メキシコの国旗が意味するもの・前編
メキシコ在住15年目、
「メキシコの素顔を世界に!」
をモットーに、
メキシコ公認ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。
メキシコの国旗。
先日の国旗の写真についてご質問のメール頂きましたので少しご説明させて頂きます~。
メキシコの政府の情報によると、
メキシコの国旗は世界で最も美しい国旗に、
投票によって選ばれたことがあるんです。(笑)
「ことがある」って毎年各国がデザインを変えて競い合うわけではないのですが、(笑)
実際に、
スペイン語圏で行われたコンテストが2008年にあったようです。
9月16日が独立記念日で、
その前日・前夜がお祭りです。
この時期になると
ボチボチ独立記念グッズが街に出て来る頃なんですが、
今年は“まだ”出てこないですね。
☟☟☟これです。
今年はコロナで、
その“まだ”も怪しいと思うのですが、
大統領は毎年恒例の独立祝賀行事を“行う”と宣言しています。
「えっ、コロナ大丈夫なん?」
と国民が首をかしげる中、
「スペイン人をぶっ殺そう!」
ではなく、(苦笑)
「Viva Mexico!」
をどうしてもやりたいようで、
一部を除き、
大多数の国民から顰蹙(ひんしゅく)を買っているようです。
日本の財務大臣よりも14歳ほど若いのですが、
死者が6万にを超えたメキシコのコロナ禍で、
“聞くに堪えない発言を繰り返している”
(僕の周りの人の意見を纏めると)
メキシコの大統領さんなのです。
(僕はガイジンなのでこの国の政治批判はしません)
また後日書きますが、
ハロウィン、
死者の日の仮装パレード然り、
「騒ぐために騒ぐ」
行事が多いですね。
本来の習慣であるべきものが形骸化してしまって、
権力の誇示やただ騒ぐ欲望に駆られて行われる傾向に、
僕自身はかなり冷め気味なんです。
メキシコに限らず。
(ただただ楽しみたい方、すみません。それは自由です。)
各国の国旗はそれぞれ意味や歴史的背景が込められている、
国の象徴ですね。
皆さんはメキシコの国旗はご存知でしょうか。
こちらです。☟☟☟(撮影:岩崎)
赤、白、緑はイタリアの国旗と同じ色使いですね。
でもですね、
中央のデザインはもちろん、
公式には寸法も違うので、
似て非なるものなんです。
メキシコの国旗も多分に漏れず、
それぞれの構成要素に意味がちゃんとあるんです。
メキシコ最初の国旗というのは、
実は赤、緑、白や中央のワシのデザインもなかったんです。
これです☟☟☟
これはこれまでに3回に渡って書きました、
独立の英雄ミゲル・イダルゴと同志のアジェンデが、
1810年9月16日に群衆と現サン・ミゲル・デ・アジェンデに向かう途中の村で得た幟なんです。
描かれているのは、
こちらも5回に渡って書きました褐色の聖母グアダルーペです。
メキシコ政府の情報源では、
これがメキシコの最初の国旗とされていますが、
1821年の独立同盟軍(Ejercito trigarante)の旗がメキシコ初の国旗とする論者もいます。
この独立同盟軍(トゥリガランテ軍)というのは、
日本語に直訳すると「3つの保障軍」となるのですが、
なんかおかしいじゃないですか。(笑)
保障軍ってなんだよ、と。
僕が同盟軍としたのは、
10年目に突入した独立戦争で、
スペイン側のイトゥルビデ大佐の提案(実際は彼の愛人が発案)で、
戦争の終結に向けて、
メキシコ独立派とスペイン側の一部保守派が手を組んだ為です。
スペイン王室からの独立を画策していた一部のスペイン人です。
その条件として、
この時の綱領に、
独立軍のヴィセンテ・ゲレロ(Vicente Guerrero)は3つの保障を盛り込むよう、
スペイン側に要求します。
これを
Tres garantia(トレス・ガランティア)
といいます。
「3つの保障」という意味です。
☟☟☟スペイン側のイトゥルビデ大佐と世紀の“約束”をしたメキシコ独立軍のヴィセンテ・ゲレロ像(岩﨑撮影)
こうして出来上がったのが、
スペイン人と独立軍による同盟軍です。
この話はずっと前に一度していますが、
後日もう少し詳しく書きますネ。
この時にできたのが、
「独立同盟軍の旗」、
スペイン語で、
バンデラ・トゥリガランテ
と言います。
☟☟☟独立同盟軍の旗 “Bandera trigarante”
この3色は何を意味するのか。
そして国旗が意味するメキシコの歴史とは。
続きはまた次回にします~。(笑)
メキシコの国旗・その2
#MexicoCentralTours
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