァカテ(Aguacate)。
Mulli=Mole=Salsa(ソース)を語尾に付けて、
グァカモレ(Guacamole)なんです。
ということで、
メキシコの人もあまり知らない、
結構コアなモレの話でした。(苦笑)
実は今回は作り方を書こうと思ったのですが、
書いているうちに話が長くなってしまい、
またにしますね。(苦笑)
すみませ~ん。
ではでは~