モナルカ蝶の絶滅が現実的に。種の絶滅が意味することを考えたい。(1/2)


ロゴ,メキシコ,観光,ツアー,ガイド

 

メキシコ旅行やメキシコ生活、海外旅行について、

ほぼ毎日行き当たりばったりに、

現地在住の視点で書きながらも、

ゆるすぎるメキシコブログ【キオテ通信】です。

 

成田から直行便でたったの12時間、

アメリカ・カナダの各都市から5時間以内、

春休み旅行、ゴールデンウィーク、夏休み、そして年末年始、

2023年の海外旅行は「未知の国メキシコ」への旅行はいかがでしょう。

 

メキシコ在住17年目のメキシコガイド兼ドライバーが、

複雑で広大なメキシコを、

【お得】で【楽】で【濃厚】完全プライベート日本語ツアーで、

数々の遺跡からグルメ、各地の見所、そして雄大なメキシコの山まで、

尽きる事のないメキシコの魅力をご案内しております。

 

育児期間中につき、

投稿が断続的になっております~。

落ち着きましたらほぼ毎日投稿に戻します。

 

たかが蝶々・・・の前に考えたいこと。

恐るべき小さな大自然のパワー

前回のつづきです~👇

この時期メキシコにはある「お客様」がいらっしゃいます。モナルカ蝶の話。(1/2)

 

前回は自分の親すらも通ったことがない道なき道を、

迷わず4000キロも移動する恐るべき方向感覚と体力があるモナルカ蝶について書きました。

 

 

北米で生まれた蝶々がメキシコにやってきて越冬し、

また北に戻って産卵し、

その生まれた子がまた翌年にメキシコに来ると考えられる方が多いと思いますが、

これが違うんですね~。(驚!?)

 

来年メキシコに来るのは、

今年メキシコに来た世代のひ孫または玄孫にあたります。

はい、一年の間に4世代ぐらいが生まれて死んでいくのです。

 

前回書いたように、

最後の世代だけがなぜか恐るべき体力を持って、

メキシコへの大移住を成し遂げます。

 

メキシコ中央部を北上する際、

ある場所でこんな👇看板を見かけます。

てか小さくて見えねぇですよね。(苦笑)

正面の長細い看板に「モナルカ蝶のルート」と書いてあります。

 

「モナルカ蝶の通り道」と書いた看板が、

砂漠地帯に数十キロも一直線に続く高速道路上に設置されています。

ちなみにこの看板は、

モナルカ蝶の森からざっと1000キロ弱の場所。

彼らの旅程の75%~80%地点です。

第4コーナーを周り最後のラストスパート掛ける地点、

と言えますでしょう。

 

モナルカ蝶の減少、そして絶滅へ

ここ数年、

年によってバラツキはあるものの、

だいたいメキシコの人口よりちょっと多いくらいのモナルカ蝶が飛来するそうです。

 

しかし、

この数字というのは約20年前、

90年代のそれと比べ90%も低い水準となっており、

いずれ絶滅が危惧されている生物です。

近年は若干とりもどしましたが、

それでも20年前とは比較にならないほどの減少です。

 

この個体数の減少の要因と言うのがいくつかあるのですが、

その最たるものが、

彼らの産卵と成虫への生育期に必要不可欠な「ある植物」の激減です。

 

モナルカ蝶の卵は産卵後4~8日ほどで孵化し、

9~15日ほどで卵の3000倍の大きさの幼虫へと変態します。

この段階で唯一、

彼らが生きるために必要とする植物というのが、

Asclepiasというもの。

日本語ではトウワタと呼ばれるようですが、

これがないと産卵場所がなく、

産卵できても食べ物がなく死んでしまうのです。

👇トウワタ

 

なぜ激減したのかというと農業。

特にアメリカのトウモロコシ地帯には多くのトウワタがある(あった)わけですが、

雑草としてトウモロコシの生育に悪影響を及ぼすと理由で、

大量に除草剤が撒かれて除草されてしまった(いる)のです。

 

その他にも、

越冬地となる森周辺の違法伐採や、

住宅地の拡大など、

モナルカ蝶たちの生活環境が人間の「エゴ」によって消滅していることは否めません。

 

僕ら観光客にだって責任はあります。

「モナルカ蝶をみたい!」と森に行くこと自体は、

自然を知る上でとても良いことなんですが、

こういった生物はとても敏感です。

人間が不自然に発する「騒音」が、

彼らを十分に休ませることができず、

帰りの北米への移動に必要な脂肪を燃やしてしまいます。

十分な緯度まで戻れないと産卵できず、

もちろん来季の世代は育ちません。

 

なぜトウワタが大事なのかと言うと、

トウワタにはある毒素が含まれています。

トウワタ自身は動物に食べられないように自然発生的に生成・保持しているのですが、

モナルカ蝶にだけは“特権”が与えられ、

モナルカ蝶が幼虫のときにこの毒素を吸収し貯蓄できる機能を兼ね備えています。

成虫になるとトウワタだけでなく。

様々な植物の蜜を食料としますが、

それでも幼虫期に蓄えたトウワタの毒素は保持し、

外敵から身を守る武器となっています。

 

このトウワタがないと、

そもそも「育たない」⇒「減る」一方なんです。

 

モナルカ蝶を保護するには

じゃあ、

モナルカ蝶を増やすには、

トウワタを栽培すればいいのね?

って思われるかもしれませんが、

これもちょいと違う。

 

トウワタにはいくつか種類があるんですが、

もともと自然に生息している種に加え、

新たにトロピカル種という栽培される種が出回っています。

トウワタは室内のデコレーションに使え、

成長も早く商業には重宝する植物で人気になっています。

 

モナルカ蝶たちは自然に生息したものと、

栽培されたものとで見分けがつかず、

どちらにでも産卵することができます。

そのため、

比較的温暖なカリフォルニア州や米国南部に留まり、

繁殖を継続するためメキシコへの移住をしなくなります。

この弊害により、

モナルカ蝶たちが本来持ち合わせる生態系の一部としての役割が失われたり、

移住しないことによる何らかの障害を発する可能性があるようです。

 

「減ったら植えればいい」というものではなく、

可能な限り、

彼らの自然の生活環境を保持し、

その状態に近づけることが本来の「モナルカ蝶の保護」になります。

 

ただ個人の力では難しい側面があります。

そんな時には自然保護団体と関わり、

何か小さなことでもいいからやってみることが大事でしょう。

 

モナルカ蝶について自分でもっと詳しく知って見る、

知った上でモナルカ蝶の森へも足を運んで現実を自分の目で見てみる。

そうしたら何か自分でアクションを起こしてみる。

 

そんなことが出来れば、

モナルカ蝶だけでなく、

地球上で絶滅の危機に瀕している動植物を救えることができるのではないでしょうか。

 

はい、

そんなこというと、

「これまで恐竜をはじめ自然発生的に絶滅してきた種もあるじゃないか」

と言われる人もいると思いますが、

少なくても、

人間が生きるうえで必要以上に自然に影響を与えている部分を、

という意味です。

 

モナルカ蝶に限らずですね、

「観光」という行為を通じて、

何かですね「お土産」を持ちかえられれば、

その「観光」は皆さんにとって意味ある記憶の一つになることでしょう。

それは遺跡観光や登山、

歴史的な町を歩くという行為だって同じです。

 

表に見えるものだけでなく、

それらの背景に少しだけ歩み寄ってみること、

これは特にこれらかの観光にとって、

すごく重要な要素になると僕は感じています。

 

ではまた。

 

メキシコ発【キオテ通信】バックナンバーはこちら!

一番下に関連記事が表示されるようになりました~
画面を一番下👇👇👇までスクロール~

【お一人のお客様同士のライドシェア】

お得なキオテのライドシェア詳細はこちら

SNSにてメキシコの写真と動画を多数アップしています!

#MexicoCompleteTravel

20年近くメキシコの社会にどっぷり浸かり生活している私から見た「メキシコの素顔」を、文章、写真、動画でご紹介しております。

ぜひフォローをお願いします!

Facebook

Instagram

メキシコ旅行相談窓口

 

【人生のリバイバルコーチング事業】
私岩﨑はICF(インターナショナル・コーチング・フェデレーション)認定ライフコーチング業も営んでいます。
皆さんが一度限りの人生、限りある人生を有意義に生きられるようお手伝いさせて頂きます。
詳しくはこちらのホームページをご覧ください。

ラテン式人生のリバイバルコーチング事業はこちら