2000年以上の味、タマル。

メキシコ在住15年目、

「メキシコの素顔を世界に!

をモットーに、

メキシコ旅行の政府公認ツアーガイド兼ドライバーをしています岩﨑コウです。

 

今日のメキシコシティは日が出てちょっと暖かいですね~

 

タマル。

 

実は昨晩、

家の前をタマレロ(タマル売り)が通りかかったので、

思わず買ってしまい、

それでこれを書こうと思ったんです。(笑)

☝☝☝昨日のタマレロ(タマル売り)。
オアハカスタイルのタマルはバナナの葉で包まれているのが特徴

 

複数形でタマレスと言います。

たまにタマレという言っている人がいますが、

正しくはタマル。

 

Tamalと書きます。

この語源はナワトル語の

Tamalli。

包まれているという意味です。

 

タマルは現在も、

メキシコ料理を代表する料理の一つなんです。

重要度から言えば、

タコスなど比じゃない!?(笑)

 

それもそのはず、

タマルの起源というのは、

少なくても2000年以上前に遡るのです。

「少なくても」

ということは、

それ以上でもあるという事です。

要するにハッキリとした起源は分からないんですね。

 

片やタコスは、

1930年代にメキシコに根付きます。

 

それで、

タマルってどんな料理かというと、

多分に漏れずトウモロコシ料理です。(笑)

☝☝☝これです。

 

トウモロコシを

挽いて、

蒸して、

練って、

中に肉などの具材を詰め、

トウモロコシやバナナの葉で

包むんです。

 

メキシコ料理と言えば、

まず頭に思い浮かぶのが

トルティジャ(トルティーヤと言っても通じません)

ですが、

少なくても、

メソアメリカの人々の食生活においては

「主役」

というわけではありませんでした。

 

紀元前500年頃言っている文献もあるようですが、

少なくてもマヤやテオティワカンでは

主役ではなかった、

または存在していなかったと考えられています。

そもそもその年代において、

トルティジャを焼くのに不可欠な

コマル(Comal)という“板”の

考古学的証拠が見つかっていません。

つまりは

「なかった」。

 

グアテマラにあるマヤの遺跡

サリナス・ラ・ブランカ

(Salinas La Blanca)

という都市の跡で、

ヒョウタンの一種に入れられた石灰の遺物が見つかっています。

 

先日書きました通り、

トウモロコシを効率よく“調理”するには

アルカリ処理(ニスタマリサシィオン)が必要です。

それには石灰や貝殻、炭などが必要だったんですね。

 

発見された遺物がタマル作りに使われていたという

確たる証拠はないものの、

「タマルを作っていたのかもしれない」

と推測されています。

 

サリナス・ラ・ブランカ同じグアテマラにある

サン・バルトロ

(San Bartolo)

という紀元前の遺跡には、

メソアメリカ最古される壁画があります。

紀元前100年ごろのものと言われていますが、

そこに女性がタマルとされる丸いものを入れ物にいれて

跪いている絵が描かれています。

考古学的ではないですが、

これが最古のタマルの証拠と言われています。

☝☝☝これです。
出典:Arqueologia mexicana
https://arqueologiamexicana.mx/mexico-antiguo/el-tamal-entre-los-mayas

 

タマルについてより情報が得られるようになるのが、

スペイン人によって書かれた史書フロレンティーノ

(Codide Florentino)

です。

 

そこには、

様々な種類のタマル、

食されていた機会、

作り方などについて書かれています。

マヤ、メシカ(アステカ)族に関する記述が多いのですが、

マヤ、メシカ文化圏以外では食されていなかったというわけではありません。

両文化の情報が多かったんですね。

☝☝☝朝のコーヒーと一緒にどうぞ。

オアハカでは、

エビやカボチャの種、植物の葉で作っていました。

プレペチャ文化(現ミチョアカン)では、

コルンダス(Corundas)という三角の形をした“タマル”

が有名です。

プレペチャ語のK’urhndaが語源です。

☝☝☝プレペチャ(ミチョアカン)のコルンダス

 

それとは別に、

結婚式にはスペシャルタマルとして、

豆入りタマルを作ったそうです。

ウァステカ地方では、

タマルは神様へのお供え物なかでも

特に重要な位置づけでした。

現在はサカウィルという巨大タマルを作ったりしています。

最後に注目すべきは、

何百年、何千前の調理方法は、

殆ど変らず現在まで受け継がれているという事です。

☝☝☝ベラクルスのヒコの名物タマル・カナリオ。
トウモロコシの代わりにお米で作っています。
中はクリームで甘いんです。
タマルの進化形!?(笑)
お茶菓子としていいかも。

トウモロコシの実を削ぐには

石製のナイフを使っていました。

アルカリ処理するのに鍋がありました。

挽くにはメタテです。

蒸すにも鍋です。

 

アルカリ処理、挽く、捏ねる、包む、そして蒸すという調理技術も、

現在と変わりません。

 

もちろん、

ある日突然だれかが

「発明」

したのではなく、

長い年月を掛けて進化してきた結晶が、

今日我々が食べるタマルです。

その大元の部分は、

メソアメリカ時代から変わっていないという事ですね。

 

どこが本家本元というのはありません。

各地方で違ったタマルがあります。

いろいろ試してみて下さい~(笑)

 

#MexicoCentralTours

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