【メキシコ料理】カボチャの話。(ちょっと長くなります、、、)


それを甘露煮したスイーツです
メキシコのカボチャ
スペイン語でカボチャは一般的にカラバサ(Calabaza)と言います。
今日世界には800種類のカラバサがあり、内39種が食用に使われます。
ウリ科の作物なので、メロンやスイカ、キュウリ、冬瓜、ヘチマなどとも親戚になるんです。
メキシコは世界で最も多くカラバサ(カボチャ)を生産する国で、その生産量は年間56万トン。
カボチャをよく食べる日本はといいますと、メキシコの半分以下の25万5千トンで世界4位なんです。
日本でいういわゆるカボチャの品種は、スペイン語でCalabaza Kabosha(cha)といって、日本へも輸出されていますね。
カボチャ栽培の起源はメソアメリカ
メキシコで最も重要だと言われている食材の代表格はトウモロコシですが、実は最も栽培の歴史が長いのはカラバサ(カボチャ)なんです。
そして現在世界で食されている大半のカボチャは、メソアメリカ(現在メキシコがある地域)で栽培されていた品種 Cucurbita に起源を持つんです。
その年月、考古学的に証拠があるもので、
8300年から1万年前(紀元前6000-8000年) のものです。
つまり、人類のカボチャとの付き合いはメソアメリカ(現メキシコ)から始まったのです。
カラバサと「ぺピタ(カボチャの種)」
現在メキシコでは5種のカラバサが栽培されています。
ククルビタ(Cucurbita)という品種なのですが、特徴は実が大きく、種が多く取れることです。
この種(たね)をメキシコでは ぺピタ(Pepita) というのですが、これが人々の生活を支えたんです。
このククルビタ種は全部で11種がアメリカ大陸原産で、内5種類が今日メキシコで栽培されています。
ぺピタ(たね)はタンパク質が豊富で、そして何よりも保存性に優れていました。


僕は今これをムシャムシャ食べながらこれを書いています(笑)
当時はまだ陶器などの保管用の入れ物が無かった時代ですので、保存性があるものは重宝したわけです。
そういった意味では唐辛子も保存がきく作物でした。
よってカラバサは神聖な作物として、メソアメリカ最古の文化であるオルメカの影響を受けた都市跡でも彫刻に描かれています。
メキシコでよく食べられるカボチャ
メソアメリカで最も初期の段階で人間による栽培が始まったカラバサ(カボチャ)。
でもメキシコでは、日本で食べるような成熟した大きなカボチャはあまり食べないんです。
最もよく食べられるのは 未熟のカラバサ で、メキシコではカラバシィタ(Calabacita)と呼ばれています。
日本ではズッキーニとして知られていると思います。

この先端に黄色い花が咲きます。

その名の通り未熟で小さいんです。
メキシコには5品種のカラバサがあると書きましたが、
最もカラバシィタ(ズッキーニ)として食べられるのは
Cucurbita Pepo という種類が主なんです。
よって生産量もこの種が一番多いんです。
そしてこの品種は、スペイン人がメソアメリカから最初にヨーロッパに持ち出し、スペイン本国で最初に栽培を始めヨーロッパに広まった品種でもあるんです。
カボチャの花(フロール・デ・カラバサ)
そしてカラバサの花。
スペイン語では Flor de calabaza といいます。

これは僕の好物でもあります。
キレイで鮮やかな黄色の花は、特に味という味はしないのですが、僕は朝ごはんにケサディジャにしてよく食べます。

品種にもよりますが、一つの蔓に
174~222の花 が咲きます。
カラバサの花は一般的に花の香が薄く、調理もしやすいという点で重宝されています。
5月下旬から6月上旬に掛けてと、8月下旬から10月初旬にかけて花を咲かせます。
ビタミンとアミノ酸が豊富ですので、体にもいいですね。
メキシコ料理に欠かせない「ぺピタ」
そしてメキシコ料理には欠かす事ができない、カラバサの種(たね)。
ぺピタ(Pepita)と言います。
ぺピタそのものは薄いですが硬い殻が付いているので殻を剥きます。
中に緑がかった実があるんです。
これを胡麻などと一緒に挽いたものを ピピアン(Pipian) と言います。
これを使ってソースにしてチキンなどに掛けて食べる料理があるのですが、これを文字通り ピピアン と言います。
モレにも欠かせない食材です。


どのカラバサも種はあるのですが、一番多くて大きいぺピタ(種)は
Cucurbita Pipiana という品種から取れます。
これはメキシコが原産という事が確認されています。
紀元前3085年の種がタマウリパス州で見つかっています。
ぺピタ(種)は44%がタンパク質で、貴重なたんぱく源でもあったんですね。
甘露煮(フルータス・クリスタリサダス)
成熟した実はと言いますと、実はメキシコ料理では不思議と殆ど見かけないんです。
カボチャの煮物とか天ぷらなんて最高にオイシイのに、、、
勿体ないですよね~。
と思いつつも、全くゼロではないんです。
殆ど唯一と言っても良い例は お菓子(スイーツ) です。
甘露煮です。
メキシコでは
Frutas cristalizadas といいます。


成熟したカラバサの収穫は毎年 10~11月 に掛けてです。
サトウキビはスペイン人がメソアメリカに持ち込みました。
元々メソアメリカではカラバサやフルーツの甘露煮は存在していなく、スペイン人によって持ち込まれた砂糖によって発達しました。
市場や露天に行くと、いかにも甘そうなフルーツやカボチャ、サツマイモの甘露煮が売られているのをよく目にします。
日本でも金柑やイチジク、サツマイモ、若桃などの甘露煮がありますよね。
メキシコでは
- カラバサ(カボチャ)
- チラカジョテ
- サツマイモ
- イチジク
- リンゴ
- トゥナ(サボテンの実)
- パイナップル
- オレンジ
- ライム
- バナナ
など様々なフルーツの甘露煮が作られています。
フルータス・クリスタリサダスの話はまた別の日にしますね~。
ヒョウタン「カラバソ」
以上がカラバサ(Calabaza)ですが、
カラバソ(Calabazo) と呼ばれるものもあるんです。
これは Cucurbita 種ではなく別の品種ですが、いわゆる ヒョウタン ですね。
ヒカラ(Jicara)といって、ヒョウタンでできた器や計量用の道具として使われます。
メシカ帝国(よく言われるアステカ)期では、年貢用の金や顔料を計るのに使われました。
日本で升がお米の計量に使われていたのと同じような感覚ですね。
このヒョウタンは種類によっては長細いものがあるのですが、これは有名な プルケ というお酒を造る時に、マゲイの中に貯まる樹液(アグアミエル)を吸い出す道具 アココテ として使われました。
メキシコの食文化を支えてきた作物
こんなふうにカラバサ(カボチャ)は、
メソアメリカ(現メキシコ)で最も古くから栽培されている作物 であり、今から何千年、何万年も前からメソアメリカに生息し、時を経て現代メキシコの人々の生活に欠かす事のできない作物となっているんです。
それがベースとなっているのがメキシコ料理。
だから、ただ単に不味い・美味しいで判断しないでくださいね。
お口に合わないことは残念ながらあると思います、がぁ、メキシコのご先祖さんたちによって人間社会にもたらされた貴重な作物であることを頭の片隅において召し上がっていただければ幸いです。
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