メソアメリカ版サウナ、ではなくてテマスカルとは。

メキシコ在住15年目、

「メキシコの素顔を世界に!

をモットーに、

メキシコ公認ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。

 

テマスカル。

Temazcalと書きます。

語源はナワトル語で

Temazcalli 

と書きます。

Temaは蒸気、

Calliは家

という意味です。

 

これでご想像頂けますでしょうか?(笑)

蒸気の家・・・

 

はい、サウナです。(笑)

 

サウナっていうと、

スパとか温泉でくつろぐみたいなイメージがありますね。

 

実はサウナの起源には諸説あるようでして、

「生みの親」というのが不明なんです。

一説では紀元前1万年前に、

今のフィンランドあたりで「発明」されて、

アイスランド経由で北欧人によってアメリカ大陸にもたらされたという説、

あとはアジア、トルコのハンマームが源流で、

ヨーロッパで広まり、

アメリカ大陸に伝わったという説。※

 

結論、

どこが最初が起源というのが分からないんです。

 

ここでは、

サウナの起源の重要性については割愛しますね。

 

また、

一般的なリラクゼーション用のサウナと、

メソアメリカ(メキシコ)のテマスカル(またはテマスカリ)

の接点についてもここでは扱いません。

 

メソアメリカにも、

「サウナのようなもの」が

「あった」

という事実だけ見たいと思います。

 

ナワトル語ではテマスカリですが、

いわゆるマヤ語だとスンプルチェエ(Zumpulchee)、

同じマヤファミリーのツェルタル語ではプス(Pus)となり、

メキシコ湾側ベラクルスのトトナカ文化ではサク(Sac)、

西のミチョアカン州一帯のプレペチャ文化ではウリグェケ(Hurigueque)

と呼ばれています。

特定の地域だけではなく、

メソアメリカ(メキシコ)各地にあったんですね。

 

それで、

これがなぜ「サウナのようなもの」

でただのくつろぐ用の「サウナ」ではないのかと言うと、

全て宗教的施設内で見つかっているんです。

一般家庭ではないんです。(笑)

 

しかもその多くは、

先日ご案内しました

「ボールの儀式場」の脇、

とりわけ西の部分で見つかっているんです。

 

何で西なのかご想像つきますか?

西は太陽が沈む方角ですね。

沈んだら沈みっぱなしではなくて、

翌朝東から出てきて夜が明けます。

つまり、

太陽が沈む=死んで、

翌日に「生まれる」んです。

 

だから、

メソアメリカでは

「生贄」

が行われていたんです。

死は新たな生命を生む。

新たな生命を生むのは大地であり、

女性です。

だからテオティワカンの“ピラミッド”

の下には“洞窟”があったり、

地下で“人骨”が発見されたりしてるんです。

だから、

博物館では女性のお産の彫刻があったり、

男性器が生命の象徴として表現されているものがあります。

メソアメリカの世界観では、

この大地、

生命が生まれる場所を象徴的な場所の一つとして

考えられていたんです。

 

このテマスカル(ナワトル語でテマスカリ)は、

そんな死から生の間の世界、

つまり地下の世界を非常に重要なものとして捉えていたのです。

テマスカルはその一端を担いました。

 

四方上下を囲まれた空間を

「地の世界」

としたわけです。

そこに生きている人間が入り込む。

生と死(生命誕生前の世界)

の狭間に存在するということです。

 

そこで、

隣接している「ボールの儀式場」

での「儀式」の前後か最中に、

蒸気を充満させたテマスカルで、

「儀式」

を執り行っていたと考えられています。

 

ナワトル語は、

メキシコ中部を中心に広域で話されている言語ですが、

先日ご紹介したマヤのパレンケや、

その他のマヤ前期の都市跡(遺跡)を始め、

メキシコシティがあるアルティプラノ圏の

トラテロルコやソチカルコ、カントナなどの

多くの遺跡で見つかっています。

 

ピラミッドだけでなく、(笑)

メソアメリカの世界観の中で、

テマスカルは非常に重要な建造物であったのです。

大きなものは30人程は入れる大きさで、

形は様々です。

 

実は今でも体験できるんですよ~。(笑)

でも気を付けてください~(笑笑)

 

一応「認可」制度があって、

どこでも安全というわけではないのです。

僕にお願い頂ければ、

認可済みの所で安心してご体験頂けます。

 

そんな事で、

サウナのようでサウナじゃない。

ちゃんと意味があり、

重要な習慣の一部だったのです。

そしてそれは、

メソアメリカ時代の儀式的な意味合いは無いものの、

現代でも使用されているものなのです。

 

#MexicoCentralTours

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