人間が知るべきモナルカ蝶の境遇・その2

メキシコ在住15年目、

「メキシコの素顔を世界に!

をモットーに、

メキシコ公認ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。

 

人間が知るべきモナルカ蝶の境遇・その2

(撮影:岩﨑)

その1はこちら☟

キオテ通信【モナルカ蝶境遇・その1】

 

今日11月16日月曜日はメキシコは祝日です。

振替休日で、

本来は今週の金曜日20日なんです。

何の祝日かと言いますと、

「メキシコ革命記念日」

革命と言えば、

1879年のフランス革命や、

1959年のキューバ革命などが有名ですが、

「メキシコ革命」もあるんです。

これについては、

日本時間の今週金曜日に掲載しますネ。(笑)

 

話は本題に。

 

モナルカ蝶の研究は二人のカナダ人によって、

1940年から始まり、

1975年にはほぼ全ての生息地が確認されたようです。

76年には、

ナショナルジオグラフィックが、

モナルカ蝶の生息地について記事を出版しています。

 

それから約40年後の今日、

その個体数は激減してしまいました。

 

メキシコの国内の生息地の面積は、

かつての5%にまで減っているのです。

 

たったの5%ですよ!!

 

この現象が何を物語っているのか、

容易に想像がつくと思います・・・

 

この減少スピードですと、

向こう20年どころか、

10年、5年先にどうなっているか、

メキシコから姿を消していてもなんら不思議ではありません。

メキシコに「移住」してくるのには、

もちろん理由があります。

 

「メキシコから消えるのなら、

どこか別の場所をさがすのでしょう」

 

いやいや、

そんな事を言っているあなた、

ご自分の身に置き換えてみて下さい。

 

「引っ越し」すれば、

家が変わります。

生活環境そのもの、

職場や学校、

ご近所の人間関係、

気候や、

場合によっては食べ物や、

使う言語だって、

多くのものが変わるではないですか。

 

それに不足なく適応できる人ならいいですが、

皆が皆、

簡単にできる事ではないですよね。

 

メキシコのような、

一般的に言われている「途上国」に適応できない日本の人がいかに多いのかを見ただけでも、

その「大変さ」

というのは想像つくのではないでしょうか。

 

「自分の家」を追われただけで、

引っ越しして事が済めば楽です。

でももし、

比較的温暖な気候の日本の人が、

いきなり南極に住めって言われたって、

ムリですね。

 

行き場がないんです。

 

行き場が無くなるとどうなるか。

もう生きる事は出来ません。

 

そんなモナルカ蝶の出生地はといいますと、

カナダとアメリカ両国の広域に跨ります。

 

そこで生まれたモナルカ蝶たちは、

ロッキー山脈を隔てて、

東ルートと西ルートに分かれて南下を始めます。

 

とはいっても、

全てのモナルカ蝶たちがこの過酷な旅に出るわけではないんです。

 

8月中ごろのカナダは妙に冷え込みます。

2004年の夏、

僕はちょうどこの時期にカナダ中部を野宿をしながら自転車旅行をしていたのですが、

途中で凍えそうになり、

慌てて毛布を買い足したほどです。(苦笑)

 

冷え込むとどうなるかというと、

繁殖が遅れ、

最大で9カ月近くも生きることができるのです。

そうでない場合は1カ月程度と考えられています。

この9ヵ月近くも生きる種類を、

マトゥサレン(Matusalen)

と呼んでいて、

この種がですね、

8月下旬から9月初旬にかけて生まれ故郷のカナダやアメリカ北部を出発し、

ロッキー山脈の東西二手に分かれて南下を始めます。

 

動物の世界では類を見ない、

集団大移住の始まりです。

 

西組は、

サンフランシスコからメキシコのエンセナダまでの

約900キロに渡る範囲で、

彼らの冬の住処となる森に定住します。

 

東組は、

アメリカを縦断し、

メキシコのコアウイラ州、

ヌエボレオン州、

タマウリパス、

サカテカス、

アグアスカリエンテス、

グアナファト、

サンルイスポトシ州

などを通り、

メキシコ中部のメキシコ州や

ミチョアカン州にて、

越冬の場所である森に定住するのです。

 

それがこの時期、

11月なのです。

 

北米で生まれるモナルカ蝶の9割以上は、

東ルートで南下し、

メキシコに到達します。

西ルートは1割にも満たないのです。

 

彼らはこれからメキシコ州やミチョアカン州の森を住処にし、

北米の厳しい寒さから逃れ、

温暖なメキシコの森で3月まで越冬し、

春には再び生まれ故郷に戻っていくのです。

 

その一方で、

彼らが越冬に使う(った)メキシコの森の面積というのが、

96~97年の22ヘクタールから、

最も少なかった2013~14年は0.6ヘクタールにまで減ったのです。

2018~19年にかけては7ヘクタールまで持ち直しています。

 

次回はその原因について書いてみます。

 

ではでは。

 

#MexicoCentralTours

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