メキシコを象徴する料理チレス・エン・ノガダとは。

メキシコ在住15年目、

「メキシコの素顔を世界に!

をモットーに、

メキシコ公認ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。

 

チレス・エン・ノガダ

Chiles en nogadaと書きます。

 

さて、

何のことでしょう?(笑)

 

【キオテ通信】を読んできて頂いた方でしたら、

チレスと聞いて多分ピンと来たハズ?(笑)

 

はい、Chiles =チレ(チリ)=唐辛子ですね。

 

この時期になると、

メキシコ料理のお店では

Chiles en nogada

というメニューが出てきます。

☝☝☝これです

 

基本的に、

7月から出始めて9月まで食べられる料理です。

 

唐辛子の料理といったって、

イロイロありますね。

といっても、

チレはサルサはもちろん、

スープに入れたり、

イロイロな料理に使われますが、

大部分は調味料として使われます。

 

でもチレス・エン・ノガダは、

“チレス”と料理名になるほどなので、

これはチレがメインの料理なんです。

 

メインの材料は、

チレ(チレ・ポブラノという品種)、

牛、豚肉、

クルミ、

フルーツ(リンゴ、洋ナシ、バナナ、桃、プルーンなど)、

シナモン、

牛乳、

そしてザクロです。

 

特に、

ザクロとクルミがこの季節の作物なんですね。

 

そして、

もう一つこの季節に、

特に9月16日の独立記念日に合わせて食べられる料理である理由があるんです。

 

独立記念日に合わせるぐらいなので、

メキシコの独立と関係があります。

 

まずは色。

メキシコ通の方でしたらすぐにご想像できたかも知れません。

チリは緑、

ソース(ノガダといいます)は白、

そしてザクロは赤です。

はい、メキシコの国旗の色です~。

 

この料理については、

“正式な”起源についての記録が残っていないんです。

そのため“いくつもの”バージョンが存在し、

読者を翻弄するのですが、(苦笑)

ココでは、

僕がいつも使っている“正式な”情報源がオフィシャルとする“説”を紹介します。

 

その起源とは、

メキシコが独立した年1821年に遡ります。

いつかメキシコが独立する際の様子について書いた事があります。

こちらをお読みください。
【一つの時代が終わる時・始まる時】こちもお読みください

独立戦争の英雄は先日少し紹介しましたミゲル・イダルゴを始め何人かいるのですが、

最後の最後は、

結構グズグズで、(苦笑)

次の覇権を見越した動きが見られます。

 

当時の当事国スペインは、

ナポレオン・ボナパルトの死後、

ブルボン家のスペイン王フェルナンド7世の王位をめぐり、

保守派とリベラル派の間で政治混乱が生じていました。

それに乗じて植民地であるヌエバ・エスパーニャ(メキシコ)では、

保守派のスペイン人により

スペインからの独立が密かに画策されていたんです。

 

そのスペイン人の内の一人が

イトゥルビデ(正式には本国生まれではないのでクリオジョ)でした。

☝☝☝この人

 

彼はかつて敵として戦った、

ミゲル・イダルゴが率いた独立軍側の幹部に独立への陰謀を打ち明け、

3つの約束を守る事を条件に手を組んだのです。

 

こうして、

ベラクルスのコルドバという村で、

8月24日に

イトゥルビデはスペイン植民地総督とコルドバ条約を締結し、

メキシコ独立戦争は“終結”するのです。

☝☝☝ココがその現場

 

その帰り道にプエブラ市に立ち寄るんですね。

☝☝☝ココです

 

独立戦争の“終結”とメキシコの独立のニュースを知った修道女たちは、

イトゥルビデと独立を祝うべく、

この時期の作物を使ったスペシャルなご馳走を用意するんです。

 

それがこの、

チレス・エン・ノガダ

なのです。

 

先ほどメキシコ国旗の色に盛り付けさえていると言いましたが、

正しくは、

スペインのイトゥルビデ軍と独立軍の同盟軍の旗の色ですね。

☝☝☝これです。色あせてしまっていますが、
右から赤、緑、白です。

 

当時は最初からこのような見た目や味付けではなかったようで、

今のようなカタチになったのは19世紀中頃との事です。

材料も当時は高価なもので、

庶民が全員食べられたものではなかったでしょうね。

 

こんな歴史があり、

現在はメキシコ料理を代表し、

独立の象徴ともされるメキシコ料理なのです。

 

それでそのイトゥルビデさんですが、

独立後のメキシコ帝国の皇帝となるのですが、

権力の座に就くや否やダメ人間になってしまったそうです。

条件に挙げられた3つの約束も守らず、

職権を乱用し始めたため、

事実上国外に逃亡します。

逃亡中に死刑判決が下り、

それを知らずに帰国した彼は、

かつての“友人達”に捕らえられ、

銃殺刑に処されました。

なんて哀れな最期なんでしょう・・・

 

今年は難しいですが(苦笑)、

来年この時期にいらっしゃいましたら、

ぜひぜひお召し上がりください~

 

#MexicoCentralTours

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