メキシコの国民食“ボリジョ”の話。
メキシコ在住15年目、
「メキシコの素顔を世界に!」
をモットーに、
メキシコ公認ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。
メキシコの国民食“ボリジョ”の話。
☝ボリジョにタマルを挟み込んだグァホロタ
先日、
メキシコのパンはいまいち好きになれないという事を書きました。
でも全てのパンでは無くて、
中には美味しいパンもありますよぉという話でした。
☟まだの方はこちら。
【ココル】キオテ通信
ココルというパンでした。
カフェ・デ・オジャ(ナベコーヒー)と一緒に食べる
ココルは格別に美味しいですよぉ~
という事を書いた記憶があります。(笑)
「パンがメソアメリカからあった」
という記述もあったりしますが、
何をもってパンとするのか。
アマランサス(アマラント)は中南米が原産と言われていて、
メソアメリカで人々の日常生活における重要性が増しました。
メシカ時代には、
挽いたアマランサスに人間の血を混ぜ、
人形に仕立てました。
これをツォアリ(Tzoalli)と呼んでいて、
年末の行事で火の神ヒウテクトゥリに捧げられ、
その後それを食べていたそうです。
これを「パン」とする意見もありますが、
これはいわゆるパンではないですよね。
宗教的儀式で使っていたもので、
日常食用ではありません。
しかも材料は小麦粉ではなかった。
メキシコでパンが作られ始めた時期については諸説あり、
ハッキリ証明できる記録はないんです。
一説によると、
メシカ帝国を征服したスペイン人の大将エルナン・コルテスが連れて来た、
アフリカ系奴隷の一人が、
お米の袋の中に3粒の麦を見つけ、
それを植えたらしいんです。
その内一つが発芽し、
そこから小麦、
そしてパンがつくられ始めたという説。
もう一つは、
オーストリア人皇帝がメキシコにいた時代、
1864年にメキシコに来たパン職人カミレ・ピロッテ(Camille Pirotte)がグアダラハラに派遣されます。
そこで地元住民に家具や製パン技術を教えるよう、
政府から通達あり、
パン製造に取り掛かります。
その一方で、
発酵に欠かせないイーストが足らず困り果てていました。
そこで生地をしばらく放っておいたらしいんですね。
すると腐りかける手前で上手くパンができたとういうのです。
それがこのボリジョ(Bolillo)というパン。
☟コレ
方法が見つかるまでは試行錯誤で大変だったようですが、
その後は「簡単に出来て安い」が評判になり、
瞬く間に全国に広まります。
ボリジョが“発明”された土地グアダラハラでは、
トルタ・アオガダ(Torta ahogada)という“名物”ができます。
☟コレ。(写真はネットから拝借)
このボリジョ、
パン屋では2ペソぐらい(10円ちょっと)で売っています。
僕がメキシコに来たばかりの時、
まだ仕事がなく節約の日々だった当時(2006年-2007年)は、
このボリジョは1ペソ(5円ぐらい)でした。
安くて結構大きいので、
これをリュックに詰め、
よく昼ごはんに食べていたものです。(苦笑)
このパンは使い勝手が良く、
いろんな形で使えます。
レストランにはよく、
輪切りにしたものが置かれていて、
料理が出て来るまでそれとコーヒーで待ちます。
あとは軽食として、
モジェテというものがあり、
半分ないしは輪切りにしたものの上に、
豆のペーストやチーズ、
トマト、玉ねぎなどを乗せたものがあります。
☟コレ
あとは、
メキシコシティ発祥と言われる
グァホロタ。
ボリジョにタマルを詰め込むものです。
☟これです。
普通のトルタにしたり、
いろんな形で今日のメキシコの人達の胃袋を満たしています。
ヨーロッパのパン職人が発明しただけに、
フランスパンに似ています。
外が固く中が柔らかいのが特徴です。
拙宅近くに、
レストラン用にこのボリジョを作る小さな工場があるのですが、
前を通るとスゴク良い香りがするんです!
夜通し作って、
早朝に焼きたてのボリジョをレストランに運びます。
たかがボリジョ、されどボリジョ。
たった一つの国民食的パンの裏にも歴史はあります。
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