無意識に【寛容な心】を失っている人って意外と多い。
寛容な心。
これは僕が今までメキシコでの生活で学んだ、
最も大切なポイントです。
僕はメキシコに旅行にいらっしゃるお客様には、
少しでもリラックスして、
他にはない、
メキシコならではの雰囲気を、
存分に楽しんで味わって頂きたいんです。
買い物でも、
遺跡巡りでも、
街歩きでも、
極端な話、
ご滞在中に起こる事全てが【メキシコ旅行】
として楽しんで頂く事です。
その為に、
「寛容になった方が良いですよ~~~」
という提案させて頂いています。
僕がこんな事言うのもですが、
僕の所に今まで来て頂いた多くのお客さんて、
皆さんスッゴくいい方々なんです。(喜!)
いえいえ、決して社交辞令ではなくて。(笑)
何がイイのかといいますと、
皆さん凄く好奇心旺盛で、
能動的に楽しもうとしているんです。
しかもこんな新米の僕を気遣って頂いたりして、、、
本当に恐縮してしまうほど、
良くして頂いています。
前職の営業職でも10年以上多くの日本人のお客さんや、
業者さんの方々と一緒に仕事をしましたが、
とはいえ、
旅行業は新米でしたので、
最初は少し緊張していたんです。
それでどのお客様にも共通するのが、
【寛容なお心】
なのです。
僕の場合、
お客様がメキシコにいらっしゃる前から、
かなり入念にコンタクトを取らせて頂いていますので、
初対面なのにあまり初対面感が無く(笑)
リラックスしてご到着されます。
実は僕、
この仕事を始める前まで、
正直に申し上げますと、
日本に住む人とのコミュニケーションに、
少し戸惑っていたんです。
逆カルチャーショック。
日本生まれ、日本育ちの日本人なのに、
日本の習慣に馴染めなくなってしまっていました。
元々子供の時から馴染めないことは多かったですが、(苦笑)
それを差し引いても、
「あーこれにはついていけないなぁ」と、
帰国する度に感じることがあるんです。
日本で「ある異常さ」を感じた例はこうです。
4年前に初めて嫁を日本につれて行きました。
あとメキシコ人の友達二人も。
夏の風物詩花火を見に行ったんです。
僕の両親と計6人で、
指定席の桝席をとりました。
1.5m四方と、
6人には少々狭かったんですが、
座っていたんですね。
その席というのは、
ブルーシートにテープで区切ってありました。
すると後ろの桝席にカップルが入ったんです。
しばらくすると、
僕の背中に何かが当たって、
振り向くとペットボトルが倒れていたんです。
「んっ?なぜこんなところにペットボトルが?」
不思議に思いつつもその場に立て直しました。
しばらくしてもう一度そのペットボトルを倒してしまったんです。
するとその男の人が嫌らしく、
「ちょっとはみ出ないでもらえますぅ~~」
と言って来たんですね。
僕らが少し(1センチ)でもはみ出そうものなら、
警告するために、
わざとペットボトルをライン際に置いていたんです。(苦笑)
そして僕はその“罠”にまんまと嵌ったのでした。
僕は5秒ぐらいこの人が何を言っているのか分かりませんでした。
(!?)
それで悟ったんです。
「あっ、ココはそういうところでしたね、、、」と。
その後、
これがもしメキシコだったらどうなるかと、
3人のメキシコ人に聞いたんです。
出てきた答えは、、、
1・そもそも区画などない
2・例えあってもないようなもの、機能しない
3・最後は区画等関係なく知らない人とも騒いでいる
4・そういう理屈っぽく細かい奴は逆に笑いのネタにされる
(笑)
といったものでした。
僕も同感です。
きっとそうなると思います。
そりゃ頻繁に何十センチもはみ出て、
スペースを占領している状態ならわかりますよ。
そういう事もあり、
日本に行くと不必要な窮屈さを感じることが多々あります。
メキシコでは、
「はぁっ!?」(怒)
って思う事は日常茶飯事です。
メキシコの人達と仕事をしていれば尚更です。(苦笑)
店員やコールセンターの対応はもちろん、
ぶつかるだとか、
プライドだけ高くて仕事しない同僚とかはまだいい方で、
バスやコンサートで、
買ったチケットの自分の座席に人がいたりとか(笑)
約束の時間に来ないのはいい方で、
無連絡で現れないとか。(諦)
やるって言ったことやらない、(終)
などなど。
はい、普通です。
悪気はありません。
そんな事でイチイチ理屈で言い立てても、
誰もあなたの話など聞いてくれません。
そう、
日本では「筋を通すのが正しい」
が普通になっています。
「それっておかしいだろっ!」って。
「区画はこの線までなんだから1センチも越えないで」
はい、あんたの言う事はごもっともです。
【正しい】です。
僕の経験上、
☝これを勘違いしてメキシコ来る人が多いです。
特にビジネスで。
メキシコはというと、
いくら自分が悪いと知っていても、
「オレ・私が正しい。」
という態度でくるんです。(困)
例えば、
仮に相手の不注意で事故を起こしても、
でっち上げて自分の責にされるとか。
(僕は幸いまだ貰い事故も含めて生涯無事故ですが)
あとは出来なかった理由を永遠と言い続けて、
解決策を出さないとか。(苦笑)
つまり、
イチイチ腹を立ててやり合うのは、
何より自分のエネルギーと時間のムダなのです。
クダラナイことに腹が立つ時の唯一の解決策は、
自分で勝手に
【なかったことにする】
です。
無理やり自分の頭と心を、
“事件”が起こる前にリセットするんですね。
僕はこれがなかなかできなかったのですが、
揉まれて今では無意識にできるようになりました。(笑)
自分で自分にとぼけるんです。
同じ日本人として思うのは、
花火大会のペットボトル事件然り、
一度きりの人生、
「もうちょっと寛容に生きた方が楽で楽しいんじゃない?」
ということです。
誰だって時にはミスします。
そんなときも、
目くじら立てて責め立てず、
日本の異常な謝罪会見みたいに、(苦笑)
謝罪など無理に要求せず、
【お互い様】
という事で、
理屈はとりあえず脇に置いておいてですね、
もう少し寛容さを持った方がいいと思います。
「まぁいっか」と。
冬の風物詩、除夜の鐘が“騒音”ということで、
各地のお寺さんに苦情がいっていて、
その年一の行事を取りやめるお寺もあるそうです。
そのニュースを読んでとても心が痛みました。
そういう文化こそ、
日本が外国に誇れるものであり、
日本のアイデンティティである事を忘れてはなりません。