ユカタンに観光鉄道ができる話。

メキシコ在住16年目、

「メキシコの素顔を世界に!をモットーに、

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いつかまた戻ってきたくなるメキシコ旅行を提供しています、

公認日本語ツアーガイド兼ドライバーの岩﨑コウです。

 

今日も呑気にメキシコから書いています~

 

ユカタンに観光列車ができる話。

👆ユネスコの世界文化自然複合遺産のカラクムルの遺跡と森林

 

今日はコロナで保留になっていた山ガイド研修の最終試験で、

また山に来ています~

 

コロナの危険信号が緑になったことで、

このような活動が少しずつ可能になってきています。

 

ワクチンも急ピッチで進み、

更なる感染拡大を抑えられればいいのですが・・・

まだ予断を許せません

 

前にもしましたっけ、この話?

 

記憶力がとても悪いので、

いつ何を書いたのか覚えておりません。(苦笑)

 

カンクンやチチェンイッツァがあるユカタン半島を、

ぐるりと一周する観光鉄道が建設されています。

 

これにより、

ユカタン半島の観光はもとより、

観光収入への依存度が高い地域の経済発展が期待されるとのこと。

 

お客さんからしたら、

 

「鉄道ができれば、いろんな場所にも足を伸ばせる!」

「あら素敵!ミーハーだから乗ってみたい!」

 

と考えられるでしょう。

 

そこでですね、

ご利用前に

ちょぉ~と考えて頂きたいことがあるんです。

 

僕も正直、

皆さんのお考えを聞いてみたいです。(笑)

ぶっちゃけどう思われるのか。

 

ちょっと正確なデータがパッと出て来ないんですが、

ユカタン半島にあるユカタン州4万㎢に限っても、

農地や住宅地を含まない森林地帯の面積は78.9%。

 

約8割ですね。

 

カンクンがあるキンタナロー州は週の約9割が森林地帯。

 

森林が占める割合が大きいユカタン半島の面積が

141,000㎢ぐらいとし、

 

そうすると、

森林が占める割合、約8割としましょうか、

そうすると112,000㎢ぐらいとなります。

 

その内約25㎢、

日本の伊丹市と同じぐらいの面積の森林が、

この鉄道の建設の為に新たに伐採されることになります。

 

「森林伐採」だけで話が終なら、

植林すればいいじゃん、

という意見も出てくるのでしょうが、

そんな単純な話じゃないんです~

 

そう思われる方、

ぜひとも森林を歩いて見て下さい。

ただの植林で解決する問題じゃないことがわかるかも?

 

このエリアというのは、

ユネスコの自然遺産があるエリア(カラクムル)を含み、

多種多様な動植物が生息する地域でもあります。

 

この鉄道というのがですね、

結構な高速鉄道になるようでして、

旅客列車が時速160キロ、

貨物列車が120キロぐらいで運行される予定。

 

そんな自然豊かな森林地帯を、

高速鉄道が進めば動物が列車に衝突するリスクも高まります。

 

既に自動車用の道路が通っているとはいえ、

あらたに鉄道を通せば、

動物たちの生息地域をさらに分断することに。

 

列車の騒音で、

コウモリの方向感覚に影響を及ぼす可能性があるという報告もあります。

 

列車による直接的な被害だけではありません。

 

例えばカラクムル遺跡。

 

これまでは「幸い」にして、

人があまり立ち寄ることができない遠隔地にあり、

年間4万人という、

「多すぎない」観光客が訪問する場所でした。

 

しかしこの鉄道の開通により、

これが3百万人にまで膨れ上がることが予想されています。

 

テオティワカンの太陽のピラミッドではないですが、

「多すぎる」訪問客数による、

遺跡そのものへの直接的なダメージやいたずら、

(これ、刑務所直行です)

騒音による動物への影響、

植物の違法採集、

遺物の盗難(これも刑務所に直行)

ごみ問題など、

あらたな問題に直面することが必須です。

 

さらに、

自然、生態系への影響に加え、

「地元住民」への人権問題が現在進行形で発生しているようです。

 

もともとマヤ系の人々が生活拠点を構えるエリアですが、

この鉄道工事により、

彼らの生活圏そのものや、

彼らの自然資源が一方的に侵されているとのこと。

というもの、

全線の53%がそのような地元の人達の生活圏を通るのです。

しかも工事の進行具合は30%強。

まだ70%ぐらいを残し、このような問題が山積みです。

 

詐欺や脅しなども発生しているという報告があるようです。

 

政府の思惑は、

外国人観光客を呼び込み、

外資によるホテルなどの観光施設を整備し、

雇用など地元の経済にも貢献するというもの。

 

しかし考えてみて下さい。

 

ホテルやその他の観光施設一つとっても、

建設するのに更なる森林やマングローブ、セノテなどの生態系を成すエリアに、

既に建設“ラッシュ”が始まっています。

とうぜんエコシステムを破壊して。

 

よくフェイスブックやインスタの広告に出て来るのです。

 

“天然セノテ付き物件、今がお得!”

とか、

“マヤのジャングルに佇む別荘・・・いかが?”

みたいな。

 

「いかが?」とか「お得!」って、

地球の遺産の私物化じゃないですか。

 

👆どれだけ木を伐採し、

どれだけの動植物の住処を奪い、

どれだけの水を汚染するのでしょう。

 

聞いた話ですが、

ハリウッドの有名外国人が所有するホテルの建設現場に、

アブナイ人達が入り込み始めているようです。

労働者は低賃金で働く人達。

彼らからみかじめ料を巻き上げ、

支払えないと・・・

 

これが経済発展?

これが地元経済への貢献?

これが“楽しい”観光?

こんな場所でゆっくりくつろぐ?

 

僕からは意見は書きません。

というか政治がらみなので書けません。

 

皆さんがいずれは利用する?前に、

この鉄道建設の背景にあるメキシコの現実に、

たとえ少ぉ~しでも目を向けて考えてみて下さい。

 

自分達がしようとしている観光がどういうものなのかってことを。

 

というわけで、

また明日~

 

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