バニラの話

Xanath(シャナットゥ)。

直訳すると“遠い花”。

☝☝☝Xanathの花

 

何のことかと言いますと、

バニラです。

 

バニラって聞いて、

多分知らない人はいないと思いますが、

バニラアイスのあのバニラです。

欄科の香辛料の一種で、

世界で最も人気が高く、

需要が高く、

値段が高い香辛料の一つですね。

実はこの植物の原産地はメキシコなのです!

 

以前の記事でカカオはメキシコ原産なんですよ~~

なんて書きましたが、

バニラもなのですよ!

 

意外や意外!?

 

メキシコ、と言ってもとっても広い。

どれぐらい広いかというと、

日本の約5倍、

という事は約200万平方キロメートルの国土があるのですが、

その中部の東側、

メキシコ湾沿いに長細く縦長の、

ベラクルス

という州があります。

更にその中央部に

パパントラ(Papantla)

という場所があり、

その西に有名な

エル・タヒン(El Tajin)

という、

ガイドブックにもちょこっとだけ

取り上げられている、

メソアメリカ時代(スペイン人に入植される前)

の都市跡があります。

その一帯を、

トトナカパン

というのですね。

 

ちょっとややこしいのですが、

ザックリとメキシコには、

15の言語ファミリーがあるのですが、

各言語ファミリーが枝分かれしてですね、

現在約52の言語がメキシコに存在しているのです。

(68という人がいますが、

それは10年前の国勢調査の情報)

元々は124の言語があったことが確認されているのですが、

年々減ってしまっているのです。

 

その一つがトトナカというれっきとした言語(方言・ダイアレクトではない)で、

トトナカ語を話す人達をトトナカ族といいます。

彼らがこのトトナカパン一帯に一大文化、

トトナカ文化圏を築いたのです。

 

バニラはココが原産地であり、

このトトナカ族によって発見され、

メシカ帝国に年貢として納められていて、

前述の滋養強壮飲料であるカカオドリンクに混ぜて

飲まれていたのですね。

(メシカとはアステカの事ですが、

メキシコの考古歴史学ではアステカとはいいません)

☝☝☝バニラ農園のバニラの蔓

 

スペイン人が入ってくると、

その高貴な香りのするバニラをヨーロッパに輸出し始めたのです。

特にフランスで人気になり、

フランス革命で失脚しギロチンで処刑された

ルイ16世も好んでいたようですね。

 

味をしめたヨーロッパ人が、

ベラクルス以外でも生産を試みたのですが、

何故か人工交配がうまく行かず、

暫く間、スペインの独占産業だったのです。

その後アフリカ出身の奴隷が人口受粉を可能にし、

世界各国でバニラ産業がひろまり、

今日ではマダガスカルやインドネシアを筆頭に、

約8ヵ国で生産されるようになりましたが、

原産国のメキシコは何とその中で最下位、、、

ベラクルス沖に油田が発見されたこともあり、

人の手はそちらに流れる事になり、

メキシコのバニラ産業は廃れてしまったのです。

 

それに追い打ちを掛ける可能に、

人口化学調味料が1940年代に出始め、

その価格差は10分の1以下と、

オリジナルのバニラの需要自体も低調となっています。

市場に出回る“バニラ”の約8割は、

この人口化学調味料なのです。

 

トトナカ語でXanath(シャナットゥ)は“遠い花”、

南のソケ語、ポポロカス語ではTlilxochitl、

メシカが話していたナワトル語でTichmoyaは“黒い花”

と呼ばれていたバニラ。

 

これから暑くなる夏にバニラアイスを食べたら、

その根っこはメキシコにも伸びているんだなぁ、

と一瞬でも思いふけってみて下さい。(笑)

 

詳しくは現地で説明ますね。

バニラ農園にもお連れできますよ~